お葬式コラム

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コラム

近年のお墓事情。どんな種類があるの?

故人のご遺骨はお墓に納めるのが一般的。彼岸や盆に、ご家族の年中行事として先祖代々のお墓にお参りする方も多いでしょう。近年はライフスタイルの変化からお墓をもたない選択も増えているそうですが、日本においてお墓は暮らしに根づいている供養の文化でもあります。
今回はお墓について考え、お墓をもつことの意味や一般墓の種類、さらには多様化している埋葬スタイルの情報もご紹介します。

そもそもお墓とは? 日本にはお墓を定めた法律があります。

お墓は昔から当たり前のようにあるので、その意味を考えたことは少ないかもしれません。
お墓を簡単に説明すると、ご遺骨を埋葬する場所。日本には亡くなった人の埋葬に関する「墓地、埋葬等に関する法律」があり、〈墳墓とは、死体を埋葬し、または焼骨を埋蔵する施設をいう〉と示されています。ちなみに「墳墓(ふんぼ)」は墓のこと。お墓には、墳墓や墳塋(ふんえい)などの呼び方もあります。
また、墓地、埋葬等に関する法律には、「墓地」の項目もあり、墓地は墳墓を設けるための場所で、都道府県知事の許可を受けた区域と定められています。例えば、故人を近くに感じていたいご家族がご自宅の庭にお墓を建てたいと願っても法律で禁じられているのです。

時代とともに考え方が変化している? 近年のお墓事情。

近年、「墓じまい」という言葉を耳にすることが多くなりました。
“お墓が遠くにある”“継承する人がいない”など、さまざまな理由から先祖のお墓を撤去して墓地や寺院などに返還するのです。
時代とともに人々の生活様式は大きく変わり、供養方法もそれにあわせて多様化しています。また、新しい埋葬スタイルもぞくぞくと登場しているようです。
ご遺骨の保管場所は必ずしもお墓である必要はありません。先に紹介した「墓地、埋葬等に関する法律」では、墓地など許可を得ていないところにご遺骨を埋めるのを禁じているのみ。ご自宅などで保管できるので、“お墓をつくらない”という選択をする方も増えているそう。
とはいえ、お墓の役割はご遺骨を埋葬するだけではありません。この世に生きている人たちがご先祖さまと対話し、お祈りをする対象にもなります。
わたしたちはお墓参りをするとき、ご先祖さまの冥福を祈るとともに自分たちがつつがなく暮らせていることに感謝を捧げ、これからも見守っていてほしいとお願いします。つまり、お墓は生きている人がご先祖さまと会い、交流できるところ。大切な拠りどころなのです。
お墓が必要か、否かにはそれぞれの考えがあり、埋葬方法も自由に選べます。
しかし、故人にとっても、生きている人にとっても、お墓は重要な存在。どのような選択をするにしても、ご家族でじっくり話し合いましょう。
話し合いでは、
「誰と埋葬したいか(されたいか)」
「どのように埋葬したいか(されたいか)」
「誰が供養していくのか」
などを基準にするといいかもしれません。お墓は基本的に、いつまでに建てなければいけないという期限がありません。時間をかけて議論し、悔いのない決断をしてください。

伝統的なお墓である「一般墓」について。

近年、お墓は多様化し、さまざまなスタイルが登場しています。しかし、わたしたちがお墓と聞いて、まずイメージをするのが長方形の石に〈○○家の墓〉と刻まれたカタチではないでしょうか。これは「一般墓」と呼ばれるもので、カロートと呼ばれる納骨室(納骨棺)にご遺骨を安置します。

お墓の形態

お墓といえば先祖代々のものを受け継いでいくイメージですが、そればかりではありません。
●家墓・継承墓・累代墓(るいだいぼ)
一族で所有していくお墓で、親族も共同で使用します。墓石には〈〇〇家之墓〉と刻まれていることが多いようです。親から子へ継承されるため、ご家族が亡くなっても新たに購入する必要はありません。
●両家墓
姓の異なる2つの家をいっしょに埋葬するお墓。ひとつの区画に両家のお墓を建てたり、墓石に両家の姓を記したりするパターンがあります。少子化の影響により、結婚によってお墓の継承者がいなくなったケースなどで選ばれているようです。
●個人墓
ひとりで埋葬されるお墓のことで、お墓の継承者がいない方や残されたご家族に迷惑をかけたくない方から選ばれているそう。基本的に寺院や霊園が管理する永代供養墓として扱われ、最終的には合葬されることも多いようです。
●夫婦墓
夫婦だけで入るお墓です。お墓の継承者がいなかったり、子どもに負担をかけたくないと考えたりするご夫婦から選ばれています。こちらも個人墓と同じように寺院や霊園が管理する永代供養墓とされることが多く、その場合は契約期間を終えると合葬されるようです。

お墓を建てる場所

お墓は許可を受けた場所にしか建てられません。呼び名として〈墓地〉や〈霊園〉がありますが、どちらもお墓を建てられる場所で法律上では墓地の扱い。それぞれの特性から、名称を変えているようです。
●寺院墓地
仏教の教えにもとづく各宗派の寺院が運営・管理している墓地のこと。寺院の敷地内や隣接する土地にお墓を建てるスペースを設けている場合がほとんどで、僧侶が近くにいるのも魅力です。ただし、条件として檀家であることが多く、誰でも簡単に建てられるわけではありません。
●公営霊園・墓地
地方公共団体の墓地で、自治体もしくは委託された業者が運営・管理しています。その自治体の地域に住所や本籍があるなどの条件を設けている場合もありますが、寺院墓地と違い宗教・宗派は問われません。また、費用が安いのも大きな魅力でしょう。そのため人気が高く、申し込んでも抽選になってしまうことが多いようです。
●民営霊園・民間墓地
民間の企業が管理・運営している墓地をさします。事業主体は宗教法人などがほとんどですが、宗教・宗派は問われず、誰でも建てられます。施設やサービスが充実しているところが多く、公園のように明るい雰囲気の霊園もあるのだとか。そのぶん費用が高めになる傾向があり、さらには倒産するリスクがあることも覚えておきましょう。

お墓のカタチ

お墓のカタチは大きくわけて3種類あるといわれています。
●和型
江戸時代に普及した伝統的なお墓で、日本では9割りがこのカタチなのだとか。原型は仏舎利塔であるといわれ、一番上に長方形の竿石(さおいし)、次に上台と中台、一番下に敷石となる下台(芝石)を置く四段構造または、敷石を置かない三段構造が定番。墓石のカタチは宗教・宗派や地域によっても変わります。竿石には、〈○○家之墓〉〈先祖代々之墓〉などと刻まれます。
●洋型
縦長の和型と比べ、横長なのが洋型の特徴。欧米風で明るくモダンな印象も受け、安定感もあるため、近年は人気が高まっています。構造は和型とあまり変わらず、竿石、上台、中台をセットすることが多いそう。また、竿石の正面を斜めにしたオルガン型や名前を刻んだプレートを墓地に埋め込むプレート型など特徴的な形態もあります。竿石の文字も自由度が高く、故人が好きだった言葉やご家族の想い、英語のワードを刻まれる方もいらっしゃいます。
●デザイン墓
和型でも、洋型でもなく、自由な形状のお墓です。モニュメントのような扱いで故人が好きだったもののカタチを採用し、将棋の駒やサッカーボール、楽器などをかたどったお墓があるそう。また、素材にも制限はなく、ガラスを組み合わせたタイプなどもみられます。
デザイン墓はオリジナルデザインを依頼するので価格は高くなってしまいますが、“お墓も自分らしくありたい”と願う人から指示され、近年は増えてきているようです。

一般墓以外にもたくさんある! いろいろな供養スタイル。

近年はお墓への考え方が変化し、伝統的な“継承していくお墓”のカタチにとらわれない新しい供養の方法が増えています。どのスタイルにもメリット・デメリットがあるので、よく理解したうえで選択しましょう。

樹木葬

近年、人気の「樹木葬」は、墓石の代わりに樹木や花をシンボルにし、その下や周囲にご遺骨を埋葬するスタイル。自然葬の一種で、シンボルツリーには桜や紅葉、ハナミズキなどが植えられることが多いそう。
樹木葬にはさまざまなタイプがあります。代表的なものとしては…
●庭園タイプ
限られたスペースにシンボルツリーや草花を植え、庭園のように整備されているタイプ。寺院や霊園の一画を利用していることが多く、都市部でよくみられる樹木葬です。
●公園タイプ
広い敷地に樹木や草花を植え、芝生を敷いて公園のように設えたタイプです。シンボルツリーのほかに噴水やベンチなどを設置し、散歩やピクニックを楽しみながらお墓参りができるところもあるようです。
●里山タイプ
墓地として使用できる許可を得た里山にご遺骨を埋葬します。シンボルツリーは新たに植える場合と、もともと自生していた樹木を利用するケースがあります。“自然のなかで眠る”という樹木葬の魅力を、より感じられるタイプといえるでしょう。
埋葬方法は、個別の区間に納めたり、ほかの人のお骨と混ぜてしまったりとさまざま。また、個別安置でも一定期間が過ぎると合祀されるケースが多いので、細かく確認しておくと安心です。

納骨堂

屋外のお墓ではなく、建物の室内などにご遺骨を納める形式のもの。もともと納骨堂はお墓に納骨するまで保管する場所と考えられていたのですが、近年は一時預かりではなく、長期間ご遺骨を収蔵して供養するお墓として扱われるようになりました。 継承していくことを前提としていないので、寺院や霊園などがご家族に代わって供養する〈永代供養〉のスタイルをとっているところが一般的。多くは一定期間を過ぎると合肥されるようです。
ご遺骨安置の方法はさまざまで、代表的なタイプは…
●ロッカー式
扉がついた棚にご遺骨を収蔵する形式です。お参りは、ご遺骨を取りだすタイプと、近くに設けた本尊などにするタイプがあります。安置スペースが小さいので納骨する人数に限りはありますが、かかる費用はほかの形式と比べると安くおさえられるようです。
●自動搬送式
「ビル型」「マンション型」とも呼ばれるこちらのタイプは、コンピューターで制御されているのが特徴。普段はバックヤードでご遺骨を安置し、ご家族がお参りするときにICカードなどをかざすと自動的に参拝ブースへ運ばれます。施設は都市部にあることが多く、アクセスのしやすさもメリットです。
●仏壇式
施設内に仏壇が並べられており、契約ごとにひとつの仏壇を使用します。多くは、上段が仏壇、下段はご遺骨の収蔵スペースになっています。上段の仏壇には本尊や花入れなどがセットされ、遺影や位牌を飾ることも可能。仏壇で供養できる安心感があり、収蔵スペースが広いためご家族で使用できるのもポイントです。
●棚式
区切りのない棚にご遺骨を並べて安置するタイプ。寺院の一画に設置されていることが多く、昔からあるシンプルな形式です。納骨用の施設を新たにつくるわけではないので費用は安く、供養料のみで安置できる場合がほとんど。ただし、個別のお参りができないデメリットもあります。
●墓石式
一般的なお墓を室内に並べているタイプ。室内にある霊園の感覚で、個別のお墓があります。お参りしやすく、室内に設置しているため雑草や汚れなども気になりません。ただし、墓石を用意する必要があるため費用は高くなるようです。

散骨

ご遺骨を粉末状の遺灰にして海や山などにまく供養スタイルで、自然葬の一種です。
お墓を必要としない人や、自然に還りたいと願う人が望む傾向にあり、近年は人気が高まっています。
日本には「墓地、埋葬等に関する法律」があり、許可のないところにご遺骨を埋葬するのは禁止されているのですが、散骨については〈節度をもって行うこと〉を条件にひとつの供養方法として認められているようです。
とはいっても、自由に散骨していいわけではありません。とくに陸地では散骨したい場所の土地所有者への許可が必ず必要ですし、海洋散骨にしても陸地から離れた海域や人のいない沿岸で行うのがルール。また、散骨するご遺骨は〈2mm以下に粉砕しなくてはならない〉という決まりがあるので個人で行うのは現実的ではなく、取り扱っている業者に依頼するのが一般的です。
例えば海洋散骨の場合、船などを貸し切る「個別チャータープラン」や複数のご家族が乗船して散骨する「合同プラン」、遺灰を業者に預けて散骨してもらう「代行散骨プラン」など、業者にはいろいろなプランが用意されているようです。内容や費用に大きな違いがあるので担当者に相談して納得のいくものを選択しましょう。

手元供養

ご遺骨はお墓などに納骨せず、ご家族で保管しても問題ありません。ご自宅でご遺骨を安置し、管理することは「手元供養」「自宅供養」と呼ばれ、近年は新しい供養スタイルとして選択する人が増えているようです。
手元供養は大きく2つの方法があります。
●ご遺骨のすべてをご自宅で保管する
●お墓や寺院に納骨したご遺骨の一部をご自宅で保管する
ご遺骨の一部を手元供養にする場合は、小さな骨壺に移し替えたり、アクセサリーやプレートなどに加工したりする方もいらっしゃるようです。
ご遺骨をご自宅に安置する手元供養は故人を身近に感じられるなどのメリットがある反面、繊細なご遺骨の管理には注意が必要。また、従来の埋葬方法を指示する親族から反発されるケースもあるようです。手元供養を選択したい場合は親族としっかり話し合い、理解を得ておきましょう。

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