お葬式コラム

お葬式での音楽。好きな曲を流せるの?

お葬式の在り方が多様化し、故人の好きだった音楽で送ってあげたいと考える人も増えているようです。今回は、そもそもお葬式で音楽を流せるの? など基本的な疑問にお答えし、さらには近年人気の音楽を演出の中心としたお葬式スタイル「音楽葬」についてもご紹介します。

基本的に、お葬式で音楽を流すことは可能です。

お葬式で音楽を流す場合、大きくわけて2つのパターンが考えられます。

パターン1:音楽を演出のメインにする「音楽葬」
パターン2:仏式など従来のお葬式でBGMとして使う

パターン1の「音楽葬」は無宗教葬のスタイルをとるので自由度が高く、音楽演出もお好みで構成できます。では、仏教葬など伝統的なしきたりに則ったお葬式ではどうでしょう?

結論からいうと、どのような形式のお葬式でも希望される音楽を流すことは基本的に可能です。

お葬式は宗教的な儀式なので、受け継がれてきた作法やしきたり、マナーが存在します。伝統を尊重して厳格に執り行うことも大切ですが、お葬式の主役は来世へと旅立つ故人と、故人を弔うご家族です。“ご家族が故人を想って行いたいと願うこと”に対して、ほとんどの場合は受け入れられますので、打ち合わせのタイミングなどで葬儀社に相談してみましょう。

とはいえ、“何でもOK”というわけではなく、注意するポイントもあります。こちらでもお伝えしていきますので、読み進めてご確認ください。


お葬式でBGMとして使える音楽。ふさわしい楽曲はあるの?

お葬式でBGMとして使う音楽に決まりごとはありません。「故人が好きだった曲」や「故人とご家族の思い出ソング」などを基準に、亡くなった方への想いをひもときながらご家族で選曲してください。

とはいえ、場違いな音楽を流してお葬式という神聖な儀式の雰囲気を壊してしまっては本末転倒。また、参列者のなかには故人を静かに偲びたい方もいらっしゃるでしょう。選曲のポイントは、主張しすぎない耳なじみのいい楽曲にすること。こちらでは、お葬式という大切なシーンにふさわしい音楽をセレクトするためのアドバイスを少しご紹介します。

定番は、品のある雰囲気を演出できる「クラシック音楽」

お葬式のBGMとして定番なのが「クラシック音楽」。優雅な旋律や威厳を感じる演奏はお葬式という神聖な場になじみますし、上品な雰囲気も演出できます。また、クラシックの美しい調べに包まれることで、参列者の気持ちを穏やかにする効果も期待できるでしょう。楽曲としては、ショパンの『別れの曲』やバッハの『G線上のアリア』、モーツァルトの『レクイエム』などクラシックのなかでも耳なじみのある著名なものが選ばれています。

「邦楽」なら、歌詞に心癒されることも

ポピュラー・ミュージックをBGMにしても問題ありません。思い出の曲を流して故人を偲ぶのも、ひとつの供養です。
なかでも邦楽は日本語の歌詞が耳に入ってきます。やさしいメロディーとともに悲しみに寄り添う言葉を聴けば、ご家族や参列者の心を癒すきっかけにもなるでしょう。そういう意味からも、美空ひばりの『川の流れのように』や秋川雅史の『千の風になって』などの楽曲が人気を得ているようです。

「ポップス」や「ロック」は、場になじむ工夫を

お葬式のBGMにルールはありませんので、ポップスやロック・ミュージックを流すこともできます。ですが、お葬式会場に軽快なポップスや激しいロックが鳴り響くことに違和感をもつ方がいらっしゃるでしょうし、セレモニーホールなどでは別会場でお葬式をあげている他家族にもご迷惑がかかります。
ポップスやロックを流したい場合は音量を下げたり、スローテンポのバラードを選曲したりして周りに配慮しましょう。また、人気アーティストの楽曲は、インストゥルメンタルやオルゴールなど別バージョンにアレンジされたものがたくさんあります。控えめなアレンジを使用して、お葬式の雰囲気にあわせるのも一案です。

お葬式のBGMに適したコンピレーション・アルバムも市販されています。選曲に迷ったら、こういったものを活用してもいいでしょう。



音楽を流すタイミングはいつ?

音楽をお葬式のBGMとする場合、僧侶の読経など宗教的な儀式が行われている時間以外は楽曲を流せます。とはいっても、常に音楽が流れていると参列者の気が散りますし、印象にも残りません。音楽演出を効果的にする、おすすめのタイミングはこちらです。

お葬式がはじまる前

参列者が入場して開式を待つ間、音楽を聴いてリラックスしてもらいます。

故人を紹介するとき

司会者が故人の人生や人となりを紹介するときに故人が好きだった曲などを流すと、より深く故人を懐かしむことができます。

弔電やお別れの言葉を披露するとき

お葬式に届いた弔電やお別れの言葉を司会者が読み上げるときに音楽の演出があると、雰囲気を高められます。

最後のお別れをするとき

お棺に花や思い出の品などを入れて故人と最後のお別れをする場面では、音楽がご家族や参列者の心に寄り添ってくれるでしょう。

出棺のとき

出棺時も音楽を流すおすすめのタイミング。愛聴していた楽曲とともに故人を火葬場へ送り出しましょう。



生演奏? CDを持ち込み? 音源の手配はどうするの。

お葬式で流す音楽の手配は、CDなどを持ち込んで音源を活用する、もしくは音楽家に生演奏を依頼するなどの方法があります。それぞれのケースで手配する内容や必要な設備が異なってくるので、葬儀社と打ち合わせをしながら進めていきましょう。

CDを持ち込む場合、まずは会場の環境を確認

故人が聴いていたCDを持ち込んで使用したい場合は、音源を流す音響設備が必須。また、周囲に迷惑がかからないよう防音対策がしっかりとられていることも大切です。お葬式を実施する会場にCDなどのソフトを使って音楽を流せる設備が整っているかどうかを、まずは確認しておきましょう。

生演奏を依頼したい場合は、葬儀社に相談

最近は、家族葬など小規模なお葬式でも生演奏による演出を頼む方が増えています。楽団はバイオリンやヴィオラ、チェロなど弦楽器を組み合わせた編成が多く、故人が好んだ楽曲や思い出の曲などをお葬式の雰囲気にあわせて演奏してくれます。
生演奏の手配は多くの葬儀社で取り扱っています。お葬式の打ち合わせ時に相談し、追加で発生する費用も確認しておきましょう。

著作権にも注意が必要

楽曲には「著作権」があり、そのなかには「演奏権」という権利も含まれています。営利団体である葬儀社が音楽を流す行為は “公衆に音楽を聴かせる”ことにつながり、演奏権が発生。葬儀社が著作権管理会社(JASRACなど)に使用料金を支払う必要があります。また、著作権の場合は手法を問わないため、CDを持ち込んで楽曲を流しても、音楽家が生で演奏しても同様に権利が生じます。

むずかしく考えがちですが、お葬式を行う葬儀社が著作権管理会社と契約していれば問題なく楽曲を使用できます。依頼する葬儀社に著作権管理会社との契約があるのかを確かめたうえで、お葬式に音楽を使いたい意向を伝えるとスムーズです。

また、著作権はセレモニーホールなどの施設でお葬式を開いた場合のみ発生します。ご自宅でのお葬式で音楽を流した場合は、楽曲利用主が葬儀社ではなく喪主になります。喪主が自宅で音楽鑑賞をしているのと同じ扱いで営利目的にはならないので、著作権管理会社に使用料金を払う必要はありません。

加えて、権利の保護期間は楽曲制作者の死後50年まで。クラシック楽曲の多くは50年以上前に制作されて著作権消滅楽曲(パブリックドメイン曲)となっているため、お葬式で流しても使用料金が発生しないケースがほとんどです。



音楽を主体にした「音楽葬」とは?

音楽葬とは、音楽を流すことをメイン演出としたお葬式スタイルのこと。しきたりにとらわれない「無宗教葬」や「自由葬」の形式をとり、僧侶の読経の代わりに献奏をして音楽で故人の冥福を祈ります。音楽を中心に位置づけて自由に演出できるため、流す楽曲も仏教葬のBGMとして使う場合より選択の幅が広がり、より音楽色の強いお葬式を実現できます。

音楽葬の通夜式

音楽葬は無宗教葬なので、通夜式でも読経を行いません。それ以外は通常と変わらず、焼香や喪主のあいさつ、通夜ぶるまいなどを実施する方がほとんどのようです。また、もっと自由な通夜式として、音楽を流しつつ会食を楽しむスタイルで故人を偲ぶご家族もいらっしゃいます。

音楽葬の費用

音楽葬の費用は、CDなどの音源を使用するのか、生演奏を頼むのかによって若干変わってきます。生演奏を頼む場合はお願いする演奏者の数でも料金は違ってきますので、ご予算を設定したうえで葬儀社に相談するといいでしょう。



お葬式で音楽を流すときの注意点。

音楽葬を開いたり、お葬式のBGMとして音楽を流したりするのは、新しいお葬式スタイル。それだけに、従来の形式になじみのある方から難色を示されるケースも見受けられます。

時代とともに多様化が進んでいるとはいえ、お葬式は伝統ある儀式。そのことを重んじながらも「故人への想いを音楽で表現するお葬式にしたい」というご家族の意向を伝え、周囲に理解を求めましょう。

また、「音楽を流したい」「生演奏を依頼したい」と願っても、環境が整っていない会場だと実現できません。興味がある方は、葬儀社への事前相談をおすすめします。


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