お葬式コラム

喪中はがき。書き方やマナーを教えて!

年末に「喪中はがき」を受け取られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。喪中はがきは「年賀欠礼状」とも呼ばれ、喪中により年賀状を遠慮する旨を知らせるもの。しかし、いざ喪中はがきをつくろうと考えたとき、どのようなものを、どのタイミングでだせばいいのか迷うことがあります。
今回のコラムでは喪中はがきをテーマにし、“なぜだすのか”という基本情報から書き方やマナーなど、さまざまなお役立ち情報をご説明します。

喪中はがきの役割。何のためにだすもの?

「喪中はがき」は、(差出人が)身内の不幸によって喪に服しているため、年賀のあいさつを遠慮することを知らせるもの。そのため、「年賀欠礼状」「年賀状の欠礼はがき」とも呼ばれます。では、なぜ喪に服していると年賀状をだせないのでしょうか。
〈喪に服す〉とは、字のごとく “喪服を着て故人の冥福を祈り、身を慎んで暮らす”という意味。日本では近親者が亡くなると一定期間、ご家族は喪に服して祝いごとや派手な行いを控えるのが慣習です。
年賀状は年始のあいさつとして日頃からお世話になっている方へ感謝を伝えるものなので、祝いごとではないと考えるかもしれません。しかし、あいさつ文では「あけましておめでとうございます」など新年を祝う言葉を使います。遠慮しておくというのが一般的な考え方です。
さらに、喪中はがきは〈誰が亡くなったのか〉を伝える役割も果たします。家族葬など小規模なお葬式が増えている現代では訃報を広く流さず、年賀状をやりとりしている友人・知人まで知れ渡っていない場合があります。年賀のあいさつを欠礼する喪中はがきを送れば、故人の死去を知らせることができるのです。

喪中の期間はいつまで?

宗教・宗派に関わらず、喪中の期間に厳密な決まりごとはありませんが、一般的には〈逝去してから一年間、一周忌法要まで〉と考えらえています。とはいえ、昔は「服忌令」という法令で期間を定められおり、故人との続柄によって喪に服す期間が異なっていたようです。ひとつの目安としてご紹介しますので、参考にしてみてください。
●服忌令による喪中期間の目安(故人の続柄)
父母:13ヶ月(養父母は150日)
夫:13ヶ月
妻:90日
子ども:90日
兄弟・姉妹:90日
祖父母:150日

どこまでの親族が、喪中はがきをだすの?

身内に不幸があるとご家族は喪中に入りますが、どこまでの範囲の人が喪に服すべきなのか? 自分は該当者なのか? 悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
喪中の範囲は、「故人の2親等まで」が一般的な考え。こちらに当てはまる方は、年賀状ではなく喪中はがきを送りましょう。
●故人からみた親等
0親等:妻・夫
1親等:故人の父母、配偶者の父母、子ども
2親等:故人と配偶者の兄弟姉妹とその配偶者、故人と配偶者の祖父母、故人の孫
もちろん、それ以外の方が喪に服してはいけない、というわけではありません。故人と縁が深い方、とくに故人と同居していた方などは親等に関係なく喪中はがきをだす傾向があるようです。
また、2親等内でも喪中はがきではなく、年賀状を送る方がいらっしゃいます。2親等であっても故人の兄弟や孫などは喪中期間を3ヶ月〜6ヶ月だと考える向きもあるため、その間を過ぎたらいつものように年賀状を送って問題ないとされているようです。

喪中だと、絶対に喪中はがきをださないとダメ?

喪中はがきには細かな決まりごとがないため、〈だす・ださない〉はそれぞれの意向で判断してかまいません。しかしながら、ご家庭によっての考えや宗教・宗派、地域ごとのしきたりがある場合もあります。迷ってしまったら、年配の親族や菩提寺の僧侶、地元の葬儀社などに相談してみるといいでしょう。

喪中はがきは、誰にだせばいい?

喪中はがきは、どこまでの範囲の方にだすべきなのでしょうか。こちらもルールはないのですが、届ける相手としておすすめする範囲をご紹介しましょう。

故人やご家族が年賀状をやりとりしている方

喪中はがきは、年賀状のやりとりをしている方へ送るのが一般的。ご自身やご家族が毎年あいさつをしている方々はもちろん、故人が年賀状を交わしていた人にも忘れずに送るといいしょう。故人がどのような人と年賀状を交換していたのかわからない方は故人宅で年賀状を探し、確認してみることをおすすめします。

故人の訃報を連絡したい方

近年は近親者だけで執り行う家族葬が増えているため、訃報が広くいき渡っていない場合があります。喪中はがきは、送る人が喪中であることを知らせるだけでなく、誰が亡くなったのかを伝える役割も果たします。故人の友人・知人など、訃報が届いていない方にだすといいでしょう。

お葬式の参列者

通夜式や葬儀・告別式に参列いただいた方にも喪中はがきを送ります。参列者はご家族が喪中であると知っていますが、年賀のあいさつを遠慮するのは別のこと。喪中はがきで改めて伝えましょう。 また、喪中はがきは基本的に添え書きをしないものですが、〈お葬式でお世話になったお礼〉は問題ないとされています。一言、お礼を書き添えておくと気持ちが伝わります。

親族にも送る?

喪中はがきは年賀状の欠礼を知らせるものなので、親族であっても喪中はがきをだすのがよいとされています。とはいえ、基本的に親族は差出人が喪中であることを知っており、さらには受け取る親族自身も喪に服していたりします。そのため、最近は親族への喪中はがきを省略する傾向にあるようです。

仕事の関係者はどうする?

  

ご家族の会社関係者などは、故人と面識がないケースが多いでしょう。また、ビジネスの上の相手に気を遣わせたくないと考える人も多いようです。 会社関係者にも喪中はがきをだすのか? はケースバイケース。近年は公私をわけて考え、仕事のみの関係であれば年賀状を送る方も増えているそうです。

故人を知らない人にも送るべき?

  

ご家族と年賀状のやりとりをしている人のなかには、故人と親交がなかった方もいます。故人とほとんど関わりがなかった人へ、“訃報を知らせて気を遣わせたくない”と考える場合もあるでしょう。 喪中はがきか、年賀状かは、受け取る人と故人・ご家族の関係性を考慮し、よいと思う方を選んでかまいません。例えば、故人と関わりのあった人や故人が亡くなったことを知らせたい人には喪中はがきを、故人とまったく縁のなかった人や身内の不幸を知らせたくない人には年賀状を送るなど目安を設けると判断しやすくなります。

どのようなものを、いつだせばいい?
喪中はがき作成のポイントとマナー。

喪中はがきは、年賀状など一般的なあいさつ状と異なるため、気をつけるべき点がいくつかあります。ポイントをしっかり押さえ、マナー違反につながらないよう注意しましょう。

喪中はがきを投函するタイミング

年賀のあいさつを控える旨を知らせる喪中はがきは、年内に届けば問題ありません。しかしながら、年賀状欠礼の連絡がきた場合はその人への年賀状を控えるもの。受け取る側が年賀状の準備をはじめる前に喪中はがきを届けるのがマナーです。具体的には、11月中旬から12月上旬までに到着できるようスケジュールを立てるといいでしょう。早めがいいとはいえ、それ以前に届いていまうと忘れられる恐れがあります。投函は頃合いをみて行ってください。
また、12月に故人が亡くなるなど喪中はがきの作成が間にあわない場合は、松の内から節分までの間に届ける「寒中見舞い」として喪に服していることを知らせるのがよいとされています。

喪中はがきに使うはがきや切手

喪中はがきに使用するはがきや切手には、弔事用のものを使うのが一般的。郵便局には弔事で使用できるはがきや弔事用切手が通年で発売されているので、それを購入すればご自身で喪中はがきを制作できます。文面やデザインが印刷された私製はがきを文具店などで購入した場合は、弔事用の切手を貼って投函するといいでしょう。
また、喪中はがきを印刷するサービスを提供しているショップもたくさんあります。インターネットを活用すれば手軽に発注できるので、それらを活用してもいいでしょう。

喪中はがきのデザイン

喪中はがきのデザインに規定はありません。とはいっても弔事なので、落ち着きのあるしめやかなタイプが好まれる傾向にあります。使用する色はモノクロでもカラーでもよく、模様には花をあしらったものが多いようです。代表的なモチーフは、仏教で聖なる花を表す「蓮」、高潔さを象徴する「菊」、永遠の愛という花言葉をもつ「桔梗」など。デザインに迷ったら、故人が好きだった花や故人のイメージにあう花言葉で選んでみてもいいかもしれません。
また、最近はデザインバリエーションが豊富になり、海や山、星空など自然に関係した図柄や、おしゃれなイラストを使用したモダンな喪中はがきが登場。文字のレイアウトも縦書きだけでなく横書きタイプがあり、使用するフォント(書体)は行書体や明朝体に加えてシンプルな細いゴシック体なども使われるようになりました。
ご自身でつくるにしても、印刷サービスを利用するにしても多様なデザイン素材がそろっています。故人のイメージにあうものをチョイスし、作成するといいでしょう。

具体的な文例もご紹介! 喪中はがきの書き方。

喪中はがきに記す内容はいくつかあり、基本的には以下で構成します。
●年賀欠礼のあいさつ:年賀のあいさつを控えることをお詫び
●故人の情報:誰が、いつ、何歳で亡くなったのかを報告
●生前の感謝:故人がお世話になったことへのお礼
●結びの言葉:変わらぬおつきあいのお願いや相手の健勝を祈る言葉など
●差し出し日:喪中はがきをだした日付
●差出人の住所・指名:宛名面ではなく裏面に記載、夫婦連名でもOK

喪中はがきの文例(1)故人が父親の場合

喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます

本年○月 父 ○○(故人の名前)が○○歳にて永眠いたしました
永年にわたるご厚誼に深く感謝いたすとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます

令和〇年 ○月○日
差出人の住所 氏名

喪中はがきの文例(2)故人が義母の場合

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

妻○○の母 ○○(故人の名前)が本年○月に○○歳で永眠いたしました
生前のご厚情に深くお礼申し上げますとともに
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう
心よりお祈り申し上げます

令和〇年 ○月
差出人の住所 氏名

喪中はがきの文例(3)同じ年に不幸が重なった場合

喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます

本年○月に父 ○○(故人の名前)が○○歳
  ○月に母 ○○(故人の名前)が○○歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたひとかたならぬご厚情に
故人になり代わりまして心より感謝いたしますとともに
時節柄 皆様にはいっそうご自愛のほどお祈り申し上げます

令和〇年 ○月
差出人の住所 氏名

喪中はがきの注意点。ここに気をつけて!

喪中はがきの書き方にはいくつかのルールがあり、気をつけるべき注意点があります。せっかくの喪中はがき、失礼のないものを届けましょう。

お祝いを表現する言葉を使用しない

喪中はがきは、喪中によって新年のお祝いをしないことを伝えるもの。普段の年賀状で使用する〈お祝いを表す言葉〉を使わないよう注意しましょう。例えば、「年賀」の〈賀〉には喜び祝う意味があり、喪中はがきには不適切。年のはじまりを表現するなら、年賀ではなく「年頭」「年始」という言葉を使います。

時候のあいさつなどの前書きを入れない

一般的な手紙であれば、最初に時候のあいさつをして本題に入ります。しかし、喪中はがきは喪中によって年賀状の欠礼を伝えるためのもの。必要な事柄だけを記載し、時候のあいさつなどの前書きは入れません。さらに、「拝啓」や「前略」といった頭語や、「敬具」「早々」とった結語も使わないのがマナーです。

句読点を入れず、一字下げもしない

儀礼的な弔事の手紙では、「、」や「。」といった句読点を入れないのがルール。喪中はがきでもそれに従い、句読点を用いません。長文になって読みにくい場合は、適度なところで改行するといいでしょう。さらに、行頭の一文字を下げて空白をつくる「一字下げ」もタブー。喪中はがきの書き方は、通常の手紙の書式と違うことを認識しておいてください。
日付などで使用する数字の表記は、縦書きなら漢数字、横書きなら洋数字にするのが原則。ただし、差出人の住所に関しては、縦書きでも洋数字を使うケースがあるようです。

夫婦連名でだす場合や不幸が重なった場合

ご夫婦で喪中はがきをだすこともあるでしょう。夫婦連名の場合は、故人は夫からみた続柄を記載します。例えば、夫の父親が亡くなった場合は「父」とし、妻の父親であれば「義父」「岳父」「妻の父」と書きます。
義父や岳父という表現に違和感を覚える場合や、もっと丁寧に書きたいと考えるときは「妻〇〇(妻の名前)の父○○(故人の名前)」と記すといいでしょう。

文字の色は「薄墨」が一般的

使用する文字の色は「薄墨」にすることが多いようです。薄墨には“涙で墨がにじんだ”や“急な不幸で墨をする時間がなかった”という意味が込められているため、弔事のシーンでよく使用されます。
とはいえ、喪中はがきは故人の逝去から時間が経過していることが多く、準備期間もしっかりとれることから「黒」で書いても問題ないとする向きもあり、薄墨や黒以外の色を使用しているデザインも近年は登場しています。 また、表面の宛名に関しては黒色を使うのがおすすめ。喪中でない先方の住所や氏名に薄墨を使うのは失礼だと考える人もいますし、宛名がはっきり見えないと配達する人に迷惑をかける恐れもあります。黒を使うほうが無難でしょう。

基本的に添え書きをしない

原則として喪中はがきでは、手書きで一言を添える行為をしてはいけません。しかしながら、もともと印刷されているものやテンプレート素材などを活用すると味気なく感じ、一言添えたくなることもあるでしょう。 喪中はがきの添え書きは、お葬式への参列など感謝を伝えたい場合のみ書いてもよいとされています。お礼の言葉を一言添えるだけでも気持ちが伝わります。ただし、近況報告や食事などのお誘いをつづけるのはタブー。私的な事柄を書くのは控えてください。

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