お葬式コラム

お葬式での子どもの服装マナー。制服でいいの?

通夜式や葬儀・告別式で着用する衣装は、大人であれば喪服が一般的。では、子どもはどうでしょう? 大人ほど厳密なルールはありませんが、子どもにも服装マナーは存在します。子どもでもTPOに合わない装いをしていると、お葬式で浮いてしまいます。
その場にふさわしい衣装を身につけて参列するようにしましょう。今回のコラムは赤ちゃんから大学生まで、お子さまの装い方を具体的にご紹介します。

子どもの服装には決まりごとはない。喪服でなくてもOK!

お葬式は厳粛な儀式なので、服装マナーが存在します。大人であれば基本的に喪服を着用し、喪主や親族であれば喪服のなかでも格上の「正喪服(正式礼装)」「準喪服(準礼装)」をまといます。
子どもにも喪服は存在し、子供用ブラックフォーマルとして高級ブランドからファストファッションまで、さまざまなショップで販売されています。こちらはフォーマルウェアとしてアレンジできるものも多く、お葬式のほかに入学・卒業式、結婚式などのシーンで使い回せます。いざというときのために、一式をそろえておいてもいいでしょう。
とはいえ、子どもの成長は早いもの。準備しておいてもすぐにサイズオーバーしてしまうのでコストパフォーマンスが悪く、必要なときに着られないケースもあります。急なお葬式で喪服を用意できず、〈子どもになにを着せたらいいの?〉と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
基本的に、お葬式においての子どもの服装に厳格なルールはありません。子供用の喪服をもっていれば着用し、もっていなければ着用しなくてもOK。マナー違反になりません。
子どもの服装で守るべきポイントは、〈落ち着いた服装〉であること。子どもらしいカラフルな色や華美な装飾のある服を避け、黒もしくは濃紺、深いグレーなどダークカラーのシンプルな服を選ぶといいでしょう。

「制服」は正装になる

年齢や性別を問わず、フォーマルな場で子どもに「制服」を着せる方は多いでしょう。〈お葬式の装いとして制服は正解なの?〉と不安を感じるかもしれませんが、学生は制服が「正式礼服」。親族としても、一般参列者としても、通夜式や葬儀・告別式で問題なく着用できます。
また、制服は黒色ばかりではありません。近年はおしゃれなデザインやカラーの制服も増えてきましたが、制服であれば正装に扱われるので安心して着用ください。

乳児(赤ちゃん)の装い

〈赤ちゃんはお葬式に連れていかないのがマナー〉という考えも存在しますが、身近な親族が亡くなったときなど同伴しなくてはならない場合もあります。そのときは、喪主に「赤ちゃんがいっしょでも問題がないか」を確認してから連れていくといいでしょう。
乳児の服装は服のバリエーションが少なく機能性も求められるため、お葬式の場であっても大目に見られます。それほど神経質になる必要はないでしょう。黒色や濃紺などダークカラーの服があればベストですが、ベビー服ではあまり見られない色味。ベージュや水色、スモーキーグリーンなど落ち着いたカラーの服なら問題ありません。靴下はできるだけはかせてください。スタイなどの小物も目立たないカラーを選び、帽子やヘアバンドなどヘッドアクセサリーははずします。
避けたいのは、〈ピンクやオレンジなど派手なカラーのもの〉、〈動物やキャラクターなど目立つ柄が入っているもの〉、〈大きなフリルなど華美な装飾が施されているもの〉など。赤や白は、おめでたい色と見られる場合もあるので注意してください。服や小物を落ち着いた色味でまとめるとお葬式で浮きません。
とはいえ、赤ちゃんはデリケートです。なじみのない場所にいると泣きだす子もいます。決して無理はさせず、ぐずりだしたら中座してかまいません。事前に葬儀スタッフへ相談し、出入りしやすい席にしてもらうといいでしょう。中座するときは退席への謝罪の意を込めて、周囲の参列者に軽く頭を下げる心づかいも忘れずに。

幼稚園児・保育園児、小学生の装い

この年齢になると、子供用ブラックフォーマルが販売されています。きちんとした装いをさせるなら、こちらを着用してもいいでしょう。幼稚園・保育園や学校に制服がある場合はこちらが正装。制服を着て参列します。

男の子の服装

●服
制服がある場合は制服を着用。制服がない場合は、白いシャツに黒のズボンを合わせるなどモノトーンの装いがおすすめ。シャツはポロシャツでもOKです。黒の服がなければ、濃紺や濃いグレーなどダークカラーを選び、ジャケットやベストがあればコーディネイトしましょう。ズボンの丈は、短くても長くてもかまいません。
●靴下
黒か白の無地の靴下を選びます。リブ編みやワンポイント刺繍が入ったものは避けましょう。長さは、膝下あたりのハイソックスかふくらはぎ下のクルーソックスで。くるぶしまでのショート丈はNGです。
●靴
黒色の靴がベスト。ローファータイプで革や合皮、布の素材を選びましょう。シンプルなスニーカーでも問題ないとされていますが、ふさわしくないと考える人もいるので周囲に確認してみてもいいでしょう。

女の子の服装

●服
制服がある場合は制服を着用。制服がない場合は、ダークカラーのシンプルなワンピースやアンサンブル、白もしくはダークカラーのトップスに黒や濃紺のボトムをコーディネイトしてもいいでしょう。白のブラウスにダークカラーのカーディガンやブレザーを合わせると落ち着いて見えます。
ボトムの丈は長くても短くてもOKですが、ミニスカートは控えたほうが無難。サテンなど光沢のある素材や目立つ柄が入っているものはNGですが、チェックやストライプなど目立たない模様であれば入っていても問題ありません。
●靴下
黒か白の無地の靴下を。レースなどの装飾や刺繍が入ったものは控えましょう。カジュアルに見えるショート丈やニーハイソックスもお葬式という場に似合いません。真冬であれば黒いタイツをはいてもかまわないでしょう。
●靴
ブラックシューズがおすすめ。ローファーやストラップシューズで革や合皮、布の素材を選びましょう。エナメルなど光沢のある素材は禁じられているので注意。シンプルなスニーカーでもかまいませんが、ふさわしくないと考える人もいるので注意が必要です。
●ヘアスタイル
結べる長さの子どもは、ひとつに束ねます。三編みなどでまとめてもいいでしょう。ミディアムやショートヘアでも顔にかかるようなら、サイドをヘアピンなどで留めてすっきりさせるスタイルがおすすめ。ヘアゴムやヘアピンは黒や茶などのダークカラーを使います。リボンなどの装飾は控えたほうがいいでしょう。

中学生・高校生の装い

中学生や高校生になると、見た目は大人とそう変わりません。小さなお子さまより、きっちりした服装を心がけましょう。学校に制服がある場合は、制服を着用。学校指定の制服がない場合は、手持ちの服でコーディネイトしても問題ありません。

男の子の服装

●服
制服がある場合は制服を着用します。紺のジャケットやグレーのパンツなど、黒色でなくても制服であればOK。制服がない場合は、シンプルな白いシャツに黒のズボンを合わせるなどモノトーンでコーディネイトします。黒のパンツがなければ、濃紺や濃いグレーなどダークカラーでもかまいません。ダークカラーのジャケットを合わせると、よりきちんとした装いになります。
●靴下
黒色の無地の靴下が最適です。白やグレーでもOKですが、柄物は避けましょう。長さは、ふくらはぎ下までのクルーソックスが一般的で、くるぶしまでのショート丈やカバーソックスはマナー違反です。
●靴
黒色の靴が基本。シンプルなデザインのローファーや紐靴を選びましょう。素材は革や合皮、布のもので光沢のあるエナメルはNGです。スニーカーでも問題ないとされていますが、ふさわしくないと考える人もいるので周囲に確認してもいいでしょう。

女の子の服装

●服
制服がある場合は制服を着用します。近年はカラフルなブレザーやチェックのスカートなどおしゃれな制服も増えていますが、制服であれば正装なので問題ありません。制服がない場合は、ダークカラーのワンピースやアンサンブル、白もしくはダークカラーのトップスに黒や濃紺のボトムを合わせてもいいでしょう。シンプルで肌を露出しないデザインを選び、スカート丈もヒザより下のタイプに。サテンなど光沢のある素材もNGです。
●靴下
制服であれば、黒か白の無地の靴下を合わせるといいでしょう。リブ編みや刺繍が入ったものは控え、ショート丈やニーハイソックスはカジュアルに見えるためNG。私服であれば大人と同じように黒のストッキングにしてもいいでしょう。
●靴
黒色の靴で、制服ならローファータイプがおすすめです。私服であればストラップシューズやパンプスでもいいでしょう。素材には革や合皮、布を選び、エナメルなど光沢のある素材はNGです。シンプルなスニーカーでもかまいませんが、ふさわしくないと考える人もいるので周囲に確認してみてもいいでしょう。
●ヘアスタイル
長い髪は後ろでひとつに束ねます。ミディアムやショートヘアでもサイドをヘアピンなどで留めてすっきりさせるといいでしょう。ヘアゴムやヘアピンは黒や茶などのダークカラーを使います。マットなダークカラーで華美でないデザインであれば、シュシュやバレッタを使用して髪をまとめてもOKです。

大学生の装い

学生とはいえ、大学生になると大人だとみなされます。中高生のように制服もないため、大人と同様に喪服を着るのが一般的。親族側はもちろん、一般参列者の立場でも喪服を着用し、お葬式にふさわしい装いで故人を見送りましょう。
喪服は「準喪服」もしくは「略喪服」の格式を選び、準喪服であれば男性はブラックスーツ、女性であれば黒色のワンピースやアンサンブルが基本的。略喪服なら濃紺や深いグレーなどのダークカラーでもOKです。弔事用のスーツの仕立てはビジネス用とは異なるのですが、リクルートスーツは略喪服にみなされる傾向にあるので着用してもいいでしょう。とはいえ、薄いグレーやストライプなどの模様の入った生地を使用したタイプは避けたほうが無難です。
靴下は黒色を合わせ、スカートの女性は黒のストッキングをはきます。靴はシンプルなデザインの革靴か、合皮や布製のものを。弔事でも靴やベルト、バッグに関しては革製でも問題ないと考えられています。
注意してほしいのが、ヘアスタイル。ロングヘアの人は後ろでひとつに束ね、ショートやミディアムスタイルでも、サイドをヘアピンで留めたり、耳にかけたりしてスッキリさせましょう。男性の無造作ヘアもNG。清潔感のあるヘアスタイルで参列するのがマナーです。
また、ブリーチやヘアカラーで派手な髪色にしている人は、スプレーなどで一時的に落ち着いた色味にするのがおすすめ。インナーカラーを入れている人も内側に隠して目立たないようにしてください。

子どもの服装で気をつけたいことは?

お葬式に参列するときのお子さまの服装で、守るべきことは大人ほど厳しくありません。〈落ち着いた装い〉を心がけてコーディネイトすれば周囲から浮くこともないでしょう。とはいえ、気をつけたいポイントもあるので、少しご紹介します。

子どもらしい&かわいらしいを排除する

子どもはかわいいものです。とくに赤ちゃんや幼児だと、普段から子どもらしく、かわいらしい装いをしているのではないでしょうか。しかし、お葬式は厳粛な儀式。大人は喪服を着て故人への哀悼の意を示しています。子どもも大人のなかで浮かないよう、できるだけきちんとした装いを心がけてください。
具体的には以下のような服や小物は避けます。
●キャラクターや動物など、かわいい模様が入っているもの
●赤色や黄色、オレンジなど明るい色もの
●フリルやスパンコールなどの装飾が施されているもの
●スエットやデニムなどカジュアルな素材のもの
●ミニスカートやノースリーブなど肌の露出が多いもの
●ヘアバンドやリボンなどのヘアアクセサリー …など

汚れやくたびれがある服を着せない

アクティブに動き回る子どもは、服を汚すのが当たり前。普段着であれば少々の汚れがあっても問題ないのですが、お葬式ではマナー違反です。手持ちの服のなかから比較的きれいなアイテムを選び、清潔感のある装い心がけてください。服にシワがあればアイロンをかけて伸ばし、毛玉が目立つなどくたびれ感のあるものは避けましょう。
また、サイズ感も大切です。サイズが合っていない大人の服を着せたり、おしゃれだからといってオーバーサイズのファッションをしたりするものNGです。

無理をさせない

お葬式は大人でも気が張るものです。慣れない場所で見知らぬ人に囲まれ、じっとしていることを求められる子どもが緊張しないはずありません。さらに、不慣れな衣装を身に着けてストレスを感じてしまう場合もあるでしょう。
大人は常に子どもを気にかけ、様子がおかしいようなら外にでて休息させるなど対応しましょう。無理をさせるのは絶対に止めてください。また、赤ちゃんが泣いたり、ぐずりだしたりしたときも退席して控室など落ち着く場所に行きましょう。途中退場はマナー違反には当たりません。とはいえ、周囲に気を遣わすので軽く頭を下げて外にでるといいでしょう。
小さな子どもといっしょの場合は、事前に喪主と葬儀社へ相談しておくのがおすすめ。会場内の席を出入りしやすいところに設定してくれるなど配慮してもらえます。また、〈小さな子どもがいるので参列を遠慮する〉のもひとつの選択。喪主に理由を説明すれば理解してもらえます。

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