お葬式コラム

祥月命日と月命日。おすすめの過ごし方は?

故人が亡くなった日を「命日」と呼ぶのはわかっていても、命日に種類があることやその日に適した過ごし方までは知られていないのではないでしょうか。
命日は、故人の供養において目安や節目になります。今回のコラムでは命日の種類やそれぞれの意味、似つかわしいふるまいなどをご紹介。正しく知って大切な方が亡くなった日をきちんと過ごし、故人を偲んでみてください。

命日とは。祥月命日と月命日の違いは?

一般的に認識されている命日とは〈故人が亡くなった月日〉のことで、一周忌以降のその日をさします。こちらは「祥月命日(しょうつきめいにち)」といい、例えば2023年2月28日に亡くなったら、翌年以降の2月28日が命日となって年に1回だけやってきます。ちなみに、祥月とは故人が亡くなった〈死亡月〉のことで、中国の儒教に由来しているのだとか。また、祥月の「祥」という漢字は「さいわい」とも読み、〈幸せなこと〉〈めでたいこと〉という意味もあります。中国では喪明けをめでたいこととされているので、凶から吉へと転じる意味でつけられたとも考えられています。
命日には、「月命日」または「月忌(がっき)」と呼ばれるものもあります。こちらは〈故人が亡くなった日にち〉のことで、故人が2023年2月28日に亡くなった場合は28日が月命日。その日は毎月訪れ、祥月命日の月を除くと年に11回あることになります。

一周忌や三回忌など、祥月命日には年忌法要をする。

年に1回やってくる祥月命日は、故人の供養において大きな節目。仏式の供養では没後の年数に応じて「年忌法要」を行います。

年忌法要の日程。祥月命日の当日にやらなければいけないの?

年忌法要は、極楽浄土に行った故人をさらなる精進の道へと導くための「追善供養」。1年、3年、7年など節目の年の祥月命日に営むのが基本です。
とはいえ、現代は地元を離れて暮らしている方もたくさんいます。その日が平日であると、会社や学校で集まれないこともあるでしょう。参列者の都合がつかない場合は、日程を変更してもかまいません。ただし、祥月命日より前に行うのが原則。祥月命日の1ヶ月前から当日までの休日に設定するというのが一般的です。

没後何年の祥月命日に年忌法要を行えばいい?

故人が亡くなってから満1年目の祥月命日に行う法要が「一周忌」。こちらを終えると、2年後の祥月命日に「3回忌」の法要を営みます。
どちらも年忌法要ですが、1年目は〈周忌〉、2年後以降は〈回忌〉と表現が異なります。それは、周忌が没後何年経つかを意味するのに対し、回忌は何回目の忌日(命日)かを意味するものだから。とくに回忌は、〈没後年数に加えて亡くなった年をプラス1としてカウントする〉ので、少しややこしく感じるかもしれません。名称だけで判断すると実施年数を勘違いしやすいので、〈没後2年目は三回忌〉、〈6年目は七回忌〉とセットで覚えておくといいでしょう。
〈主な年忌法要と没年数〉
●一周忌:没後 1年目
●三回忌:没後 2年目
●七回忌:没後 6年目
●十三回忌:没後 12年目
●十七回忌:没後 16年目
●二十三回忌:没後 22年目
●二十七回忌:没後 26年目
●三十三回忌:没後 32年目
●五十回忌:没後 49年目

年忌法要はどのように営むの? 参列者は?

一般的な年忌法要では、僧侶を招いて読経いただき、参列者は焼香をして故人を供養します。法要後には僧侶や参列者で食事をすることもあり、法要と会食を含めた一連の行事は「法事」と呼ばれます。
参列する人にこれといった決まりはないので、ご家族の意向で参列いただく範囲を決めて問題ありません。通常は、一周忌や三回忌はご家族に加えて友人・知人など故人と親しかった方々にもお声がけして営み、七回忌以降は規模を縮小して身内だけで行うケースが多いようです。
また、年忌法要はいつまでもつづけず、三十三回忌や五十回忌で区切りをつけるのが一般的。最後として執り行う年忌法要は「弔い上げ」といい、これまで供養してきた故人の魂はほかのご先祖さまと同様に仏さまになります。そのため、弔い上げが終わると仏壇に祀っていた位牌を片づけてご先祖様と一緒に先祖代々の位牌へ合祀します。片づけるときは僧侶に「魂抜き(閉眼供養)」をお願いし、魂を抜いた位牌は寺院で「お焚き上げ」してもらうといいでしょう。

年忌法要がない年の祥月命日の過ごし方は?

年忌法要は、故人の没後1年、3年、7年と節目の年に行います。では、没後3年目や4年目など年忌法要をしない年の祥月命日には、なにをすればいいのでしょうか。

お墓参りに行く

故人が亡くなった祥月命日は大切な日です。年忌法要をしない年でも供養は行いましょう。おすすめは「お墓参り」。故人が眠っている場所に足を運んで手をあわせ、あの世で安心して暮らしていけるよう願います。
お墓参りには線香やロウソク、お花に加えて、故人が生前に好んでいた菓子や果物を供物として持参するといいでしょう。供物はお参り前に供え、お参り後に持ち帰るのがマナー。とくに食品は鳥や動物に食い荒らされたり、腐ってお墓を汚したりします。〈ずっと供えて故人に食べてもらいたい〉という気持ちは封印し、放置するのは避けてください。食品のカスなども残さないようにして帰りましょう。
また、お参り前にお墓を掃除しておくと、気持ちよく手をあわせられます。必要に応じてほうきやぞうきんなどの掃除道具を持参し、ご先祖さまや故人が眠るお墓をきれいに整えたうえでお参りします。

卒塔婆供養をする

仏教式のお墓を見ると、後ろに細長い木片を立ててあることがあります。これを「卒塔婆(そとば・そとうば)」「塔婆(とば・とうば)」といい、起源はお釈迦さまの骨を納めたインドの仏塔。仏舎利塔を意味するサンスクリット語の「ストゥーパ」が中国に渡って卒塔婆という漢字を当てはめられ、それが日本にも伝来したのだといわれています。卒塔婆の上部は塔のカタチをしていますが、それは五輪塔を模しているから。ちなみに、五重塔や五輪塔も仏舎利(お釈迦さまのご遺骨)を納めるためのストゥーパを起源とした卒塔婆の一種です。
卒塔婆の役割は、故人の冥福を祈る追善供養。立てるタイミングに厳密な決まりはありませんが、供養の節目となる祥月命日に実施する人が多いのだとか。また、お墓のそばに立てられている卒塔婆は、風雨で傷むこともしばしば。傷んだものは新しい卒塔婆にする必要があるので、取り替えも祥月命日に行うとよいようです。
ただし、供養に関しては宗教・宗派によって考え方が異なります。同じ仏教でも浄土真宗は亡くなったらすぐに往生するため追善供養の必要がなく、卒塔婆供養もしません。卒塔婆供養はご家庭の宗教・宗派にあわせて行い、わからない場合は菩提寺などの寺院やお墓のある霊園に相談するといいでしょう。

仏壇にお供えをする

墓参りに行く時間がもてない場合はお位牌を祀ってある仏壇にお参りし、故人の供養をします。お参りは普段と同じ作法でいいのですが、祥月命日は大切な日。日常的に供えている線香やロウソクに加えて、故人が生前に好んでいた菓子などをお供えするといいでしょう。ただし、故人の好物だからといっても肉や魚などの生物、ニオイの強い食品はお供えに適さないので控えたほうが無難です。
また、供物の一種であるお花を豪華にするのもおすすめ。故人が生前に好きだった花や季節を表す花を飾って仏壇を華やかに彩ると、命日らしい特別感が演出できます。花屋には命日に似合うお供え用のフラワーアレンジが種類豊富に販売されているので、それらを購入してお供えしてもいいでしょう。

月命日は、故人を偲ぶ日に。

月命日も、故人が亡くなった節目の日に変わりありません。法要や卒塔婆供養など特別なこと以外は、祥月命日と同じように過ごせばいいでしょう。
とはいっても、年に1回の祥月命日と違い、月命日は年に11回あります。その日が休日ならいいのですが、平日であれば仕事や勉強などでお墓参りに行く余裕をもてないという方が多いのも現実です。
月命日の過ごし方としてのおすすめは、故人を偲ぶ時間をもつこと。いつもより長く仏壇に手をあわせて故人とゆっくり対話してみたり、故人が好きだった料理をつくってお供えしてみたり、親しかった方々で集まって思い出話に花を咲かせてもいいでしょう。〈故人を想う気持ちを携えて過ごす〉、それだけでも月命日にふさわしい供養になります。
祥月命日と同様に月命日は大切な日です。しかし、毎月訪れるこの日を特別なものにしていまうと負担を感じてしまい、供養がつづけにくくなります。月命日を〈暮らしのなかで故人を偲ぶ日〉という位置づけにすれば、プレッシャーをもつことなく故人の供養ができるのではないでしょうか。

月忌法要をすることも

月命日は月忌とも呼ばれ、毎月のこの日に法要を行う地域もあります。これを「月忌法要(がっきほうよう)」といいます。また、はじめての月忌(月命日)は「初月忌(はつがっき)」といわれる特別な日。月忌法要の習慣がない地域でも、「初月忌法要」を行うことがあるようです。
月忌法要や初月忌法要はご自宅で執り行うのが一般的で、僧侶を招いて読経いただきます。参列者も近親者のみの場合が大半のようです。とはいえ、営み方は宗教・宗派や地域によっても異なります。事情がわからず不安を感じる方は、菩提寺や地域の風習に詳しい人に確認しておくと安心です。

月命日はいつから、いつまで供養すればいい?

月命日は毎月あるもので、亡くなった日の翌月から供養をはじめるとされています。月命日が〈31日〉の場合、31日がない小の月(2月・4月・6月・9月・11月)は当てはまる日がありません。そのときは、前倒しにするといいでしょう。うるう年の2月29日に亡くなった場合も同様にします。
ところで、月命日の供養はいつまでつづけるものなのでしょうか? 止めるタイミングについては決まりがなく、いつまでつづけても、三回忌などの節目でやめてもかまいません。ご家族の気持ちを優先し、地域の習慣なども考慮して決めればいいでしょう。

命日にやってはいけないことはあるの?

結論からいうと、祥月命日や月命日にしてはいけないことはありません。基本的にはなにをやってもよく、お墓参りや仏壇へのお供えなど故人の供養につながる行為をするのがおすすめだとされています。
とはいえ、それぞれの供養には守るべき作法が存在します。例えば、祥月命日に行う法要は厳粛な仏事です。身につける服装や持参する香典にはマナーがあり、それに従わないのはタブー。また、仏壇へのお供えにもふさわしいもの・ふさわしくないものがあります。故人の供養のために供えたものが、マナー違反につながるのは残念なこと。こちらのコラムにも記載していますので、参考にしてみてください。
命日は大切な人が亡くなった日です。適したふるまいをして、心穏やかに故人をお偲びください。

更新日:

一覧へ戻る

お急ぎの方 無料相談 24時間365日いつでもお電話ください 0120-510-151

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

いますぐ電話する 24時間365日専門スタッフ対応