お葬式コラム

お葬式後の弔問。流れやマナーを教えて!

故人や喪主のご自宅を訪問してお悔やみの言葉を伝える「弔問」。近年は親しい人のみで執り行う小規模なお葬式が一般的になってきたため、弔問で故人を供養する機会も増えているようです。
しかしながら、多くの人は弔問に慣れていません。いざ弔問をするとなったとき、服装や持ち物に悩む方も多いと聞きます。今回のコラムではお葬式後の弔問を取り上げ、弔問の流れやマナー、気をつけたい行為など押さえておきたいポイントをご紹介します。

弔問とは。行うタイミングは3つある!

「弔問」は「ちょうもん」と読みます。人の死を悼んで悔やむ「弔」と、訪ねることを表す「門」で構成される言葉で、〈故人や喪主のご自宅などを訪問し、ご家族にお悔やみの言葉を伝える〉という意味があります。
弔問には3つのタイミングがあるといわれ、ひとつは「通夜式の前」。こちらは訃報を受けてすぐに駆けつけ、ご家族へお悔やみを述べるもの。故人や喪主とかなり親しい間柄の人が行います。
つぎは「お葬式」。ご自宅ではなくセレモニーホールなどの会場であっても、通夜式や葬儀・告別式に参列して喪主やご家族にお悔やみの言葉を伝える行為は弔問にあたります。お葬式で参列者を「弔問客」と呼ぶのもこのため。家族葬などで参列者を限定していない場合は、友人・知人など一般の方も弔問できます。
3つめのタイミングが「お葬式後」です。通夜式や葬儀・告別式に参列できなかった方が、後日に故人や喪主のご自宅を訪問してお悔やみを伝えること。お葬式のように決まった日時はないので、事前に連絡してご家族の都合のいい日に行うのが一般的です。

お葬式後はいつ弔問すべき?

お葬式後に弔問する場合、日程に決まりごとはありません。ご家族へ連絡し、都合つく日時で訪問すればいいでしょう。 適切な時期としては、〈お葬式の1週間後から四十九日まで〉がいいといわれています。お葬式直後のご家族は心身が疲れ、さらには各種手続きなどやらなくてはいけないこともたくさんあります。式後3日〜1週間程度は訪問を控えるのがマナー。さらに、四十九日法要を終えると、故人の魂はあの世へ旅立ちます。供養も一区切りつくため、弔問はこの日までに行うのが一般的だとされています。
しかし、弔問日時は訃報を知るタイミングやご家族の都合にも左右されます。〈お葬式の1週間後から四十九日まで〉というのは目安だと考え、お互いのタイミングがあうのであればその期間以外に訪問しても問題ありません。

ご自宅への弔問の流れ。

お葬式後に故人や喪主のご自宅へ弔問するときの大まかな流れをご紹介します。必ずしもこの通りになるわけではないので、大きな段取りを踏まえつつ、臨機応変に対応するといいでしょう。

●事前に

弔問先へ連絡をとって日程を決める

縁のある方の訃報を耳にして、すぐに弔問したいと考えるかもしれません。しかし、大切な人を亡くされたご家族は悲しみのなかにいますし、お葬式後は疲れてもいるでしょう。ご家族を労る意味でも、まずは連絡をとってお悔やみの言葉を述べましょう。そのうえで弔問したい意向を伝え、先方のご都合を確認。互いのタイミングをあわせて弔問する日時を決定します。 とはいえ、心身が整っていない状態では弔問客を迎える気分になれないもの。ご家族から〈弔問を辞退したい〉と告げられたら、素直に従ってください。

●弔問当日

約束した日時に訪問

事前に約束した日時にご自宅へ伺います。遅刻をしないのは当然ですが、早すぎる訪問も失礼。約束の時間から1分〜5分前を目安に訪ねるといいでしょう。もちろん、約束の時間ぴったりでも問題ありません。 約束の時間を目指していても、当日の交通事情などで予定通りに移動できないケースもあります。現地へは時間に余裕をもって向かうのがマナーです。早めに到着しても近くで時間を調整すればOK。訪問前にトイレを済ませたり、身だしなみを整えておいたりしておくのも大人のたしなみです。
予期せぬ渋滞などのハプニングでどうしても遅刻してしまう場合は、早めに連絡を入れて承諾を得ておきましょう。

玄関でお悔やみを伝える

玄関でご家族にお迎えいただいたら、まずはその場でお悔やみの言葉を伝えます。使う言葉としては「この度はご愁傷さまです」「この度は心よりお悔やみ申し上げます」などがいいでしょう。
その後、ご家族から招かれたうえでお家へ上がります。ここで注意したいのが「故人に線香をあげさせてください」など、弔問客から故人へのお参りを申し出ないこと。ご家族から求められない場合は玄関先でお悔やみを伝え、供物など持参したものを渡して帰ります。

お線香をあげる

ご家族から「どうぞお参りしてください」と勧められてから、お線香をあげましょう。数珠を持参している場合は、左手にもって仏壇へ向かいます。
【お線香のあげ方】
(1) ご家族に一礼して仏壇の前に進み、遺影に向かって一礼します。このとき、仏壇前に座布団があれば脇に寄せておくといいでしょう。(仏壇前の座布団は僧侶のものだとされています)
(2) 線香を手にとり、ロウソクから火をつけます。ロウソクが灯っていなければマッチで火をつけましょう。
(3) 煙がでているのを確認したのち、手であおいで線香の火を消します。息で吹き消すのはタブーなので行わないようにしてください。
(4) 煙のでている線香を香炉に立てて供えます。(宗派によっては線香を寝かす場合があります)
(5) 合掌をして遺影に一礼します。このとき、おりんを鳴らす作法もありますが、おりんは読経のときに鳴らすのが基本。鳴らさなくてもかまいません。
(6) ご家族の方へ向き、一礼します。

お悔やみの言葉を伝える

お線香をあげ終えてご家族へ一礼したのち、改めてお悔やみの言葉を伝えます。「このたびはご愁傷さまです」などの基本的な言葉とともに「本当に残念でなりません。ご家族のみなさまには、どうかお力を落とされませんように」といった労りの気持ちを伝える言葉を添えてもいいでしょう。

香典や供物を渡す

お悔やみを述べたら香典や供物を渡します。香典はふくさに包んで持参し、ふくさがない場合はハンカチや風呂敷で代用します。
手渡すときはふくさから取りだして上に置き、相手から文字が読める向きにして両手で差しだします。供物が手提げ袋に入っている場合は袋からだして手渡しましょう。このときに添える言葉としては、四十九日前だと「ご霊前にお供えください」、四十九日後には「御仏前にお供えください」ということが多いようです。
また、弔問客の手で仏壇に供えるときはご家族にどこに置けばいいかを聞き、指定された場所に供えるといいでしょう。

故人との思い出などを少し話して失礼する

お悔やみの言葉を伝えたあとは、思い出話などをして故人を偲ぶといいでしょう。お茶やお茶菓子でもてなされたら、素直にいただいてかまいません。
ただし、長居は禁物。話に花が咲いても数分で切り上げ、短時間で辞去するのがマナーです。引き止められても「また次の機会に」と断わり、早々に失礼しましょう。帰り際に「どうぞお身体に気をつけて。私に手伝えることがあればいつでもご連絡ください」など、ご家族への労りの言葉を述べると気持ちが伝わるのではないでしょうか。

弔問時の服装や持ち物はどうする?

ご自宅への弔問は、お葬式への参列ではありません。厳密なしきたりや作法はないので、ある程度は柔軟に考えていいでしょう。とはいえ、ご家族に対して失礼のないようにふるまうのがマナー。服装や持ち物からも、故人への供養の気持ちやご家族への労りを伝えられるよう心がけましょう。

弔問時の服装

弔問するときの服装で重要なのが、〈喪服を着ていかない〉こと。ご自宅で迎えるご家族の多くは普段着を身につけています。弔問客が喪服だと、訪問側の衣装の格式が高くなってしまい礼儀を欠くことに。平服を着て弔問するといいでしょう。 ただし、〈平服=普段着〉だと考えてはいけません。弔問は、お悔やみの言葉を伝えてご家族を労る行為。日常的に身に着けているカジュアルウェアなどは場の雰囲気に似合いません。清潔感があり、シンプルで落ち着きのあるコーディネートをしてください。
【男性の服装】
●黒や紺、グレーなどダークカラーのスーツまたはジャケット&スラックス
●白いシャツ(ボタンダウンなどカジュアルなタイプはNG)
●ダークカラーのネクタイ(無地で光沢のないものがベスト)
●黒無地の靴下と黒の靴(光沢のある素材や装飾があるものは避ける)
【女性の服装】
●紺やグレーなどダークカラーのワンピース、アンサンブル、セットアップなど
●黒などダークカラーまたはベージュのストッキング
●ダークカラーの靴とバッグ(光沢のある素材や装飾があるものは避ける)
●ナチュラルメイクでヘアアレンジも控えめに
●結婚指輪以外のアクセサリーは外したほうが無難
【子どもの服装】
●シャツとズボンまたはスカート、ワンピースなどカジュアルになりすぎない服
●きれいな靴下と靴(靴の汚れは落としておく)
●女の子の場合、髪飾りなど装飾は控えめに
●小物であってもキャラクターが入っているものは身につけないほうが無難

弔問するときの持ち物

決まった持ち物はありません。弔問先が仏式の供養をしている場合は数珠を持参し、お参りするときに手にしておくといいでしょう。また、ご家族と故人の話をしていると、生前を思い出して涙することがあるかもしれません。白色または落ち着いた色のハンカチをもっておくと便利。きちんとアイロンをあてた清潔なハンカチを用意するといいでしょう。

供物や手土産は必要?

弔問では、故人への供物を手土産として持参するケースが多いようです。しかし、ご自宅に足を運んでご家族にお悔やみを伝え、故人に線香をあげるだけでも十分な供養になります。手土産がなくても失礼にあたらないのでご安心ください。また、事前連絡で〈供物を辞退〉されている場合は、持参しないのがマナー。「お気持ちだけ」といわれたら、その言葉に従いましょう。
供物を用意する場合は、菓子や果物、お花を選ぶ方が多いようです。故人が生前に好んでいたものがわかっていれば、それを持参して供えると喜ばれるでしょう。ただし、生ものなど日持ちのしない品物はNG。菓子であれば個包装の焼き菓子などが好まれ、生菓子はできるだけ避けます。弔問先のご家族が少人数の場合は、食べ切れる量にする配慮も必要です。
また、高価な品物もご家族の負担になります。3,000円〜5,000円を目安に適した品物をお選びください。品物に掛け紙をかける場合は、「御供」「御供物」とするのが一般的です。
お花を持参するときも高価なものは避け、飾りやすいサイズの花にしましょう。近年はお供え用にアレンジした花束などが手頃な価格で販売されています。日持ちのするプリザーブドフラワーのセットもお供えに使えるアレンジがあるようなので、お好みでチョイスしてもいいでしょう。

香典は持参したほうがいいの?

お葬式に参列していない方が弔問する場合は、香典を用意するのが基本。お線香をあげてお悔やみの言葉を伝えたあとに手渡しましょう。
【弔問時の香典の相場】
お葬式後の弔問でお渡しする場合でも、お葬式時に渡す香典と相場は同じだと考えましょう。金額は故人との関係やご自身の年齢によって変わるので、以下を参考にしつつお決めください。
●20代
・親族:10,000円〜5,0000円
・会社の上司:5,000円
・友人や知人、会社の同僚など:3,000円〜5,000円
●30代
・親族:10,000円〜5,0000円
・会社の上司:5,000円〜10,000円
・友人や知人、会社の同僚など:3,000円〜10,000円
●40代以上
・親族:30,000円〜100,000円
・会社の上司:10,000円〜
・友人・知人、同僚など:10,000円〜
【香典の表書き】
仏式ではお金を香典袋に入れて渡します。表書きは弔問するタイミングで変わるのでご注意ください。
●四十九日までなら「御霊前」
●四十九日を過ぎたら「御仏前」
●浄土真宗の場合は四十九日前でも「御仏前」
●共通して使用できる「御香典」「御香料」でもOK

香典辞退の場合は持参しない

家族葬が増えた近年は、お葬式でも〈香典辞退〉が増えています。お葬式で香典辞退を選択されたご家族は、弔問でも香典を受け付けないのが通常。事前連絡で「香典を渡したい」と伝え、受け入れてもらえるのかを確認しておきましょう。辞退しているご家族であればその意向に従い、香典の持参を控えてください。
また、お葬式後は返礼品の用意がない場合もあるので、返礼品や香典返しの辞退を伝えてもかまいません。

お悔やみなど、言葉遣いのマナーと注意点。

弔問ではお悔やみの言葉を伝えるなど、ご家族と話をするシーンがあります。ここで気をつけたいのが言葉遣い。通常の会話では問題ない言葉でも、弔事ではマナー違反につながる恐れがあります。ご家族への気持ちが問題なく伝わるよう、言葉遣いにも気を配りましょう。

お悔やみの言葉や思い出話は短く

お悔やみの言葉は、大切な人を亡くしたご家族にかける思いやりの言葉。ご家族のための言葉なので、ご自身の気持ちを長々と述べるものではありません。縁のある方が亡くなった悲しみを伝えたい気持ちはグッと抑え、故人とご家族への弔いを短い言葉で簡潔に述べましょう。
【お悔やみの言葉 例】
――――
「このたびは誠に残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げ、○○さまのご冥福をお祈りいたします」
「このたびはご愁傷さまです。本当に残念でなりません。みなさま、どうかお力を落とされませんように」 …など
――――
お悔やみの言葉を伝えたあとに故人の思い出を語る場合も長話は禁物です。悲しみや疲れが癒えていないご家族にとって、弔問客の対応は気力も体力も使う大仕事。ご家族の負担にならないよう長居をせずに退去するのがマナーだとされています。 とはいえ、故人への想いを共有するのは心の癒やしにもつながります。ひとときでもご家族とコミュニケーションをとり、故人の思い出を語り合ってみてはいかがでしょうか。

死亡の原因や経緯を尋ねない

急な訃報だったりすると、どのように亡くなったのかと気になる方がいるかもしれません。しかし、ご家族にとって死亡の説明は、故人が亡くなってしまった悲しい瞬間を思い起こすことにつながります。
お葬式後だからといっても、大切な人を失ったご家族の悲しみはそうそう癒えるものではありません。弔問時に死因を尋ねるのは止めましょう。亡くなった経緯を問うのもマナーに反します。

ご家族を安易に励まさない

弔問する多くの人は、悲しまれているご家族を少しでも励ましたいと思っているでしょう。しかし、ストレートな励ましの言葉は、受ける側にプレッシャーを与える可能性があるので注意が必要です。
そもそも、大切な人を亡くしつつも弔問を受け入れているご家族は、十分過ぎるほどがんばっています。よかれと思っていても、弔問客から「がんばって」や「元気をだして」と言葉をかけるのは失礼。ご家族を励ましたいときは、帰り際に「私にできることがあれば、なんでもいってください」「話したいことがあれば、いつでも連絡してください」などと声をかけ、さりげなくサポートするのがいいのがおすすめです。

「忌み言葉」を使わない

日本語には「忌み言葉」と呼ばれる言葉があり、縁起の悪いものとして弔事の場では使用しないのがマナー。この忌み言葉にはさまざまな言葉が当てはまり、〈いろいろ〉〈日々〉など普段使いしているものも多く含まれます。大丈夫だろうと自己判断せず、調べたうえで的確な言葉を使いましょう。使用できない忌み言葉は、同じような意味の言葉に変換すれば問題ありません。
【代表的な忌み言葉と言い換え言葉】
●いよいよ→ついに、さらに、一段と
●いろいろ→多くの、多彩な、もっと
●くれぐれも→どうぞ、十分に、よく
●重ね重ね→加えて、深く
●再び→改めて、いま一度
●引きつづき→これからも、改めて
●日々→毎日、暮らし
●忙しい→多様、多忙
●次に→その後、新たに
●追って→後ほど、まもなく
●終わる→お開きになる、ゴールを迎える
●四(し)→よっつ、よん
●死ぬ→ご逝去、亡くなる、旅立つ
●急死→突然のこと、急なこと
●生きていたころ→ご生前、お元気だったころ…など

宗教・宗派でも使う言葉は異なる

日本で信仰されている宗教は数多くあり、それぞれが人の死に対しての考え方をもっています。その考えによって、お悔やみとして使える言葉にも違いがあることを知っておきましょう。
例えば、死者が向かう「冥土」というのは仏教の考え方。よく使う「ご冥福をお祈りします」は仏教でしか使えません。同様に「成仏」や「供養」なども仏教用語。神道やキリスト教を信仰しているご家族を訪ねるときは別の言葉をかけましょう。キリスト教であれば「どうか安らかに眠られますようお祈りいたします」、神道なら「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」といった言葉で気持ちを伝えます。
さらに、同じ仏教でも浄土真宗は亡くなると同時に仏さまになる往生即成仏の考えをもち、冥土という概念がありません。浄土真宗でも「ご冥福をお祈りします」をお悔やみの言葉として使うのはマナー違反だとされているので気をつけましょう。

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