お葬式コラム

お葬式後のあいさつ回り。誰に、どのようにすればいい?

お葬式や火葬で故人を見送ると、大きな儀式は一旦終わります。しかし、喪主やご家族は、お葬式後もやるべきことはたくさんあります。そのひとつが「あいさつ回り」。お葬式を手助けしてもらったり、故人が生前にお世話になっていたりする方々へ感謝の気持ちを伝える習慣です。
今回はお葬式後のあいさつ回りをテーマに、あいさつ回りをする方々やあいさつに行くタイミング、服装マナーなど詳しくご説明します。

お葬式後に、あいさつ回りはするべき?

お葬式のあとに「あいさつ回り」をするのは、お葬式でお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えるため。最近は身内のみで営む家族葬が増えており、周囲にお手伝いを頼む人も減っています。しかし、小規模な式であってもお葬式では多くの人からサポートを受けているもの。そのおかげで無事に執り行え、故人を送り出せたことに対して感謝を伝えるのは礼儀です。また、亡くなった人が生前にお世話になった方々にも、故人に代わってお礼をするといいでしょう。
現代のお葬式では、受付で会葬礼状や返礼品を渡して当日にお礼を伝えています。そのため、後日のあいさつは必要ないのでは? と考えるかもしれません。しかし、お葬式でお渡しするのは参列へのお礼。特別にお世話になった方々には改めてごあいさつに行き、感謝の気持ちをきちんと伝えるのがマナーです。

あいさつ回りは誰がするの?

お葬式へのサポートや生前での力添えに対しての感謝は、本来であれば故人が自ら伝えたいと願うもの。しかし、亡くなっていては実現できません。そのため、故人に代わる人が行ってお礼をするのです。
亡くなった人に代わってお葬式後のあいさつ回りをするのは、故人と近しい関係にある喪主やご家族です。多いのは〈喪主+ご家族の代表1人〉の組み合わせ。喪主ひとりより、2人で訪ねるほうが丁寧な印象を与えます。
メインであいさつ回りするのは、基本的に喪主。ですが、事情があって務められない場合もあります。そのときは〈喪主に代わる人〉が行ってもかまいません。訪問時には喪主があいさつに来られない理由を説明して失礼を詫び、先方から理解を得られるようにするといいでしょう。

あいさつ回りでお礼を伝える相手。

あいさつ回りでお礼を伝えるのは、〈お葬式でお世話になった人〉や〈故人が生前にお世話になった人〉です。具体的には以下の人たちが挙げられます。
●僧侶などの宗教者
●世話係や委員長などお葬式でお世話になった人
●お葬式でお世話になったご近所さん
●故人が入っていた病院や施設の関係者
●恩人など故人が生前にお世話になった人
●故人の上司や同僚など会社の関係者……など

あいさつ回りをする相手は、故人の生前の暮らしぶりやお葬式の運営方法によって変わります。お葬式後すぐに喪主やご家族で相談して必要だと思える方々をピックアップし、スケジュールを立てて効率よく行いましょう。
また、お葬式後のあいさつ回りはさまざまな立場の方に行うため、訪問するタイミングやあいさつの方法を相手に合わせる必要があります。次章から相手別に詳しく説明するので参考にしてください。

お葬式でお世話になった人へのあいさつ。

お葬式では多くの方にお手伝いいただきます。とくにお世話になった方々には、後日に改めてあいさつしましょう。
●あいさつ回りをする方(例)
・お葬式の世話役
・葬儀委員長
・受付係
・弔辞をお願いした方……など
これら以外でもお葬式で世話になり、お礼を伝えたい人がいれば足を運んでください。

あいさつに行くタイミング

お葬式の翌日または翌々日にうかがうのが理想ですが、むずかしいならずらしてもかまいません。ただし、遅くとも初七日法要までにあいさつしましょう。初七日法要をお葬式と同じ日に繰り上げた場合は、1週間以内を目安にしてください。
遠方に住んでいるなどの理由で直接訪ねるのが困難であれば、電話や手紙でお礼を述べてかまいません。そのときは感謝の言葉とともに直接うかがえない理由を伝え、失礼をお詫びすることも忘れずに。

手土産

お葬式で重要や役割を果たしていただいた世話役や葬儀委員長には、謝礼を渡すこともあるようです。相場は、世話役が5,000円〜10,000円程度、葬儀委員長は10,000円〜30,000円程度だと考えられています。現金で渡す場合は、「御礼」「志」「御車代」などの表書きをした白無地の封筒に入れましょう。ただし、相手が喪主より目上の人の場合、現金は受け取りにくくなります。相場に見合った品物を用意し、かけ紙の表書きは「御礼」とします。お葬式で謝礼している場合は、改めて渡す必要はありません。
弔辞をお願いした方や受付係など、そのほかにお世話になった方々には2,000〜3,000円程度の品物を持参します。相手が若い方であれば現金でもいいでしょう。こちらも白無地の封筒に入れ、「志」や「御礼」と表書きします。

あいさつの言葉(世話役の場合)例

この度は◯◯(故人の名前や続柄)の葬儀で世話役をお引き受けいただき、ありがとうございました。
つつがなく執り行えましたのも◯◯さま(世話役の名前)のご尽力があってこそだと、親族一同感謝しております。
こちらは、心ばかりのお礼です。お納めください。
これからも何かとお世話になるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

故人が入っていた病院や施設へのあいさつ。

近年、ほとんどの人は病院で亡くなります。また、介護施設で逝去されるケースもあるでしょう。お葬式後のあいさつ回りでは、故人がお世話になっていた病院や施設にも出向いて感謝の気持ちをお伝えください。
故人が入院していた病院や暮らしていた施設には、故人の私物が残っている場合があります。あいさつ回りでは、医師や看護師、介護士などお世話になった方々へお礼を述べるとともに、遺品の整理も行いましょう。残っている荷物を引き上げ、精算の必要があればすませてください。

あいさつに行くタイミング

死後1週間までを目安に、なるべく早くにうかがいます。病院や施設と連絡を取り、指定の日時があれば従ってください。
また、医師や看護師はとかく忙しいもの。直接お目にかかれないこともあるでしょう。そのときは受付係などにお礼を伝えてもらうか、お手紙を託す方法もあります。感謝の言葉をつづった手紙を事前に用意しておくのもおすすめです。

手土産

基本的に不要です。お礼の言葉を述べるだけで、気持ちは伝わります。とはいえ、故人の最期を看取っていただいた方々に何か品物で感謝したいと考えるのも人情です。渡したい場合は、みんなで食べられる個包装の菓子折りを用意しましょう。かけ紙をするなら、表書きは「御礼」とします。
ただし、〈謝礼は一切受け取らない〉としている病院や施設もあります。断られたら、素直に引き下がってください。無理に押しつけたり、置いて帰ったりするのはマナー違反です。

あいさつの言葉(医師や看護師の場合)例

◯◯(故人の名前や続柄)の入院中(入所中)は、大変お世話になりました。みなさまのおかげで、◯◯(故人の名前や続柄)は安らかな眠りにつけました。ありがとうございます。
先日、葬儀・告別式を滞りなく執り行え、無事に旅立たせることができました。改めてお礼を申し上げます。 みなさま、お忙しいと存じますが、どうぞご自愛ください。

故人の会社関係の人へのあいさつ。

故人が在職中だった場合、生前にお世話になっていた上司や同僚へのあいさつが必要です。お葬式でサポートしてくれた方がいたら、そのことへの感謝も伝えます。香典をいただいた人にも、ひと言お礼を述べるといいでしょう。
職場の机やロッカーに私物が残っていたり、事務手続きが必要だったりすることもあります。あいさつ時にまとめて行うと、二度手間になりません。

会社で必要な手続き

会社員だった人が亡くなった場合、会社とご家族で行う手続きがいくつかあります。例えば、社会保険や厚生年金などは本人の死亡によって資格を失うので手続きが必要。こちらは、会社側で手続きを代行してくれる場合が多いようです。退職金や未払いの給与に関してもご確認ください。
会社に所属している人が死亡した場合、故人は退職扱いとなり、亡くなった日が退職日です。社員証や健康保険証、そのほか会社から貸与を受けていたものは返却しましょう。また、会社からは「死亡退職届」など書類の提出も求められます。担当者と連絡を取って必要なものを確認し、不備なく手続きできるよう用意しておきます。

あいさつに行くタイミング

死後1週間までを目安とし、あまり時間をあけずにうかがいましょう。会社の窓口となる方へ連絡を入れ、先方の都合のいい日時に訪ねるのがマナー。いきなり訪ねるのは迷惑になるので控えます。
社内に感謝を伝える人がたくさんいる場合は上司からあいさつし、上司からの了解を得て同僚や部下の人たちに声をかけます。お礼を述べたいからといって、許可なくオフィス内を歩き回るのはタブー。必ず会社のルールに従ってください。

手土産

基本的には持参する必要ありません。香典をもらっている方がいても、すでに返礼品を渡していたり、四十九日の法要後に香典返しを送ったりすればいいのでとくに手土産を準備する必要はないのです。
とはいえ、故人がお世話になった職場におじゃまするのに手ぶらでは心苦しいと考える人もいるでしょう。手土産を持参したいときは職場でわけられる個包装の菓子を用意し、「ほんの気持ちです。みなさんでお召し上がりください」とひとこと添えて渡します。菓子は、クッキーやマドレーヌなど日持ちのする焼き菓子がおすすめです。

あいさつの言葉(故人の上司の場合)例

先日の葬儀では、大変お世話になり誠にありがとうございます。葬儀中はとりこんでおり、ごあいさつもできずに失礼いたしました。
また、〇〇(故人の名前)の生前には、みなさまに支えていただきましたこと、故人に代わり厚くお礼申し上げます。
〇〇の私物が残っているとうかがっております。持ち帰りますので、お手数ですがご案内いただけないでしょうか?
※私物の整理や事務手続きについては、社内の方の案内に従ってください。

あいさつ回りのマナー。適した服装や注意点はこちら!

あいさつ回りは、お葬式でお世話になったことへお礼を伝えるもの。スムーズに伝えられるよう、失礼のないふるまいを心がけましょう。

アポイントを取って訪ねる

あいさつを受ける方にも都合があります。訪問する前に必ず連絡を入れ、お葬式でのお礼を述べたい意向を伝えましょう。そのうえで相手の都合のいい日時を聞き、タイミングに合わせるのがマナーです。突然の訪問は先方に迷惑をかけるので厳禁。都合を知らないと、せっかく足を運んでも不在でお目にかかれない場合もあります。
アポイントの電話は、直前ではなく、少し時間の余裕をもってかけるといいでしょう。
●アポイントを取るときの言葉(例)
先日のお葬式では大変お世話になりました。
お礼のあいさつにうかがいたいのですが、ご都合のいい日時をお教えいただけないでしょうか。

あいさつ回りでの服装

あいさつ回りでは、きちんとした服装を心がけましょう。お葬式翌日のあいさつ回りでは、喪服がよいとされています。とはいえ、最近はそこまで格式張ることはなく、落ち着きのある平服を身につける方が多いようです。
男性なら黒や濃紺、チャコールグレーなどのダークカラーのスーツ、女性も同じくダークカラーのスーツやワンピース、アンサンブルなどがおすすめです。靴や靴下は地味な色と素材のものを組み合わせ、時計やアクセサリーなど装飾品も華美なデザインは避けてください。

長居しない

お世話になったことへのお礼は、長々と述べるものではありません。簡潔な言葉で感謝を表し、短時間でおいとまします。先方から部屋へ案内されても丁寧にお断りし、玄関先で失礼するといいでしょう。
お葬式の直後は足を運ぶ喪主やご家族だけでなく、迎える方にも疲れが残っています。お互いの負担にならないよう、時間をかけずに気持ちを伝えることが大切です。

遠方の人にはお礼状を送る

お世話になった方が遠方に住んでいると、顔を合わせてお礼を伝えるのはむずかしくなります。その場合は、感謝の言葉をつづったお礼状を送りましょう。お礼状を出すタイミングも〈なるべく早く〉を心がけてください。
お礼状の文章でも、簡潔な言葉を使うのがルール。〈季節のあいさつ〉や〈近況報告〉を省き、お葬式でお世話になったことへの〈お礼のみ〉を記します。また、〈重ね重ね〉や〈くれぐれも〉など不幸がつづくことを連想させる重ね言葉や、句読点は使いません。
文章は縦書きにし、ハガキや便せんは白か薄いグレーの無地タイプなど地味なデザインを選びましょう。
●礼状の例文(お世話役の場合)
謹啓
故 ◯◯(故人の名前)の葬儀において
世話役としてお力添えいただき心より感謝申し上げます
おかげさまで葬儀を滞りなく済ませることができました
本来であれば速拝趨しお礼を申し上げるところでございますが
略儀ながら書中をもってごあいさつとさせていただきます
敬白
令和◯年◯月◯日
(差出人の住所)
喪主 ◯◯◯◯(喪主の名前)

更新日:

一覧へ戻る

お急ぎの方 無料相談 24時間365日いつでもお電話ください 0120-510-151

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

いますぐ電話する 24時間365日専門スタッフ対応