お葬式コラム

最近、注目されているお葬式の生前予約とは?

「終活」が普及した現代は、ご自身のお葬式について考えることが当たり前になってきました。〈自分らしいお葬式で旅立ちたい〉と希望をもつ方も多く、元気なうちにお葬式の「生前予約」をされる方も増えているようです。
しかし、生前予約を十分にわかっていないと満足できないお葬式になるだけでなく、トラブルにつながってしまう恐れもあります。まずはお葬式の生前予約を理解し、安心して依頼しましょう。

お葬式の生前予約とは。生前契約との違いはあるの?

お葬式の「生前予約」は、ご自身が生きているうちに死後に執り行うお葬式を予約すること。ご本人やご家族が葬儀社と相談してお葬式の内容などを決め、依頼しておくのです。
人の死は予測できないので、お葬式がいつになるのかは誰もわかりません。そのため、生前予約は〈そのときがきたら希望のお葬式を執り行う〉ことをあらかじめお願いしておくもの。ご本人やご家族が安心できる、お葬式の準備だと考えていいでしょう。
ちなみに〈予約〉とは、将来に契約を成立させることを約束するもの。お葬式の生前予約はあくまで予約なので、見積書などは作成しても料金を支払う義務はあまりないようです。
生前予約と同じように「生前契約」や「プレニード」という言葉が使われますが、こちらは〈契約〉。契約書の作成や料金の支払いが発生し、必要なときに厳密に執行されます。プレニードは100年ほど前にアメリカではじまったサービスの名称で、日本語の生前契約と同じ意味。ただし、生前予約をプレニードと呼ぶケースもあるので注意が必要です。
また、生前契約という言葉はお葬式以外でも使われます。例えば、死後に必要な手続きを委託する「死後事務委任契約」や、財産管理や保証人など家族が担うことを第三者に依頼する「生前事務委任契約」も生前契約と呼ばれます。

どんなお葬式にしたい? 生前予約で決められること。

お葬式を生前予約する大きな目的は、ご自身の死後に望むお葬式を執り行うこと。葬儀社によって多少の違いはありますが、生前予約ではさまざまな内容が決められます。例えば…

お葬式スタイル

これまでは通夜式と葬儀・告別式を2日間で執り行い、多くの人に参列いただく「一般葬」が通常でしたが、近年はお葬式が多様化しています。近親者を中心にして小規模で行う「家族葬」、通夜式をせずに一日で送る「一日葬」、火葬のみでお別れする「直葬(火葬式)」などさまざまな形式があるので、ご自身やご家族の希望にそうものを選びましょう。

お葬式の規模

誰に参列してもらいたいかもお葬式の大切な要素。身内だけでアットホームに営んでほしいのか、友人・知人や仕事関係の人など縁のあった方にも参列してもらいにぎやかなお葬式にしたいかを考え、参列者数にあわせたお葬式の規模を設定します。また、お葬式の規模によって、ふさわしい会場が異なります。

お葬式会場

お葬式の会場に決まりごとはなく、自由に選んでOK。公営・民営の斎場、菩提寺などの寺院、最近はホテルを会場にしているお葬式もあります。もちろん、ご自宅でもかまいません。どの会場にもメリット・デメリットがあるので、把握して検討するといいでしょう。決める前に現地に足を運び、内見しておくこともおすすめします。

祭壇やお棺などお葬式の物品

式場の中心に置かれる祭壇はお葬式のシンボルともいうべきもの。白木を素材にした「白木祭壇」や花を彩った「花祭壇」など多様なタイプがそろっています。 また、ご遺体を納めるお棺も、シンプルなものから豪華なものまで多彩。祭壇やお棺は費用にも大きく影響するので、予算と相談しつつ好みのタイプを選びましょう。

お葬式の演出

現代のお葬式ではさまざまな演出が可能になっています。〈好きな音楽をBGMとして流したい〉〈思い出の品を会場に展示してほしい〉など実現したい演出があれば、躊躇せず葬儀社へ伝えましょう。お葬式のプロである葬儀社のスタッフが相談にのり、自分らしいお葬式の実現をサポートしてくれるはずです。

お葬式の費用

お葬式の決定事項のなかで、すべての内容に影響を与えるのが費用です。大まかでもいいので予算を決めておき、金額を葬儀社に伝えてプランを立ててもらうとスムーズ。それをもとにスタッフと話し合い、希望する内容を決めていくといいでしょう。お葬式代は高額です。生前に費用を把握できていると、ご自身も、ご家族も安心できるのではないでしょうか。
このほかにも多くのことが生前予約で決められます。葬儀社と十分に相談し、希望するお葬式の内容で予約しましょう。

生前予約からお葬式までの流れ。

生前予約の依頼から実際にお葬式を執り行うまでは、どのような段階を踏むのでしょうか。各葬儀社で違いはありますが、大まかな流れはこちらです。

1:葬儀社を選ぶ

生前予約は、信頼できる葬儀社選びからはじまります。インターネットで検索したり、資料を取り寄せたりして情報を集めましょう。その葬儀会社が生前予約を取り扱っていのかも確認し、気になる葬儀社をピックアップしていきます。
また、早い段階でひとつの葬儀社に絞らず、複数の葬儀社で比較検討するのも大切。葬儀社にはそれぞれ良い面・悪い面があります。それらを知って選びましょう。

2:お葬式内容を相談する

選んだ葬儀社へ事前相談します。どのようなお葬式にしたいのか伝え、担当者と話し合いながら希望にそったプランを立ててもらいます。あわせて、詳細な見積もりをだしてもらい必要な料金も把握。可能であれば、実際にお葬式を執り行う会場見学もしておきます。
ほとんどの葬儀社は無料で事前相談を受付けているので、一社だけでなく複数社に相談するといいでしょう。

3:生前予約をする

相談のうえで納得できる葬儀会社と生前予約を結びます。必要な書類を交わし、予約後の流れも確認しておきます。生前予約の場合は前金の支払いがないケースが一般的ですが、予約金(申込金)が必要なところもあるようです。しっかりと説明を聞いてお支払いください。
生前予約は葬儀社へ出向いて行うのが通常ですが、近年はインターネットの申込みが可能な葬儀社もあります。希望のお葬式をかなえる生前予約が手軽にできるので、上手に活用してはいかがでしょうか。

4:逝去後に予約してある葬儀社へ連絡

お葬式で送りだすご本人が亡くなったら、予約してある葬儀社へ連絡。生前予約をしてあるのを告げてお葬式までの流れを確認し、葬儀社から指示を受けます。葬儀社へは事前に希望の内容が伝わっているので、お葬式までの進行はスムーズ。時間に追われることなくお葬式を迎えられます。

5:お葬式を執り行う

生前予約しておいた、ご希望の内容でお葬式を執り行います。とはいえ、生前予約時から状況や気持ちが変わり、内容を変更したくなる場合もあるかもしれません。そのときは葬儀社へ意向を伝え、担当者と話し合いながら調整して満足のいくお葬式を実現しましょう。

6:費用を支払う

お葬式や火葬など、葬儀当日に行う儀式を無事に終えたらお葬式費用を支払います。生前予約で事前に把握している料金が基本ですが、オプションなどを追加した場合は金額がプラスされています。詳細を確認して支払いましょう。支払い方法は葬儀社によって異なるので、当日にあわてないよう事前に確認しておいてください。

生前予約には、さまざまなメリットがあります!

生前にご自身のお葬式を考えて予約する行為に、必要性を感じられない方がいらっしゃるかもしれません。しかし、生前予約にはいくつものメリットがあります。ご自身のためだけでなく、残された人のためにも、お葬式の生前予約をおすすめします。

ご自身が希望するお葬式が実現する

やはり、お葬式で送られるご本人が希望するお葬式を実現できるのが一番のメリットではないでしょうか。人生を締めくくる儀式であり、あの世への向かう出発点でもある大切なお葬式を、自分らしく執り行いたいと望むのはもっともなことです。生前予約というカタチで残しておけば、満足のいくお葬式で旅立つことができるでしょう。

お葬式の費用が把握できる

お葬式の費用はけっして安いものではないため、費用を不安に感じている方も多いでしょう。とはいえ、お金を優先してかなえたいお葬式をガマンするのも本末転倒です。
生前予約なら、お葬式のプロである葬儀社のスタッフに相談しながら内容を決められます。満足のいくお葬式を納得のいく予算で組めるだけでなく、事前にお葬式費用を把握できるので死後の不安も解消されやすいでしょう。

残された人の負担を軽くする

死亡後からお葬式までの短い時間で、残されたご家族は多くの事柄を決定しなくてはいけません。お葬式についても葬儀社やお葬式スタイルなど、悲しみのなかでさまざまな選択を迫られます。生前予約をしておけば、ご家族は予約しておいた葬儀社へ連絡し、決めていた内容を確認してお葬式を運営すればいいだけ。手間はずいぶん省けます。
また、〈本人はどんなお葬式を望んでいるのか〉と思いを巡らせる必要がなく、〈本人の望むように送りだせた〉という満足感も得られます。生前予約は、肉体的にも精神的にも、残された方々の負担を軽減できるのです。

残りの人生を見つめ直せる

生前予約は、「終活」の一環として行う人が多いようです。終活とは残りの人生をどのように生き、人生の終焉を迎えるかを考える活動で、ご自身の今後の人生と死後のことを考えて準備していくものです。 終活のひとつとして〈人生を締めくくるお葬式をどのようにしたいのか〉を考える行為は、死後のことだけでなく、今の自分の価値観や望みを知ることにもつながります。お葬式の生前予約をキッカケにご自身の考えを整理し、残りの人生を見つめ直すことができるのではないでしょうか。

ここに注意して! 生前予約のデメリット。

多くのことがそうであるように、お葬式の生前予約にもデメリットがあります。こちらも理解しておきましょう。

予約した葬儀社にお願いできないことがある

葬儀社とはいえ、一般の企業です。倒産したり、サービスを停止したりする恐れがあります。いざそのときになって連絡してみたら、すでに倒産して連絡が取れなくなっていた…という話もあります。また、申込金を払っていた場合はお金が戻ってこないケースもあるでしょう。
生前予約を行うときは、契約前に企業情報を調べ、信頼できる葬儀社に依頼しましょう。申込金を支払う場合は、万が一のときに返金されるのか確認しておきます。 また、見積もりには有効期限があります。いつまで有効なのか、チェックしておくのも忘れずに。

内容を変更できないケースもある

時間が経てば人の考えは変るものです。また、生活状況が変化することもあるでしょう。ほとんどの葬儀社では生前予約後の変更を受付けますが、できない可能性もゼロではありません。また、生前予約の解約を申し出たら解約手数料を請求された、なんてケースもあるようです。
このような事態を招かないために、生前予約をする前に内容の見直しや変更ができるのか確認しておきましょう。少しでも不信感をもつ葬儀社には、大切なお葬式を任せられません。予約しないのが得策です。

残された人が知らないと実行されない

せっかく生前予約で死後に備えておいても、その事実を周囲の人が知らないと意味がありません。生前予約が実行されるのは、ご自身が亡くなったあと。予約した葬儀社へ連絡し、お葬式を営むのは残された人です。生前予約をしたら、ご家族をはじめとした周囲の人に予約の事実や内容、お願いしている葬儀社の連絡先を伝えておきましょう。また、いざというときに伝えている人がその場にいない可能性もあります。信頼できる複数人に知っておいてもらうと安心です。

ご家族が納得しない恐れも…

生前予約はご本人がかなえたいお葬式を事前に依頼するのが基本なので、ご自身の希望で予約して問題ありません。しかし、お葬式は重要な儀式なので、ご家族にも考えがあるはずです。例えば、故人は身内のみで執り行う小規模なお葬式を希望しても、ご家族は大勢の人たちで送りだしたいと願っているかもしれません。 お葬式を実施する段階で考え方の食い違いが判明すると、納得できないご家族と葬儀社でトラブルになる恐れもあります。生前予約はひとりで決めるのではなく、ご家族と話し合ってお互いの希望を理解したうえで行いましょう。また、葬儀社への相談や申込みもひとりで行くのではなく、ご家族とごいっしょがおすすめです。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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