お葬式コラム

お葬式後に訃報を知った! どうすればいい?

時代の流れとともにお葬式の小規模化が進み、近年は近親者だけで執り行う家族葬が増えています。そのため、「お葬式後に訃報を知った」というケースも少なくありません。
家族葬のあとに訃報を知った場合、香典をお渡したほうがいいのか、弔問しても迷惑にならないかなど、悩まれる方もいらっしゃるでしょう。今回のコラムでは、葬儀後に訃報を知った場合にどうすればいいのか、さらには弔問や香典のマナーなどについてもご説明します。

現代は訃報をお葬式後に知るケースが増えている!?

近年増えている「家族葬」は、ご家族を中心に故人と縁の深かった人たちで執り行う小規模なお葬式。参列者は多くても30人程度と数が限られているため、友人・知人といった一般の参列者を招かないのが大半です。
お葬式への参列を辞退いただく方への死亡通知は、お葬式終了後にするのが通常。式後1週間〜2週間くらいで知らせが届くことが多く、四十九日法要を終えて一段落ついた頃合いで事後報告する方もいます。また、身内の不幸により年始のあいさつを欠礼する旨を伝える「喪中はがき」や、人づてに訃報を知るケースもあるでしょう。
どのようなタイミングで訃報を受け取っても、まずはご家族の気持ちを尊重してください。〈亡くなったことをすぐに知らせてくれなかった〉〈お葬式に呼ばれなかった〉と不満をもつのではなく、〈身内だけでゆっくりお別れがしたかったのね〉という思いやりが大切です。
お葬式後であれ、訃報を受け取った人はご家族が故人の死亡を知らせたかった相手であるということ。お知らせに感謝し、故人の供養のためのアクションを起こすといいでしょう。

まずはご家族へ連絡。お悔やみを伝えて確認をとる。

お葬式後に訃報を知ったとき、すぐ駆けつけて供養したいと考えるかもしれません。しかし、お葬式後のご家族は心身ともに疲れています。いきなりの弔問は、ありがた迷惑につながるのでお控えください。おすすめは、電話を使ったコミュニケーション。声でお悔やみを伝え、弔問が可能かなど確認をとりましょう。

電話はいつするのがいい?

電話はリアルタイムで交流ができ、声で想いを伝えられるのがメリット。そのぶん、相手に時間を使わせてしまいます。早朝や深夜など迷惑になる時間帯はもちろん、仕事をしている平日の昼間も避けたほうが無難。電話する相手の生活パターンを考慮し、負担にならない時間に連絡してください。親しい間柄であれば、SNSのメッセージなどで事前に電話してもいいタイミングを確認してもいいでしょう。
また、お葬式直後に訃報を知った場合、すぐに連絡するのはタブー。式後1週間から10日程度の時間を空け、ご家族が落ち着いたころに電話するといいでしょう。供養が一段落する四十九日法要後に連絡してもかまいません。

電話でお悔やみを伝えるときのマナー

お悔やみは故人やご家族への想いを伝えるもの。電話をかけるときは静かな場所を選び、落ち着いた声のトーンでゆっくり話しましょう。相手は故人との関係を知らない可能性があるので、電話がつながったらまずご自身の名前と故人との縁を伝えることを忘れずに。ご家族は大切な人を失った悲しみのなかにいます。知りたいからといって死因や亡くなった状況などを問うのは無礼。ご家族が口にしたら、静かに耳を傾けましょう。
また、お悔やみを伝えるときに死や不幸がつづくことを連想させる「忌み言葉」を使うのはNG。〈浄土真宗では「ご冥福を祈りいたします」を使わない〉といった、宗教・宗派によって使用できない言葉があることも覚えておきましょう。
【代表的な忌み言葉と言い換え言葉】
●いよいよ→ついに、さらに、一段と
●いろいろ→多くの、多彩な、もっと
●くれぐれも→どうぞ、十分に、よく
●重ね重ね→加えて、深く
●再び→改めて、いま一度
●日々→毎日、暮らし
●忙しい→多様、多忙
●次に→その後、新たに
●引き続き→これからも、さらに
●終わる→お開きになる、ゴールを迎える
●四(し)→よっつ、よん
●死ぬ→ご逝去、亡くなる
●生きていたころ→ご生前、お元気だったころ…など

電話でのお悔やみの言葉(例)

お葬式後に訃報を知り、電話でお悔やみを伝える場合の例
―――
◯◯さまのご逝去を知り、驚いてご連絡を差し上げました。
大変なときに何もできず、申し訳ありません。
心からお悔やみ申し上げます。
みなさま、どうかご無理をなさいませんよう、
私にできることがあれば何でもおっしゃってください。
ご迷惑でなければ、お悔やみに伺いたいと考えております。
よろしいでしょうか?
◯◯さまのご冥福をお祈りいたします。
―――
電話を終えるときはご家族が切るのを待ち、かけた側から先に切るのは控えましょう。

確認しておきたいこと

訃報をお葬式後に知ると、いち早く弔問してお悔やみを伝えたい気持ちになるでしょう。ご自宅へ伺えないときは香典や供物などを送りたいと考える方もいらっしゃいます。
しかし、近年はこれらを辞退されるケースも増えています。知らずに行ってしまうと負担をかけてしまうので、ご家族に連絡をとったときは、「弔問」「香典」「供物・供花」を受け付けているかを必ず確認してください。事前に確認するのは失礼に当たると考えるかもしれませんが、喪主やご家族の意向に反する行為をするほうがルール違反。辞退されている場合は、素直に従いましょう。
また、手紙やメールなどで訃報を受け取ったときの文面に〈お香典は辞退させていただきます〉などの一文が添えられている場合があります。そのときは香典だけでなく、供物なども控えるのが賢明です。

ご自宅に伺ってお悔やみを伝える、弔問時のマナー。

ご自宅など故人のご家族を訪ねてお悔やみを伝えることを「弔問(ちょうもん)」といいます。弔問したいときは、必ず事前に連絡を入れ、〈弔問が可能か〉〈いつ伺えばいいか〉などを確認して出向きましょう。連絡なしの弔問はご家族の迷惑につながるので厳禁。約束した日時に訪問し、長居をせずに短時間で引き上げるとご家族の負担は軽減されます。

弔問のタイミング

弔問をする時期に厳密な決まりはありません。ご家族に連絡し、お互いに都合のつくタイミングで訪問すればいいでしょう。目安は、〈お葬式の1週間後から四十九日まで〉。お葬式直後のご家族は心身が疲れ、さらには各種手続きなどやらなくてはいけないこともたくさんあります。3日〜1週間程度は訪問を控えておくのがマナー。また、四十九日法要を終えると、故人の魂はあの世へ旅立ちます。供養も一区切りつくため、弔問はこの日までに行うのが一般的です。
とはいえ、四十九日後に訃報を知ったり、ご家族の都合がつかなかったりする場合もあります。そのときは四十九日を過ぎて訪問しても問題ありません。

弔問時の服装

弔問はお葬式ではありません。迎えるご家族は普段着を身につけているので、伺う側も平服でかまいません。気を使って喪服にすると、訪問側の衣装の格式が高くなってしまい礼儀を欠くので注意しましょう。
ただし、派手な服や華美な装飾品はマナー違反。落ち着いた色の服を選び、アクセサリーはできるだけ控えましょう。男性であれば、紺やグレーなどダークカラーのスーツやジャケット&スラックス。女性も紺やグレー、ブラウンなどのワンピースやセットアップがおすすめです。メイクやヘアアレンジは控えめにしましょう。お子さまは、シャツとズボン・スカートなどカジュアルになりすぎない服装であれば問題ありません。

弔問時の持ち物

弔問するときの持ち物に決まったものはありません。供物を持参するケースが多いようですが、弔問してご家族にお悔やみを伝え、故人に線香をあげるだけでも供養になるので手土産がなくても失礼にあたりません。事前連絡で〈供物を辞退〉されている場合は、持参せずに伺うのがマナーです。
供物を用意するのであれば、菓子や果物、お花が一般的。故人が生前に好んでいたものがわかっていれば、それを供えると喜ばれます。ただし、生ものや高価なものはご家族の負担になります。3,000円〜5,000円を目安に日持ちする品物を選ぶといいでしょう。
また、仏式であれば数珠を持っていき、お参り時に手にかけておきます。

香典はどうする?

お葬式に参列していない方が後日ご自宅へ伺う場合は、基本的に香典を持参し、手渡しします。包む金額は故人との関係や年齢によって変わり、30代以上の友人・知人であれば5,000円〜10,000円が相場だといわれています。
仏式ではお金を香典袋に入れ、表書きは四十九日までなら「御霊前」、四十九日を過ぎたら「御仏前」とします。そのほか、「御香典」「御香料」としてもかまいません。浄土真宗の場合は亡くなったらすぐに仏さまになるので、四十九日前でも「御仏前」としましょう。
ただし、家族葬が増えた近年はお葬式でも〈香典の辞退〉が増えています。お葬式で香典辞退を選択され場合は、弔問でも香典を受け付けていないのが通常。事前にご家族へ連絡したときに香典を渡したいと伝え、受け入れてもらえるか確認しましょう。辞退している場合はご家族の意向に従い、香典の持参は控えます。

手紙でお悔やみを伝える。

ご家族へのお悔やみの言葉は、直接お会いして伝えるのがベスト。しかし、遠くに住んでいるなど、さまざまな理由で訪問がむずかしい方もいらっしゃいます。そのときは、「お悔やみの手紙」を送るといいでしょう。
お悔やみを伝える手段として「弔電」もありますが、こちらはお葬式に参列できない場合に会場へ届ける電報。取り急ぎお悔やみを伝えるためのものなので、お葬式後に訃報を知った場合は手紙で気持ちをつづることをおすすめします。

お悔やみの手紙を送るタイミング

お悔やみの言葉を届ける手紙は、故人が亡くなってから7日目の初七日までに発送するのがマナーだとされています。しかし、〈訃報を知ったときには初七日が過ぎていた〉なんてこともあるでしょう。その場合は、初七日後でもお悔やみの手紙を送って問題ありません。大切なのはスピード。訃報を知ったときは〈できるだけで早く〉手紙を送り、故人を悼む気持ちやご家族への労りを伝えてださい。

適した便箋や封筒、筆記具は?

お悔やみを伝える手紙なので、落ち着いたデザインのシンプルな便箋と封筒を使用します。白無地が一般的ですが、アイボリーや薄いブルーの色が入っていてもかまいません。
気をつけたいのが封筒の仕様です。二重になっているタイプは不幸が重なる印象を与えるのでNG。必ず一重の封筒をお選びください。また、便箋も1枚に収まるように書き、通常の手紙のように白紙の便箋を重ねて2枚にすることも控えます。 使用する筆記具は、薄墨の筆ペンやフェルトペン、グレーのカラーペンなどが適しています。書きにくければ黒のボールペンや万年筆でもOKです。
封筒に貼る切手は弔事用が販売されていますが、普通の切手でも問題ありません。ただし、キャラクターが入っていたり、華美なデザインが施されていたりするタイプは似つかわしくないので避けてください。

お悔やみの手紙の書き方と文例

お悔やみの手紙の内容には、いくつか盛り込むべき要素があります。
(1) まず、お悔やみの言葉を伝える
(2) 訃報を知った驚きや慰めの言葉を述べる
(3) 弔問できなかったお詫びをする
(4) 香典や供物をいっしょに送る場合は一文を入れる
(5) 結びの言葉を添える
(6) 日付・差出人・宛名といった「後付け」を記す
また、注意すべきポイントもあります。
●まわりくどい表現や装飾的な形容詞を避け、簡潔な文章にする
●長々と気持ちを書かない
●亡くなった理由を問わない
●喪主との関係に沿った敬称を使う
●不幸をイメージさせる「忌み言葉」を使用しない…など
これらを踏まえつつ、故人とご家族への思いをつづりましょう。
――文例(父親を亡くした方へのお悔やみ) ―――
このたびはご尊父様ご逝去の訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご養生なさっていたと聞き及んでいましたが、ここ数年はご無沙汰しておりましたため、亡くなっていたことを存じ上げず申し訳ありません。
本来ならばすぐにでもお伺いしたいところですが、やむを得ぬ事情によりかないません。
心ばかりのご香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
ご家族のみなさまも深い悲しみに暮れていらっしゃるかと存じます。
どうかお身体を大切になさってください。
ご尊父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
合掌
―――

香典や供物をいっしょに送ってもいいの?

ご家族への事前確認で香典や供物を受け入れている場合は、お悔やみの手紙とともに送ってもかまいません。香典を送る場合は現金書留封筒を使い、お金を入れた香典袋とお悔やみの手紙を同封して発送しましょう。お金を現金書留封筒に直接セットするのはマナー違反。必ず香典袋に入れてください。送る場合でも、手渡しする香典袋と同じように表書きなどを書き入れます。
供物の場合は品物を選び、お悔やみの手紙を添えて送ります。掛け紙は、「御供」「御供物」とし、送り届けるのであれば〈内掛け〉がいいでしょう。
香典や供物の宛先は、喪主が一般的。しかし、喪主と面識がない場合は知っているご家族に送ってもいいとされています。

メールやメッセージアプリでお悔やみを伝えてはダメ?

お悔やみを伝える手段は、〈直接会う〉ことを基本とし、かなわない場合は〈手紙を送る〉〈電話をかける〉のがよいとされています。しかし、近年はメッセージアプリやメールを使ったコミュニケーションが主流。仲良くしていても、住所や電話番号を知らないケースもあるようです。また、ご家族からメールやメッセージで訃報を知らせてくれるケースもあるでしょう。 訃報メールの返信や、住所を知らないなどやむを得ない場合は、メールやメッセージアプリなどを使ってお悔やみを伝えても問題ありません。書く内容はお悔やみの手紙と同様のポイントを押さえ、〈略儀ながらメールにて失礼します〉〈返信のお気遣いは無用です〉と書き添えておくといいでしょう。
とはいえ、メールやメッセージアプリでのメッセージを不快に感じる人もいます。送る人との関係を考え、メールやアプリでお悔やみを伝えていい相手かを見極めたうえでお送りください。

喪中はがきで訃報を知った場合はどうすればいい?

年賀状を欠礼するあいさつ状「喪中はがき(年賀欠礼状)」で訃報を知るケースもあります。この場合は、故人や喪主・ご家族との関係性で対応を判断しましょう。例えば、年賀状をやりとりしているだけの間柄や面識のない親族が亡くなった場合は年賀状でのあいさつを控え、「喪中お見舞い」「年始状」「寒中見舞い」でお悔やみを伝えます。
故人やご家族と親しい間柄であれば、まずは電話でお悔やみを伝え、そのうえで弔問や香典などの意向を確認します。受け入れられる場合は、ご自宅を訪問したり、香典を送ったりするといいでしょう。

「喪中お見舞い」の文例

〈喪中はがきが届いた方には年賀状を送らない〉のがマナーです。しかし、それだけだとお悔やみが伝わりません。はがきでお悔やみを伝える方法は「喪中見舞い」「年始状」「寒中見舞い」があり、年始状と寒中見舞いは届ける時期が決まっています。年末に喪中はがきが届いたら、いつでも発送できる喪中見舞いでいち早くお悔やみを伝えてはいかがでしょうか。
――文例―――
喪中お見舞い申し上げます。
このたびはご丁寧なあいさつ状をありがとうございます。
○○さまが亡くなられたことを存じませず、失礼いたしましたことをお許しください。
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
喪中でいらっしゃいますので、新年のあいさつは控えさせていただきます。
どうぞお身体に気をつけ、新しい年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。
―――

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