お葬式コラム

法要・法事の服装。やっぱり喪服を着るべき?

お葬式の服装は喪服が一般的ですが、法要や法事のときには何を着るべきか迷うところ。斎場や菩提寺での法要は「喪服のほうがいい」という気がしますし、逆に自宅で行われる場合であれば「喪服だとかたくるしい」印象もあります。最近は形式にとらわれない傾向にあるようですが、マナーとしては何を着るのがいいでしょうか。今回は法要・法事の服装について考えてみました。

三回忌までは、葬儀・告別式と同じ「喪服」が無難。

お葬式が終わっても、節目の日には故人を偲ぶ法要や法事を営みます。法要とは僧侶の読経や焼香などで故人の冥福を祈る宗教行事のことで、法事は法要後の会食も含めたもの。なかでも四十九日は故人の魂が旅立つ大切な儀式として盛大に行われるのが慣例で、故人が亡くなって一年後の一周忌も“喪明け”にあたるとして親族・友人・知人などが集まって賑やかに行われます。ただ、大勢の人を招く法事や法要はだいたい三回忌までで、七回忌になると身内だけで執り行うことが多いようです。 気になる法要時の服装ですが、喪主も出席者も三回忌までは葬儀・告別式と同じような喪服を着用し、それ以降は平服で参列するのが一般的。ただし、最近は法要の簡素化が進んでいることもあり、三回忌のころには平服で法要や法事を行うケースも少なくありません。参列するときに迷ったら、営むご家族に直接確認するといいでしょう。確認できなかったり、わからなかったりする場合は、喪服を着るのが無難です。


喪服には種類があります。法要にはどれを着ればいい?

喪服は格式のある装い。種類もあり、「正喪服(正式礼装)」「準喪服(準礼装)」「略喪服(略礼装)」といった3つのなかから、立場やシーンに合わせて選びます。

喪主は参列者よりも格上の服装が求められるため、葬儀・告別式の場合は正喪服が基本。法要や法事の場合でも、三回忌までは正喪服を着用します。一般の参列者は、正喪服より格下の準喪服を着用するのがマナー。ただし、小規模なお葬式が増えてきている昨今では喪主でも準喪服や略喪服を着用するケースが増えており、法要でもそれに準じることが多いようです。

七回忌以降は喪主も参列者も平服が主流。なお、自宅で身内だけの法事を行う場合、法要のときは喪服を着用し、そのあとの会食では普段着に着替えて“くつろぎながら故人を偲ぶ”ということもあるようです。

喪主の衣装は「正喪服」か「準喪服」

一周忌までの法要は、喪主は葬儀・告別式と同様に「正喪服」を着るのがセオリー。ただ、最近ではお葬式でも「準喪服」の場合がありますので、それに準じてもいいでしょう。一周忌の法要で喪が明けるため、三回忌では喪服でなくてもいいという向きもありますが、喪主という立場を考えると喪服のほうが無難です。平服で法事を行う場合は、案内状に「平服でお越しください」と添えましょう。
正喪服の装いは、男性なら黒無地の着物かモーニング。女性は和装か、黒無地のアフタヌーンドレス、ワンピース、スーツ、アンサンブルなどで、シンプルなデザインのものをお選びください。
準喪服では、男性はブラックスーツでビジネス用ではないもの。女性は、和装なら半喪服、洋装なら黒のアフタヌーンドレスやワンピース、スーツ、アンサンブルなどを着用するといいでしょう。

参列者は「準喪服」か「略喪服」

案内状に「平服でお越しください」という記述がある場合を除き、基本的に三回忌までの法要には参列者も喪服を着用します。種類としては、「準喪服」か「略喪服」を。喪服といえば準喪服が一般的なので、迷った場合は準喪服を着用するといいでしょう。
なお、“略喪服=ブラックフォーマル”ではありません。黒やダークグレー、濃紺などダークカラーのフォーマルな服装のことも略礼服とします。ただし、華やかすぎたり、カジュアルすぎたりするデザインは避けましょう。 男性の場合はブラックスーツやダークカラーのスーツ。女性の場合はダークカラーのスーツやワンピース、パンツスーツなどをコーディネートします。


ちょっとまって! その「ブラックフォーマル」は大丈夫?

喪服といえば「ブラックフォーマル」というイメージがありますが、厳密には冠婚葬祭それぞれに適したブラックフォーマルがあり、お葬式や法事などの弔事では慶事用を着るのはNGです。

慶事用と弔事用の違いは、素材とデザインにあります。慶事用のブラックフォーマルはサテンやシフォンなどの生地を使ったり、フリルやレースをあしらったりするなど自由度が高く華やかな印象をもっています。対して、弔事用にはいろいろと制約があります。生地は光沢や透け感がないもので、デザインはシンプルで華美にならず、肌の露出が少なく、スカート丈はひざ下まで。正喪服の場合はくるぶし丈ともいわれています。

最近は慶弔両用のブラックフォーマルもあり、基本的には弔事のマナーに合わせたデザインを採用しています。慶弔両用のブラックフォーマルを慶事で着用する場合は、アクセサリーやストールなどで工夫して“喪服”を連想させないコーディネートにするといいでしょう。

似ているけど違う、洋装の「正喪服」と「準喪服」

女性の場合、洋装の正喪服と準喪服はほぼ同じ印象ですが、いくつかの違いがあります。正喪服に使われる生地は、黒無地または地味な綾織りなど装飾性のないもので、光沢や透け感のないもの。一方の準喪服では、部分的にサテンやレースをあしらうなど派手にならない程度に流行のデザインを取り入れることができます。また、パンツスーツは略喪服と位置づけられるため正喪服にはなりませんが、準喪服としては認められるという向きもあります。


制服でOK! 子どもたちの喪服事情。

法要時の子どもたちの服装は、基本的にお葬式のときと同じだと考えて差し支えありません。制服がある場合はそれを着用し、未就学児や小学生などで制服をもってなければ、黒や紺など地味な色合いでコーディネートしたシンプルなスタイルを心かげましょう。ダークカラーのアイテムが少ない赤ちゃんの服装は、パステルカラーのベビー服でも問題ありません。ただし、華やかな装いはNG。派手な色の服やキャラクターがプリントされたものは避けるのがマナーです。

最近は子ども用の喪服が出回るようになり、さまざまなデザインのものがあります。成長が早い子どもは喪服を買っても着られる期間が限られてしまうので、レンタルを活用してもいいでしょう。とはいえ、子ども用の喪服には、大人のものほど制限がありません。慶弔両用できるタイプを選ぶと、さまざまなセレモニーで着回せます。


「平服」でも、マナーのある装いを心がけて!

年忌法要は、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌…とつづいていきますが、七回忌になると規模を縮小して行う傾向になり、服装も、七回忌以降は「平服」を着るというのが多いようです。

ただし、平服といっても普段着ではありません。スマートカジュアルやビジネスカジュアルとも呼ばれるスタイルで、公式の場にふさわしい服装のことをいいます。黒や濃紺などのダークカラーでコーディネートし、品のあるスタイルを装いましょう。

男性はシックな色合いのビジネススーツ、女性ならブラウスとスカートにジャケットの組み合わせなどが一般的。また、略喪服のことを平服とみなす向きもありますので、略喪服にも見えるきちんとした服装で参列すると場を乱しません。


法要時の服装で悩んだら、専門家に相談を。

核家族化や地域とのつながりの希薄化で、お葬式や法要などの儀式が簡略化されるようになりました。それに伴って服装のマナーも以前ほど厳密ではなくなってきています。モーニングや五つ紋つきの着物などの正喪服をもっていない、という人も多いでしょう。また、喪服を着るのが負担になる高齢の方が増えているので、そういった方への配慮から平服を選ぶケースもあるようです。

その一方で風習として儀式を大切にしているところもあり、法要での服装は“喪服が当たり前”としている地域やご家庭もあります。また、ご自宅での法要の場合でも、“故人や僧侶への敬意も込めて喪服を着る”という考えをもつことも大切なのではないでしょうか。

法要の服装に一定のルールはありますが、正解はそれぞれの立場やケースで異なります。どうしたらいいのか? 迷ってしまう場合は地元の葬儀社に相談するといいでしょう。地域の風習なども配慮したアドバイスがもらえます。


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