お葬式コラム

「供花」や「花祭壇」、お葬式を彩る花についてのアレコレ。

お葬式に花は欠かせません。「供花」や「枕花」などが、文字どおり故人の弔いに華を添えてくれます。また、近年は祭壇を花で演出する「花祭壇」もバリエーションが増え、一般葬だけでなく家族葬でも人気が高まっています。今回はお葬式に彩りを与えてくれる花について、役割やマナーなどをお伝えします。

故人に供える花、「供花」とは?

供花は「きょうか」「くげ」と読み、お葬式で供える花の全般をさします。つまり、“花のお供え物”です。古くから、人々は亡くなった方を弔うために花を飾る習慣がありました。現代でも故人の冥福を祈る気持ち(弔意)を花に託して供えることは、お葬式を美しく装飾するとともに故人の霊を鎮めるという意味が込められています。

一般的に供花は、親族や友人など故人と親交のあった方々が贈るものとされています。また、遠方であったり諸用があったりしてお葬式に参列できない方が香典代わりに贈る場合もあります。

寄せられた供花は故人と親しかった順に式場内に並べられ、お葬式をもり立てます。

供花を贈るときのマナー。

お葬式には宗教・宗派や地域の風習が反映されます。また、執り行うご家族の意向もあります。供花を贈りたいと考えたら、まずお葬式を担当する葬儀社にご家族の意向(受け付けるor辞退する)を確認してから手配します。
供花はひとつを一基と数え、従来は一対(二基)にして贈るものでしたが、近年は一基のみの方も増えています。一基の相場は15,000円〜30,000円程度。一対(二基)で贈る場合は、2倍の価格になることを踏まえておきましょう。

贈るタイミング

お通夜当日の午前中に手配するのがベター。お通夜当日の午前中であれば、通夜、告別式の二日間飾ることができます。 お葬式に間に合わない場合はご自宅の祭壇に飾ってもらえるようアレンジし、四十九日までに贈りましょう。

札名の書き方

供花は贈る方の名前を書いた「札名」を、花一基につき一枚立てます。札名のスタンダードな書き方は以下です。

●法人で贈る場合
会社の「正式名称」を略さずに記載するのが礼儀。例えば、会社の代表者なら「○○株式会社 代表取締役○○○○(名前)」とします。長すぎて書ききれない場合のみ、(株)や(有)などの略称を使用してもOK。また、部署で贈るときは部署名まできっちり入れ、数名で贈るなら「社員一同」など一同を用いましょう。

●個人で贈る場合
おひとりで供花を贈る場合は、「個人名のみ」でかまいません。

●連名で贈る場合
肩書のある方々が贈る場合は、地位の高い順に右から書いていきます。友人や同僚などフラットな関係であれば、順番を気にする必要はありません。「友人一同」としてもいいでしょう。

親族が共同で贈るときは「子供一同」「親戚一同」など、一同でまとめます。兄弟姉妹で連名にするなら、歳の順番で右から書いていきます。
札名は、一枚に対して6名〜8名程度まで記載可能ですが、それぞれの名前が小さくなりますので4名程度までにすることをお勧めします。一対(二基)でだす場合は、わけて書けば名前が小さくなりません。

花の種類

仏式や神式では、白色をベースに黄色や紫の花で構成。菊やユリ、胡蝶蘭などがよく使われます。キリスト教式は白色の花で統一し、カーネーションやユリが用いられているようです。
使ってはいけない花はないのですが、さわると痛みを感じるトゲのある花や香りの強いものはマナー違反になることもあります。バラなどは避けたほうが無難でしょう。
これらの花を飾りやすいようフラワースタンドや籠花などにアレンジし、会場に届けます。また、一部の宗派や地域では供花ではなく「樒(しきみ)」を盛って使ったり、花輪として贈ったりする風習もあるようです。



「枕花」は、故人の枕元に飾る花。

供花と同じく亡くなった方への弔意を表す花には「枕花」もあります。お通夜の前からご自宅などに安置されている故人の枕元に飾る花で、近親者など故人と親しい関係の方が訃報を受け取ってすぐに贈ります。

枕花を贈るときのマナー

枕花は故人に寄り添ってお葬式会場へいっしょに移動するため、運びやすいよう適度なサイズの籠花を選ぶのがポイント。供花のように札名はつけないため、メッセージカードを添える方も多いようです。また、枕花を辞退するご家族もいらっしゃるので、贈る前に意向を確認しておけば安心です。

供花や枕花を「別れ花」にすることも

出棺前に最後のお別れとして参列者がお棺のなかに花を手向ける、「別れ花」「献花の儀」という儀式があります。このとき手にする花は、供花や枕花を使用することが多いようです。



華やかに故人を送る「花祭壇」も人気。

会場の正面に設置する祭壇は、お葬式を象徴する存在。仏式では白木祭壇が一般的で、白木で組まれた風格のある祭壇に供花を飾って彩りを加えます。
その祭壇を花々で埋め尽くして演出しているのが「花祭壇」。そのなかでも、生花を使用するタイプは「生花祭壇」と呼ばれます。

華やかな花祭壇は地位のある方や著名人などの豪華なお葬式でよく見られていましたが、近年は小規模なお葬式でも取り入れられています。とくに自由度の高い家族葬に花祭壇は向いており、故人のイメージを花で表現できる魅力が好まれているようです。

生花祭壇など祭壇については、こちらのコラムをご覧ください。

お葬式の祭壇。らしさは表現できる?


家族葬に供花を贈ってもいいの? お葬式の花についての疑問にお答えします!

ほとんどの方は、普段の生活でお葬式にまつわる花に深くなじんでいません。いざ贈る側や受け取る側に立ったとき、とまどうこともあるでしょう。こちらでは、お葬式の花に関しての疑問や不安にお答えします。

家族葬に供花を贈ってもいいの?

近親者のみで執り行われる家族葬では、供花を辞退している方もいらっしゃいます。まずはご家族の意向を確認し、尊重することが大切。ご家族が辞退しているなら、贈りたい気持ちがあっても控えるのがマナーです。 また、受け入れてもらえても家族葬は会場に設置スペースが少ない場合があります。会場の規模を考え、飾れるサイズのものを選びましょう。

喪主も供花をだすの?

供花は故人を弔うために供える花なので誰でも贈れます。一般的には親族や友人、会社関係など故人と縁の深い方が贈るものですが、喪主でも問題はありません。家族葬など小規模なお葬式では供花を辞退される方も多いため、喪主が供花をだして祭壇を華やかにするケースもあるようです。
また、関東地方には喪主が生花を出す習慣も根づいています。さらに、関西地方では喪主が出す生花は札名を「親族一同」とし、祭壇の両側に通常の強化よりも大きな花を飾るのが一般的です。

花を贈られたらお返しは必要?

供花への返礼に、決まったしきたりはありません。「供花はお供え物なのでお返しをする必要はない」という方もいますが、それもひとつの考え方。とはいえ、何もしないのは失礼にあたります。お葬式に参列できない方から供花のみを贈られた場合は、お礼状や電話で感謝の気持ちを伝えましょう。もちろん返礼品をつけてもOK。豪華な供花を贈られた方には金額に見合ったお返しをするのが礼儀です。

お葬式に参列して香典とともに供花をいただいた方には、香典返しに供花へのお礼状を添えると丁寧になります。また、お葬式後にお悔やみ花を贈られた場合もお礼状か電話でお礼とお花が届いたことをお伝えしましょう。

お葬式で使った花を持ち帰りたいんだけど…

お葬式にはたくさんの生花が供えられています。それらを持ち帰れるかは、地域の風習や考え方によって違いがあるようです。
「故人のお供えは参列者のものではない」「お葬式で使用した花は縁起が悪い」といった考えから持ち帰りをよしとしない地域もあれば、逆に「お葬式で使った花は縁起もの」「仏様にお供えしたから功徳がある」として推奨するところもあります。 どちらが正解というわけではないので、それぞれの考え方を理解しつつご自身で判断しましょう。迷ったら、地域の習わしに合わせて行動すれば安心です。
一般的には、花を持ち帰ってもマナー違反ではありません。葬儀社のスタッフに声をかけて希望を伝えるとスムーズに持ち帰れます。持ち帰り用の袋を準備してくれる葬儀社もあるようです。



お葬式の花は宗教・宗派、地域でも考えが異なります。 まずは詳しい人に相談を!

お葬式の花は故人の旅立ちに華を添えるだけでなく、ご家族や参列者の気持ちも労ります。ぜひ、美しい花々でお葬式に彩りを与えてください。

ただし、供花など花への考え方は宗教・宗派、地域によっても違いがみられます。よかれと思ってしたことがマナー違反になることもあるので、それぞれのしきたりを理解しておくことが大切。ご親族や菩提寺、地元の葬儀社への相談をおすすめします。

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