お葬式コラム

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コラム

お葬式に欠かせない食事。種類やマナーを教えて!

お葬式ではご家族や親族、参列者と食事をする場面があります。宗教・宗派、地域にもよりますが、「通夜ぶるまい」や「精進おとし」が代表的な会食シーンです。今回は喪主側、参列者側それぞれのふるまい方や気をつけるべきマナーなどをご紹介します。

通夜式後の会食、「通夜ぶるまい」とは?

通夜式のあと、故人のご家族が弔問客を食事や飲みものでもてなすことを「通夜ぶるまい」といいます。ご家族から忙しいなか故人の弔いのために足を運んでいただいた方へ感謝の気持ちを伝える場として催し、さらにはご家族や親族、弔問客らが“故人とこの世で最後の食事をともにする”供養をする目的もあります。

通夜式は本来、ご家族や親族が夜を徹して故人を見守る儀式でした。「夜伽(よとぎ)」とも呼ばれ、故人のかたわらに親しい人々が集い、夜を通して思い出話をしていたのです。

このように夜通し語り合うことはできなくても、通夜ぶるまいの席でみなさんが思い出話をして故人を偲べば、よい供養になるのではないでしょうか。

通夜ぶるまいの「準備」と「流れ」。

通夜式の場所から近い別室に通夜ぶるまいを用意します。自宅葬がほとんどだった昔は近所の方が手伝いに来てくれましたが、斎場やセレモニーホールでの開催が多い近年では葬儀社が準備したり、仕出し料理店に頼んだりするのが一般的。葬儀社のセットプランではオプションサービスになっていることも多いので、担当者に確認してみましょう。

通夜ぶるまいの料理

昔は肉や魚類の生ぐさいものを避けた精進料理がだされていましたが、最近は寿司やサンドイッチなど軽くつまめる軽食を大皿で提供するのが主流。メニューに故人が好んでいた料理を加えて、みんなで食べてもいいでしょう。 準備する料理の量は、弔問客の2分1から3分2程度が目安。親族やお手伝いいただいた方にもだすので、少し多めに用意しておくと安心です。飲みものはお茶やジューズのほかに、けがれを清める意味もあるお酒もふるまいます。

僧侶にも参加いただく

通夜ぶるまいは通夜式で読経いただいた僧侶にも、できるだけ同席を願いましょう。僧侶が参加を辞退されたり、そもそも通夜ぶるまいの場を設けなかったりした場合は、「御膳料」をお渡しします。御膳料の金額は5,000円〜10,000円程度が一般的なようです。

通夜ぶるまいの流れ

お葬式同様に、通夜ぶるまいにもさまざまな形式がありますが、大きな流れとしては以下が一般的です。
〈1〉喪主による開式のあいさつ
〈2〉料理や飲みものをふるまい、会食
〈3〉喪主による閉式のあいさつ
はじまりと終わりに喪主があいさつし、感謝の意を表します。通夜ぶるまいは1時間〜2時間程度でお開きにし、頃合いをみて喪主があいさつをして閉会します。また、途中で帰る弔問客があっても、喪主やご家族が席を立ってお見送りする必要はありません。 すべての弔問客が帰ったあとは、身内だけで食事をとりましょう。

神式やキリスト教式にも通夜ぶるまいはあるの?

神式では「直会(じきかい・なおらい)」が通夜ぶるまいにあたります。仏式同様に弔問客へのお礼の意味が込められ、料理やお酒がふるまわれます。メニュー内容に決まりはありませんが、ご家族が火を使ことは「忌み火」といってタブーとされているので仕出し料理を頼みます。
キリスト教式では、牧師や神父がご家族と話す「茶和会」を開きます。紅茶やコーヒーなどの飲みものと菓子を楽しみながら故人との思い出を語らう会で、アルコールは飲みません。

通夜ぶるまいを行わないケースも

時代の多様化とともにお葬式スタイルも変化しています。最近では通夜ぶるまいをやらなかったり、簡略化してお酒や折り詰めなどを弔問客に持ち帰ってもらったりするケースもあるようです。ご家族の考え方や取り入れるお葬式スタイルにあわせて、選択するといいでしょう。



初七日法要後に行う「精進おとし」。 昔と今では意味が変わってきています。

人が亡くなると7日目に初七日法要を行いますが、この法要のあとにご家族や親族の方々で会食することを「精進おとし」といいます。

精進おとしは「精進明け」「精進上げ」とも呼ばれ、もともとは身内の不幸によって肉や魚などを絶って精進料理を食べていた人が、四十九日を終えた忌明けに通常の食事に戻すことを指していました。

しかし時代とともに考え方は変わっていき、身内が亡くなって肉や魚を食べない精進をする方はほとんどいなくなりました。精進おとしも本来の意味は薄れていき、初七日法要後に喪主やご家族がお葬式でお世話になったみなさんを感謝の気持を込めてもてなす宴席へと変化しています。

最近では仕事などの関係で7日目に再び集まるのが困難になっていることから、火葬後に初七日をすますご家族は多くなっています。そのため精進おとしはお葬式当日の最後の儀式として、ひとつの節目を果たします。精進おとしを無事に終えることで故人が亡くなってからの供養は一区切りつき、ご家族は一息つけるでしょう。

精進おとしの「準備」や、気をつけたい「マナー」について。

精進おとしはお葬式でお世話になった方をもてなす宴席ですから、喪主側が準備します。僧侶や親族など火葬場に参列する方々をお誘いし、人数分の料理を用意しましょう。会場は葬儀会場や料亭が多く、火葬場に施設が併設されている場合は場内で開催することもあるようです。

精進落としの料理

昔は精進料理が食べられていましたが、現在はお肉や魚もメニューに加わります。また、精進おとしは通夜ぶるまいとは違い、参加する人数が事前にわかっているので、個別のお膳料理を用意するのが一般的。料理内容に決まりごとはなく、近年は定番のお寿司や懐石膳から洋風・中華風まで多様なメニューが選ばれています。とはいえ、幅広い年齢の方が口にするもの。みなさんが食べやすい料理を選ぶようにしましょう。小さな方にはお子さま向けの料理を用意すると喜ばれます。また、お誘いするときにアレルギーの有無も確認し、安心して食べられる料理を準備する配慮も必要です。

僧侶など招待客は事前にお誘いしておく

精進おとしにお招きしたい人は事前にお誘いし、都合を確認しておきます。読経いただいた僧侶やとくにお世話になった方には前もって伝え、参加いただきましょう。どうしても都合がつかず同席できないときは、お礼のあいさつとともに「御膳料」や「お車代」をお渡しし、返礼品や供物をわけた袋も持ち帰ってもらいましょう。御膳料には10,000円程度が相場のようです。

僧侶は最上席、喪主は末席に座る

精進おとしで気をつけたいのが席次です。お世話になった方々を上座にし、接待する側が下座にいるのがマナー。具体的には、最上席に僧侶、次いで世話役、会社関係者、友人・知人、親族と続き、ご家族や喪主は末席に座ります。

精進おとしの流れ

参加者全員が席についたら、精進おとしのはじまり。一般的な流れはこちらです。
〈1〉喪主からお礼のあいさつ
〈2〉献杯
〈3〉宴席の開始
〈4〉喪主から終了のあいさつ
最初のあいさつでは喪主から参加者にお礼の言葉を述べ、あわせてお葬式が無事に終えられたことを報告。宴席では喪主が酌をして回り、一人ずつに感謝の意を伝えていきます。
会食時間は1時間〜2時間が目安。頃合いをみて喪主が手短なあいさつをし、お開きにします。宴席の途中で帰る方がいるなら、喪主はその場を離れてあいさつに行き、お礼の言葉とともに返礼品や供物をわけた袋を渡しましょう。

乾杯ではなく「献杯」

精進おとしでは、故人に杯を捧げて敬意を表す「献杯」をします。普段の宴会でよくする乾杯と献杯は作法が違い、杯を高く上げたり、杯同士を打ち合わせたりしません。さらに、大きい声で「献杯!」といったり、献杯後に拍手をしたりするのもマナー違反。献杯の唱和は静かに行いましょう。
献杯の音頭は喪主でも問題ないのですが、会社の上司や年長者の親族がいる場合はお願いするといいでしょう。
精進落としでは、まず位牌の前にお酒の入った盃を置き、喪主があいさつ。その後、献杯へと続きます。献杯が宴席のスタートを告げるので、参加者は献杯を終えるまで料理に手をつけてはいけません。

精進落しは通夜ぶるまい同様に、お葬式を担当する葬儀社が準備を整えてくれるケースが多いようです。担当者への相談をおすすめします。



参列者として会食に誘われた場合、気をつけることは?

通夜ぶるまいや精進落としは、喪主やご家族からの感謝のおもてなしであり、故人を偲ぶ場でもあります。お誘いを受けたら、できるだけ参加しましょう。とはいえ、普段の宴席とは趣旨が違います。なごやかに会食できるよう、参席するときは以下の点にお気をつけください。

お酒を飲んでハメを外さない

通夜ぶるまいでも、精進おとしでもお酒はふるまわれます。飲んで親睦を深めるのは何ら問題ないのですが、盛り上がり過ぎて場の空気を乱してはいけません。大声で話たり、大きな笑い声を立てたりするのは控えましょう。もちろん、車を運転する人など飲酒できない人にお酒をすすめるのも厳禁です。

故人の思い出を話題の中心に

通夜ぶるまいや精進おとしは、故人を偲ぶ場でもあります。会食での話題は、故人の思い出を中心にしましょう。参加者それぞれがクスッと笑えるエピソードや心に残っている言葉などを披露しあえば、あたたかい雰囲気になります。
故人の話題であっても、死に関連することを口にするのはNG。亡くなったときの様子を尋ねるなどはマナー違反です。また、お悔やみを改めていう必要もありません。とはいっても、喪主やご家族は悲しい気持ちをもちながら通夜式やお葬式を執り行い、とても疲れています。励ましや労りの言葉をかけることは大切な心遣いなのではないでしょうか。



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