お葬式コラム

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コラム

終活のはじめ方。いつから、どうはじめればいい?

「終活」という言葉が使われるようになって何年も経ちました。今では広く浸透し、やってみたいと考える人が増加。しかし、いざはじめてみようとしても「何から手をつければいいのかわからない」と、とまどうことも多いようです。
今回は終活を特集し、終活の意味やメリットなど基本的な事柄から、はじめるタイミング、やることリストといった具体的な方法までご紹介。これから終活をはじめる方をサポートできる情報をお届けします。

そもそも終活とは。いつからはじまったもの?

「終活」は、〈人生の終わりのための活動〉を略したもの。メディアから生まれた言葉ではありますが社会に広く浸透し、今では一般的に使われています。
終活の意味は、〈ご自身の今後の人生と死後のことを考えて準備をすること〉だといわれていますが、これも一般論で決まった定義があるわけではありません。つまり、ご自身が考える終活を自由にやればいいわけです。
ところで、なぜ終活という言葉が生まれ、浸透したのでしょうか? 背景には、少子高齢化が進んでいる現代の社会状況が関係しているといわれています。昔はひとつの家庭に兄弟や親戚が多く、親が亡くなったあとは役割を分担できていました。しかし、少子化の現代では担える人が少なく、ひとりの負担は大きくなっています。
さらには、医学の進歩による長寿化などで〈おひとりさま世帯〉が増加。“死後に迷惑をかけたくない”という思いをもつ人が増えたことから人生の終わり方を考える活動が注目され、2009年には雑誌で「終活」という言葉が使われるようになったそうです。
一昔前であれば、死後に向けて事前準備をすることは縁起が悪くネガティブにとらえられがちでした。しかし、終活という言葉が登場してからはポジティブに考えられるようになったといわれています。現代において終活は、自分らしい最期を迎えるため、そして残された人生をよりよくする手段のひとつとなっているのです。

終活をするメリットはなに? デメリットはあるの?

終活は、「家族に迷惑をかけたくない」と考えてはじめる方が多いようです。もちろん死後の負担軽減は大きな目的ですが、それ以外にも終活にはさまざまなメリットがあります。

ご自身の現状を把握できる

生活をしていると、モノや契約事項がどうしても増えていきます。また、ご家族や友人など周囲の環境も時代とともに変化しているでしょう。人は、それらすべてを把握して暮らしているわけではありません。ご自身の知らない(もしくは忘れている)物事はたくさんあるはずです。
終活では資産や所有物、負債などを洗い出すため、ご自身がどのようなものをどのくらい所有しているのか、家族や友人の状況はどうなっているのかなど、自分の現状をしっかり把握できます。そのうえで、いるもの・いらないものを取捨選択でき、整理できるのは終活の大きな魅力だといえます。

不要なものを処分できる

ご自身の現状を把握すると、いかに自分が多くの物事に囲まれて暮らしているのかがわかります。これらを整理するのも終活のひとつ。これまでの思い出やこれからの人生を考慮しつつ必要・不要を見極め、不要なものを処分していきます。そうやって暮らしが身軽になれば、老後生活の快適度アップにもつながります。
また、長く生きていると、秘密にしておきたい物事がひとつやふたつはあるでしょう。終活では、〈死後に見られたくないもの〉を事前に処分でき、死後の不安のタネを取り除くことができます。

ご家族の負担を軽減できる

人が亡くなると、残されたご家族は多くの物事に追われ、さまざまな決断を迫られます。大切な人を失った悲しみのなかでお葬式を執り行い、法要や納骨を済ませ、相続に関する手続きを行わなければいけないのです。
それら精神的・肉体的・金銭的な負担をラクにできるのが終活。希望するお葬式スタイルや埋葬方法、相続への意志を示しておけば、ご家族は死後の行事をスムーズに行えるうえ、終活で事前に身辺整理しておくことで遺品の処分の手間や悩みも軽減できます。

人生の最期を自分の思いどおりに演出できる

〈自分がどのような最期を迎えたいか〉〈死後にどのようなカタチであの世へ送りだしてもらいたいか〉、それぞれに想いはあるはず。言葉ではいいづらい事柄も、終活を活用すればスムーズに伝えられます。
例えば、エンディングノートに希望するお葬式スタイルや埋葬方法などを記しておけば、ご家族は故人の意志を知ることができます。さらには副葬品としてお棺のなかに入れてもらいたいもの、お葬式で流してほしい音楽など細かい願いも届けられ、自分らしいお葬式の実現が可能になります。

これまでを見直せ、これからの人生の出発点になる

終活のメリットは、死後の事前準備ができるだけではありません。現状を洗いだして金銭面や人間関係が正確に理解できれば、課題が見えてきます。課題がクリアになれば漠然とした不安が解消され、具体的な計画が建てられるでしょう。また、どのような最期を迎えたいかを考えることは、ご自身の気持ちと向き合うキッカケにもなります。
終活は、よりよい老後を生きるための活動ともいわれます。死は生の延長なので、〈どのように死にたいか〉は〈どのように生きたいか〉ということ。これまでの人生を見直し、これから自分らしく生きるための出発点にもなるのです。

終活のデメリット

終活にはメリットが多く、デメリットは少ないといわれています。とはいっても、終活は死を考える行為。死というものを深く意識して気持ちが沈んでしまう恐れもあるでしょう。
終活をはじめて気持ちが暗くなるようなら、一旦ストップ。時間をおいて再開してもいいですし、気分が乗らなければ終活を止めてしまっても問題ありません。大切なのはひとりで抱え込まないこと。ご家族や友人など信頼のおける周囲の人に相談したり、専門家に相談したりして負担を分散すれば、円滑に行える場合もあります。終活に行き詰まったときは方法を見直し、自分に合ったやり方を探ってみるといいでしょう。
最近は終活をサービスとする業者も登場しているので、利用するという手段もあります。ただし、利用する場合は内容や価格を十分に考慮して選択ください。高額な価格を要求された事例もあるようなので注意が必要です。

終活をはじめるタイミング。いつからはじめればいい?

終活をはじめる時期に決まりごとはありません。〈やりたいと思ったときがはじめどき〉なので、好きなタイミングでスタートしてください。
そうはいっても、キッカケがないとはじめられないのも事実。終活開始におすすめのタイミングをいくつかご紹介しましょう。

定年など、退職したとき

定年退職をすると生活が大きく変わります。収入はもちろん生活スタイルも一変するため、これまでと違う新しい人生がはじるといっても過言ではありません。人生を見直せる終活をはじめるには、絶好のタイミングといえるでしょう。さらに、定年後は時間に余裕が生まれ、じっくり終活に取り組めるのも利点です。

子どもの手が離れたとき

就職や結婚などで子育てが一段落ついたときも、終活のはじめどき。子ども中心の生活からご自身が主役となる暮らしにシフトするため、これからの生き方を考えるのにぴったりなタイミングなのです。
また、年齢的にまだまだ若く、体力があるこの時期なら心身に余裕をもってはじめられ、ライフステージの変化に合わせてアップデートしていくことも容易になります。

60歳や70歳など節目の年齢を迎えたとき

終活は60代〜70代ではじめる人が多いといわれています。年齢を重ね、ご自身の身体的な衰えや生活環境の変化によって必要性を感じられるようです。
必要性を感じて終活をはじめるというのもいいのですが、満60歳の還暦や70歳の古希というように日本では長寿を祝う年齢があります。これら人生の節目となる年齢を迎えたタイミングは、終活開始のいいキッカケ。終活を通して、これからの生き方や人生の最期の迎え方を考えてみてもいいのではないでしょうか。

身近な人が亡くなったとき

配偶者や兄弟、友人など身近な人が亡くなると死を身近に感じ、死というものと向き合うことになります。それを機に〈自分はどうしたいか〉を考え、エンディングノートなどで自身の思いを書きだす人も多いそう。
また、お葬式や死後の手続きを担うと、死後にやらなければいけない事柄がいかに多いかを身をもって知ります。その負担を自身のご家族にかけたくないと考え、終活をはじめるケースもあるようです。

ご自身の体調に変化があったとき

年齢が上がるとカラダに変化が生まれ、体力も衰えてきます。ときには病気を患うこともあるでしょう。カラダに自信がなくなると人は気弱になってしまい、死を意識することもあるようです。
体調の変化は、人生に変化を与えるキッカケになります。終活でご自身の気持ちや置かれている状況と向き合あえば精神的に落ち着け、また万が一のときのための準備ができていれば安心して暮らせるのではないでしょうか。

まずはここから! 終活でやることリスト。

いざ終活をはじめようとしても「何をやればいいのかわらかない」という人も多いでしょう。こちらでは、終活でやっておくといいことをピップアップ。無理をせず、手をつけられるものからはじめてみてください。

エンディングノートを用意する

書くという行為は、〈人に意志を伝える〉という役割だけでなく、〈自分の考えを整理する〉ことにもつながります。終活をはじめるにあたって、まずはエンディングノートを用意し、ご自身の希望や手続きが必要な情報などを記していきましょう。書きだすことが目的なので、専用のエンディングノートでなくてもかまいません。デザインなどお気に入りのノートを使うことで、楽しく書ける場合もあるでしょう。
ただし、エンディングノートは遺言書と違って法的効力がありません。あくまで、ご家族など残された方に希望を伝えるものだと認識しておいてください。

資産を確認しておく

ご自身がいくらの資産を有しているのかを把握することは、相続だけでなく、今後の生き方にも影響を与えます。定期や普通預金の通帳、株式や加入している保険の証券、不動産の契約書などを準備し、資産を洗い出していきましょう。負債がある場合は、それも計上します。
正確な資産が認識できれば、今後の生活にかけられるお金の目安がつき、入院や介護など緊急時にいくら備えられているのかもわかります。併せて、使っていない銀行口座がある場合は解約し、お金の在り処をわかりやすく整理しておくことも大切です。

インターネット契約やデジタル遺産を整理する

現代はインターネットで多くのことができます。ネットバンクやネット証券、光熱費の支払い、有料サービス加入など本人しかわからない契約もたくさんあるでしょう。これらを洗い出して不必要なものは契約を解除、そのほかは死後に手続きができるようリスト化しておきます。
また、スマホやパソコン、オンラインストレージなどに保存してあるデジタルデータも整理。死後に見られたくないものは削除しておくと安心です。

所有物の整理する

身の回りの持ちものを整理するのも大切な終活。実施すれば、残されたご家族への負担を減らせるだけでなく、モノにとらわれない身軽な生き方も手に入ります。
とはいえ、捨てることばかりをおすすめしているわけではありません。今は使っていなくても、思い出深い品物もあります。整理をはじめる前に、整理のルールを決めておくといいでしょう。例えば、〈これからの人生を豊かにしてくれるか?〉などの基準を設け、不要と考えるものだけ処分すればいいのです。
生前整理は時間も体力も要する大仕事。できるだけ早くから取り掛かることをおすすめします。

最期の迎え方を決める

人はいつか亡くなります。〈人生の最期をどう迎えたいか〉を考え、ご家族に伝えておくことも終活の大きな役割です。死が近づいてきた段階では、ご自身の意思表示ができなくなる場合もあります。どのような医療を受けたいか、最期はどこで・誰と迎えたいかなどの思いを周囲に伝えておけば、そのときを迎えたご家族は決断を迷いません。
また、将来的に施設への入居を考えている方は、元気なうちから資料を取り寄せて検討しておきましょう。入りたい施設のイメージをご家族と共有しておけば、ご自身の希望がかなう確率が高くなります。

お葬式やお墓など死後の希望を伝える

時代とともにお葬式のスタイルは多様化しています。自分らしいお葬式を実現したいのであれば、〈希望するお葬式〉〈参列してもらいたい人〉〈遺影に使ってもらいたい写真〉などを決めておき、エンディングノートに書きだしておくといいでしょう。菩提寺がある場合は、連絡先を記しておくことも忘れずに。
また、最近は埋葬方法もさまざま。埋葬について要望があるなら伝えておきましょう。 逝去後、ご家族は時間に追われながらお葬式の準備をしなくてはいけません。故人の意志がわかっているとご家族の負担をラクにでき、故人自身も生前に願っていたお葬式であの世へ旅立てます。
近年は、本人が存命中に葬儀社にお葬式を予約する「生前予約」も増えているようです。生前予約は、ご家族への負担を軽くできるだけでなく、自分の思い通りのお葬式を執り行えるメリットがあります。終活の一環として活用してみてもいいのではないでしょうか。

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