お葬式コラム

夏のお葬式の服装。涼しく着用するコツをお教えします。

お葬式は季節を問わず、暑い夏でも、寒い冬でも行われます。弔事の装いでは肌を露出しないのが基本マナーなので、夏のお葬式は暑さが悩みのひとつ。
暑さに気をとられ、大切な人とのお別れが落ち着いてできなかったなんていう事態になったら大変です。お葬式の服装マナーを守りながら、涼しく参列できる夏の装いをお教えしましょう。

暑い夏でも喪服を着用するのが基本。

お葬式は、ご家族など親しい人々が故人の冥福を祈って、この世からあの世へと送りだす儀式。厳粛に執り行われるので、参列者はその場に似つかわしい服装をするのがマナーです。喪主や親族は、喪の期間に身につける礼服である「喪服」を着用するのが基本。近年は友人・知人などの一般参列者であっても、喪服を着るのが一般的です。
喪服は格式のある衣装です。「正喪服(正式礼装)」「準喪服(準礼装)」「略喪服(略礼装)」の3つの格式から、立場やシーンに合わせて選択します。

喪主や親族は、「正喪服」か「準喪服」

喪主や親族はお葬式を運営し、弔問を受ける立場。葬儀・告別式ではもっとも格式の高い「正喪服」を身につけるのが作法とされています。
正喪服の装いは、男性なら紋付きの羽織袴かモーニング、女性は紋付きの着物または黒無地のアフタヌーンドレスなど。これら正喪服は格調高い衣装ですが、時代とともにお葬式の在り方が変化し、小規模の式が多くなっています。そのため、喪主や親族でも正喪服よりもひとつ格下の「準喪服」を着用するのが一般的になっているようです。準喪服の装いは後ほど詳しくご紹介します。

一般参列者は、「準喪服」か「略喪服」

友人・知人など故人と縁のあった方が一般の参列者としてお葬式に行く場合は、喪主や親族よりも格下の装いをするのがマナー。喪服なら「準喪服」や「略喪服」の格式を選びましょう。
また、平服でも問題ないとされる通夜式への参列や、「平服でお越しください」と案内された場合のお葬式に、〈黒などダークカラーの服を着ていけばいい〉と考えるのは危険。たとえ黒色の衣装でも、素材やデザインがカジュアルだとお悔やみの場に似つかわしくありません。弔事では〈平服=略喪服〉とされる向きもあるので、略喪服もしくはそれに準じた衣装を身につけるようにしましょう。詳しい装いは後ほどご紹介します。

喪服には、夏用とオールシーズン用がある。

喪服は、「夏用」と「オールシーズン用」が販売されています。夏用は6月〜9月くらいまでの気温の高い季節、そのほかの春・秋・冬はオールシーズン用の着用が適しているといわれています。とはいえ、こちらはあくまで目安。夏にオールシーズン用を着用しても、冬に夏用を着てもかまいません。
お葬式では肌の露出は控えるため、夏用もオールシーズン用も長袖もしくは七分袖のデザインになっています。一見するだけでは違いがわからないのですが、生地や仕立てに配慮があります。お葬式を快適に過ごすなら、季節に合わせた喪服の着用をおすすめします。

男性の夏用喪服の特徴

サマーウールやポリエステルなど、軽くて通気性の高い生地を使用したブラックスーツ。ジャケットの背中部分の裏地をなくした「背抜き」や、背中だけでなく前身部分の半分の裏地をなしにした「半裏」で仕立てられ、夏でもさらりと着用できるよう配慮されています。

女性の夏用喪服の特徴

男性用と同様に通気性のある軽量の生地が使用され、薄手で透け感のあるポリエステルが主流です。さらに家庭で洗えるウォッシャブルタイプやUVカット加工を施しているものも人気。ワンピースなど単品で着用できるデザインも多く、袖は七分丈や五分丈で短めになっています。

夏のお葬式、男性の装い:準喪服の場合

喪主や親族が通夜式や葬儀・告別式で身につける準喪服。一般参列者が着用する場合もあり、どのような立場・シーンにもマッチする装いができます。
お葬式の服装マナーは季節を問いません。とくにスーツを着用する男性の洋装は、夏でも冬でも大きな違いはないでしょう。アイテムの素材を変えるなど、マナーの範囲内で工夫するといいでしょう。

洋服

オーソドックスなデザインのブラックスーツが基本です。ブラックスーツでもビジネス用と喪服用では黒色の深みが違うので、必ず喪服のブラックスーツを着用ください。一般参列者として略喪服で参列する場合は、濃紺や深いグレーなどダークカラーのスーツでもかまいません。
ジャケットの仕立ては、ダブル・シングルのどちらでもかまいません。着用時のフロントボタンは、すべて留めておきます。ズボンの裾はシングルが一般的。暑い季節でもジャケットは脱げないので、通気性の高い生地を使用した夏用を選ぶといいでしょう。

シャツ

レギュラーカラーの白いワイシャツを着用します。うっすらでもカラーや柄が入ったものはNG。ボタンダウンのものも避けましょう。基本的にカフスボタンもつけません。
暑い季節は通気性のある素材を選び、さらに吸水速乾機能をもった生地だと汗をかいてもベタつきません。ジャケットを羽織るので〈なかのシャツは半袖でもいいのでは?〉と考えるかもしれませんが、お葬式に半袖シャツを着て参列するのはマナー違反です。

ネクタイ

黒無地のネクタイをつけるのがマナーです。黒一色のネクタイでも、光沢のある生地や織柄があるタイプは控えておくほうが無難。ネクタイピンは光を反射するため、基本的につけません。つけたい場合は、黒色のネクタイピンを選びましょう。
ネクタイの結び方は、オーソドックスな「プレーンノット」や逆三角形になる「ウィンザーノット」が一般的。お葬式の装いにおしゃれは必要ないため、結び目の下のくぼみである「ディンプル」はつくりません。

ベルト

黒色のベルトを選びます。素材は綿や合皮で、エナメルなど光沢のあるものはNGです。殺傷をイメージするとしてお葬式に革製品はタブーだとされていますが、ベルトに関しては問題ありません。ただし、見た目で動物の皮だとわかるヘビ革やワニ革、型押しタイプは避けてください。
バックルは黒色または銀色のシンプルなものが好ましく、装飾が施してあるものやリング式でカジュアルに見えるものはマナー違反です。

靴下

模様の入っていない黒無地の靴下をはきましょう。ワンポイント刺繍やリブ編みのソックスはカジュアルに見えるのでNG。光沢のある生地も避けてください。
暑い季節は綿麻など通気性のいい素材を選ぶと、快適に過ごせます。近年は冷感機能や消臭効果のある靴下も販売されています。それら機能性靴下を上手に活用してもいいでしょう。ただし、暑いからといってメッシュ素材やショート丈の靴下を選ぶのはいただけません。

ツヤのない黒色の紐靴が基本。茶色やグレーなどダークカラーの靴はNGなので、注意してください。素材は本革か合皮、布などツヤ消しものチョイスし、光沢のあるエナメルはマナー違反です。弔事に革製品は似つかわしくないという考えもありますが、靴に関しては許容範囲。ただし、ヘビ革やワニ革、スウェードはふさわしくありません。
デザインは「プレーントゥ」や「ストレートチップ」などシンプルなものを選び、カジュアル度の高い「ウィングチップ」は避けます。靴紐も黒色で統一。靴紐を通す部分はフォーマル度の高い「内羽根式」が適しています。
また、紐靴以外のローファーやスリッポン、紐靴のなかでもブーツはルール違反です。

時計

時計を装着してお葬式に参列しても問題ありません。ただし、装いから浮いてしまうタイプの時計は外していくほうが無難でしょう。例えば、ゴールドの時計は光を反射してきらびやかに見えるし、クロノグラフなどゴツゴツしたタイプは喪服に似合いません。シックな黒色でもプラスチック素材などカジュアルな時計は控えてください。 黒革ベルトやツヤのない金属ベルトで、シンプルな文字盤の時計なら装いになじみ、お葬式の雰囲気も壊しません。

夏のお葬式、女性の装い。

レディースの喪服はメンズよりも種類が豊富。洋装であればワンピースなど、単品で着用できるアイテムも選べます。弔事のマナーに従いつつ、快適に過ごせる服装を心がけましょう。
こちらでは、喪主や親族をはじめ、一般参列者も着用することの多い準喪服を基準に装い方法をご紹介します。

洋服

シンプルなデザインのスーツやアンサンブル、ワンピースといったブラックフォーマルを着用するのが基本。友人や知人として略礼装で参列するのであれば、濃紺や深いグレーなどのダークカラーの洋服でもOKです。パンツスーツも問題ありません。
暑い季節のお葬式では、風通しのいい素材の夏の喪服がおすすめ。ワンピースなら一枚で着られ、五分袖や七分袖のデザインを選べばさらに軽やかに過ごせます。ただし、暑いからといってスカート丈を短くするのはNG。膝がかくれる長さを身につけましょう。

ストッキング

黒色のストッキングをはきましょう。近年はストッキングのカラーバリエーションが豊富になり、グレーなどのダークカラーも増えていますが、弔事ではブラックが基本です。ベージュのものやストッキングをはかないのもマナー違反。黒色でもラメが入っていたり、柄が織り込まれていたりするのは弔事に似合いません。膝丈やショート丈のストッキングも肌が見える場合はNGです。
近年は、肌がひんやりとする冷感機能がついたものやUV加工されたタイプも発売されています。暑い夏のお葬式では、機能性ストッキングを活用するのもおすすめです。

装飾のない黒色のパンプスが一般的。素材は本革か合皮、布を選び、光沢のあるものは控えましょう。お葬式に革製品は適さないという考えもありますが、靴に関しては問題ありません。ただし、動物を想起させるヘビ革やワニ革、スウェードは避けてください。
パンプスはシンプルなデザインで、つま先が丸い「プレーントゥ」を。ヒールの高さは3cm〜5cmが適しています。細めのピンヒールやヒールのないフラットシューズは、カジュアルな印象になるので場に似合いません。暑さ対策でオープントゥのパンプスやサンダルを選ぶのはタブーです。

ヘア・メイク・ネイル

ヘアとメイクは落ち着いた雰囲気にするのがマナー。ロングヘアの人は後ろでひとつに束ねるといいでしょう。アップスタイルもOKです。使用するピンやゴムは黒色のものを使い、キラキラと光るアイテムは禁止です。
メイクはナチュラルメイクを心がけましょう。ツヤ感のないファンデーションを使い、チークやアイシャドーは落ち着いたカラーにします。アイラインやマスカラは控えるのがおすすめ。使うときは、細いラインにするなど華美にならないよう注意してください。リップもナチュラルなカラーにし、グロスなどでツヤを与えるのはNGです。
ネイルはベージュなど控えめなカラーなら問題ありませんが、派手なものはマナー違反。ジェルネイルで急な対応ができない場合は、ベージュなどのネイルを重ね塗りするといいでしょう。

アクセサリー

結婚指輪以外、アクセサリーをつけないのが基本マナー。結婚指輪であればゴールドやダイヤがついたものも許容されますが、装いから浮くようであれば外しましょう。
アクセサリーをつける場合は〈涙のしずく〉の意味をもつパール、黒曜石や黒オニキスなど落ち着いた素材の一連のネックレスを。二連・三連のネックレスは〈不幸が重なる〉ことを想起させてしまうので避けてください。ピアスやイヤリングをつけるならネックレスと素材を合わせ、一粒だけなどシンプルなデザインを選ぶといいでしょう。

バッグ

黒色のバッグを選びましょう。素材は光沢のない布や合皮、近年は本革も許容範囲だといわれています。エナメルなどツヤのあるものや、ワニ革など爬虫類のものはNG。高級ブランドのバッグもお葬式に似合いません。
デザインは装飾のないシンプルなものを。金具などに光る素材が使われているタイプは控えてください。大きすぎず、コンパクトなサイズがおすすめ。荷物が入らない場合は、サブバッグをもちましょう。サブバッグも光沢のない素材の黒色のものを選びます。

少しでも涼しく過ごす、喪服での暑さ対策。

お葬式の装いにはマナーがあるため、大きな変更はできません。しかし、ちょっとした工夫で快適度のアップにはつなげられます。

ゆとりのあるサイズを選ぶ

カラダにぴったり合うジャストサイズの服はおしゃれに映ります。しかし、服とカラダが密着すると空気が通らず熱がこもるため、暑さを感じやすくなります。
喪服のサイズを、少しゆったりとしたサイズにすると通気性があがります。ポイントは襟元と袖口。ここにゆとりをもたせると風通しがよくなり、熱を逃しやすくなるのです。女性であればAラインなど裾に向かって広がるデザインのワンピースを選ぶと、服とカラダの間に空気がとおり涼やか。ただし、ネックラインが大きく開いたデザインは弔事に向かないのでご注意ください。

機能性インナーを着る

ワイシャツなどを直接着るより、インナーを挟んだほうが快適度はアップするといわれています。夏用のインナーはさらりとした肌触りで通気性のいい素材を使用しているため、重ね着しても暑苦しくありません。さらに近年は汗を即座に乾かしてくれる速乾性の高いものや、さわると冷たく感じる接触冷感の素材でつくられたインナーも販売されています。これら機能性インナーを上手に活用して気持ちよく過ごしましょう。
注意してほしいのが、インナーのカラー。夏用の喪服は生地が薄いため光に当たるとインナーが透けて見える場合があります。肌色に近いベージュを選ぶと安心です。

対策グッズを上手に活用する

猛暑がつづいているためか、暑さを対策するグッズの種類は年々増えています。ハンディファンや冷感タオルなど目立つものはもてませんが、目につきにくいグッズなら密かに使って問題ありません。喪服に冷感スプレーをかける、保冷剤をハンカチに包んで首や手のひらを冷やすなど、グッズを上手に使って涼をとる工夫をしましょう。
また、白色または黒色の扇子であれば使っても問題ないという向きもあります。暑い日のお葬式には持参してもいいでしょう。使うときはパタパタと派手にあおがず、静かに揺らして風を送る程度に留めると品よく見えます。

夏用の喪服をレンタルする

暑い季節のお葬式を涼やかに過ごすためには、装いを夏用にするのがベストの対策。喪服をオールシーズン用から夏用に変更するだけで快適度は格段に違います。
〈次にいつ着るのかわからない夏の喪服を新たに購入するのはちょっと…〉と考える方には、レンタルがおすすめ。レンタルであればお葬式に適した夏の装いが一式そろい、服装マナーにも迷いません。レンタルショップはインターネットなどを利用して自分で探してもいいですし、葬儀社に相談しても紹介してもらえます。

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