お葬式コラム

お葬式のアクセサリーや時計。つけていってもOK?

通夜式や葬儀式へ参列する人は、ふさわしい装いをする必要があります。服や靴、バッグなど身につけるものにはマナーが存在し、アクセサリーや時計にも守るべきルールがあります。
今回のコラムでは、通夜式や葬儀・告別式に参列するときのアクセサリー・時計などの装飾品を特集。女性だけでなく、男性やお子さまにもマナーがあるので、いざというときのために知っておきましょう。

そもそも通夜式や葬儀式にアクセサリーをつけてもいいの?

日本では、お葬式の装いに〈結婚指輪以外のアクセサリーは不要〉だとするのが基本的な考え方です。その理由は、日本古来の弔事の衣装にあるといわれています。昔は、お葬式に参列する人は黒喪服などの和装を身につけるのが一般的でした。和装にはネックレスなどのアクセサリーを加える文化がないため、通夜式や葬儀・告別式の装いに必要なかったのです。
また、アクセサリーは身につける人を飾る装飾品という意味をもっています。亡くなった人の冥福を祈るための宗教儀式であるお葬式では、故人が主役です。参列者自身を飾り立てるアクセサリーはふさわしくないとされ、身につけるべきではないという考えもあります。
とはいえ、近年はお葬式の装いは洋装がほとんど。西洋には「モーニング・ジュエリー(mourning jewelry)」と呼ばれる喪に服している期間に着用するアクセサリーがあり、さらにはフォーマルの場で男性はネクタイ、女性はネックレスを身につける文化があります。そのため、〈洋装の場合はネックレスをする〉のがマナーだとされる向きもあります。
実は、お葬式をはじめとした弔事のアクセサリーについては絶対にコレが正しいといった正解がありません。地域の風習や参列する人の年代によっても考え方が異なります。
正解がないので迷いがちですが、大きく以下を覚えておくといいでしょう。
日本において、お葬式のアクセサリーは……
●基本的に身につけなくていい
●男女ともに結婚指輪は着用してOK
●結婚指輪以外を身につけたい場合、マナーを守っていれば問題ない
とはいえ、お葬式への考え方は時代とともに変化しています。近年は身内だけが参列する小規模な家族葬や無宗教のお葬式が増えているため、服装でもルールが緩和される傾向にあるのも事実です。判断に迷うときは周囲に相談し、不安が解消されないなら〈つけない〉というのもひとつの選択です。

身に着けるなら真珠(パール)。お葬式にふさわしいアクセサリーは?

お葬式のアクセサリーといえば、「真珠(パール)」が定番。真珠のアクセサリーは冠婚葬祭で活躍するため、成人や結婚のお祝いとしてプレゼントされることもあるようです。
では、真珠はいつからつけられるようになったのでしょうか。実は、長い歴史があるわけではなく、1965年にイギリスで行われたウィンストン・チャーチル元首相の国葬がきっかけ。参列したエリザベス女王が真珠のジュエリーを身につけていたため、〈喪服に真珠〉のイメージがつけられたといわれています。
また、真珠は〈人魚が恋人を想って流した涙が、波にはじけて宝石となった〉という伝説をもち、「月の涙」とも呼ばれる涙を象徴する宝石。お葬式などの弔事に似合うとされ、やさしい色合いで華美になりすぎないこともお葬式にふさわしいと考えられているようです。
ただし、すべての真珠のアクセサリーはお葬式の場にふさわしいわけではありません。マナーを守れる真珠のアクセサリーは、どのようなものでしょうか。

基本セットはネックレスとピアス・イヤリング

お葬式では落ち着きのある装いが基本です。真珠のアクセサリーだからといって、たくさんつけてしまうと華やかな印象を与えてしまいます。
通夜式や葬儀・告別式に参列するときの真珠のアクセサリーは、ネックレスとピアス・イヤリングが基本セット。フォーマル用のネックレスとピアス・イヤリングはセット販売されていることが多いので、そのまま身につければ適したコーディネイトが完成します。ピアス・イヤリングを省き、ネックレスのみで着用しても問題ありません。
真珠の指輪は、地金がプラチナやホワイトゴールドのシンプルなタイプなら装着OKとする向きもあります。しかし、お葬式でのリングは〈結婚指輪のみOK〉が本来のマナー。特別な理由がある以外は身につけないほうが無難でしょう。ブローチやブレスレッドも同様に外します。

ネックレスは真珠が連なった短いタイプ、ピアスはひと粒を

洋装の喪服にコーディネイトする真珠のネックレスは、短いタイプにするのがルール。一般的に「プリンセス」と呼ばれる40cm〜45cmの長さを目安に、装着したときに鎖骨あたりでおさまるサイズを選びましょう。
ネックレスのタイプは、真珠の粒をぐるりとつなげたデザインが基本です。ひと粒タイプのネックレスはチェーンの部分が多くなり、光りもののように見えてしまうのでNGです。
反対にピアスやイヤリングの場合はひと粒タイプが最適。ひと粒でもゆれるデザインは華美に見えるので、耳たぶに固定されるタイプを着用します。
また、ネックレスでもピアスでも注意してほしいのが、留め具の色とデザイン。留め具のデザインが派手なものや、ゴールドカラーはお葬式に不向きです。シルバーカラーでデザインがシンプルな留め具をおすすめします。

真珠は落ち着いた色で7〜8mmのものを

真珠本体の色やカタチもお葬式にふさわしいタイプがあり、粒の色は「白」「グレー」「黒」の落ち着いた色味が適しています。少し黄色がかった「クリーム色」でもいいでしょう。着ける人の年代によっても似合う色味が異なり、〈30代は白やグレー〉〈40代からはブラックパール〉がいいとされています。あくまで似合うイメージなので、新しく購入するときの参考としてお考えください。
真珠の粒の大きさは7mm〜8mm程度がおすすめ。市場に出回っている真珠のネックレスはこのサイズが多いので、一般的な粒の大きさだと覚えておけばいいでしょう。真珠のカタチはきれいな円形のものを選び、表面に凹凸がなく、つるりとした見た目であることも大切です。

本真珠以外の人工パールでもOK

真珠(パール)と呼ばれる宝石には、さまざまな種類があります。あこや貝から採れるあこや真珠やブラックカラーが美しい南洋黒蝶真珠など高級真珠がフォーマルアクセサリーの定番ですが、お手頃価格の淡水真珠でも粒のサイズやカラーが適していればかまいません。
さらにいうと、人工パールを使っているアクセサリーでもOK。近年は製造技術が進化しており、人工パールでも本真珠に負けない品質をもっています。見た目でも大きな違いはなく、パッと見ではわからない場合もあります。
お葬式のアクセサリーは色やカタチが重要で、素材はあまり関係ありません。天然でも人工でも真珠のアクセサリーであれば問題ないのです。ただし、綿を球体に圧縮してつくったコットンパールはカジュアルな印象を与えます。コットンパールを素材としたアクセサリーの使用は控えておきましょう。

真珠のアクセサリーのマナー。お葬式にNGのタイプは?

真珠(パール)のアクセサリーにもマナーに反するものがあり、安易につけていくと失敗する恐れがあるので注意が必要です。

ネックレスは一連のみ、二連はNG

通夜式や葬儀・告別式などで身につけるネックレスは、〈一連〉であることがルール。真珠でも同様に一連のネックレスのみ着用可能です。
弔事では、〈重なること〉はタブーとされています。二連や三連のネックレスは〈不幸が重なる〉〈悲しみが繰り返される〉ことが連想されるため、たとえ真珠であってもお悔やみの場で身につけるのはNG。マナー違反になります。

ロングネックレスやひと粒ネックレスもダメ

真珠のネックレス選びでは、長さにも注意してください。たとえ一連であっても、長さのあるものはゴージャスな印象を与えます。さらに、〈悲しみが長引く〉ことも想起させ、弔事に不向き。お葬式では、「プリンセス」と呼ばれる40cm〜45cmの長さの真珠のネックレスがおすすめです。
ロングネックレスと同様にNGなのが〈ひと粒〉と〈ステーション〉デザイン。どちらもチェーン部分が多いため、地金が光って見えます。お葬式の場にはふさわしくないアクセサリーであることを覚えておきましょう。

バロックパールなど個性的な粒は不向き

真珠にはさまざまな種類あり、シンプルな丸形以外のタイプもあります。例えば、近年人気のバロックパールは個性的なカタチをしているため、どうしてもカジュアルに見えてしまいます。また、真円ではないため〈角が立つ〉と受け取られてしまう恐れもあります。同様にケシパールや小粒の淡水パールなどもカジュアル過ぎ、弔事には不適切です。
お葬式で身につける真珠の粒は、シンプルな丸形で7mm〜8mmの一般的なサイズを選びましょう。

色やデザインが華美なタイプもマナー違反

近年はカラフルな真珠も多く登場しています。ピンクやオレンジの色味をしたパールはおしゃれでかわいいのですが、カジュアルな印象を与えがち。ゴールド系の輝きは弔事の席にはゴージャス過ぎます。ホワイト系、グレー系、ブラック系の粒色を基本にして選びましょう。
また、粒の大きさを不揃いにしたタイプや、粒と粒の間に宝石や地金を挟んだデザインも華美なイメージです。お葬式には、同じサイズの真珠がきれいに並んだシンプルなデザインのネックレスが適しています。
このように、お葬式で着用しても問題ないとされる真珠のアクセサリーでもマナー違反につながるものがたくさんあります。購入するときに不安や迷いがある場合は、ショップスタッフに相談するといいでしょう。プロからのアドバイスがもらえ、安心して購入できます。

ネックレスやピアスなど、女性のお葬式のアクセサリーマナー。

女性は普段からアクセサリーをよく身につけています。手持ちのアクセサリーが通夜式や葬儀・告別式でつけられるのか? 詳しくご説明しましょう。

ネックレス

洋装の喪服でお葬式に参列する場合は、ネックレスを身につけてもかまわないとされています。真珠のネックレスが一般的で、一連で40cm程度の短いタイプを選びましょう。
真珠以外では、イギリス王室でモーニング・ジュエリー(葬儀で着用するジュエリー)として愛用されている「ジェット」、黒色の宝石である「ブラックオニキス」や「黒曜石」を使ったネックレスであればOKとする考えもあります。これらの宝石を使用したアクセサリーの場合も、一連で短いタイプであるのがルールです。
弔事のアクセサリーの考え方は、地域や参列する人の年齢によっても異なります。不安であればネックレスをバッグに入れて持参し、周囲の状況を見て現地で装着してもいいでしょう。

指輪

結婚指輪は、通夜式でも葬儀・告別式でも身につけて問題ありません。そのほか、ひと粒パールやオニキスの指輪であればかまわないとする向きもあるようですが、弔事の指輪は〈結婚指輪のみOK〉が基本ルール。控えたほうが無難かもしれません。 また、結婚指輪でも華美なデザインであれば外して参列するのがマナー。ダイヤを埋め込んだエタニティリングや、ゴールドカラーの結婚指輪は目立ってしまう恐れがあります。装着しない選択をおすすめします。

ピアス・イヤリング

お葬式でのピアス・イヤリングは、真珠が定番。ジェットやブラックオニキスのひと粒タイプも問題ないとされています。 気をつけたいのが、ネックレスとピアス・イヤリングの素材。あわせるのがルールなので、真珠のネックレスを装着した場合はピアス・イヤリングも真珠でそろえます。ネックレスは真珠、ピアスはブラックオニキスというコーディネイトはNGです。 デザインは、シンプルで落ち着いたものが基本。ひと粒タイプで、地金はシルバーかプラチナを選びます。ひと粒でも、ゆれるデザインは華美になるので避けてください。
そもそも、お葬式などの弔事は着飾る場でありません。〈ピアス・イヤリングをつけない〉という選択があることも覚えておいてください。

時計

お葬式に時計を身につけていいのか? に関しては多様な意見があります。洋装であればOKとするのが一般的ですが、〈時間を気にしている〉印象を与えるため身につけないほうがいいとする考えもあります。
時計をつけて行く場合は、マナーを厳守。できるだけシンプルなデザインの時計を選びましょう。黒革やシルバーなどツヤのないベルトで、文字盤はデジタルよりアラビア数字のほうがフォーマルに見えます。人気のスマートウォッチはカジュアルに見えるうえ、通知が入ったときに光るので悪目立ちします。ブレスレットタイプもNG。女性の時計は宝石が飾られていたりして華美なデザインになりがちです。〈迷ったらつけない〉という判断をするのが賢明です。

ヘアアクセサリー

シュシュやリボン、バレッタなどヘアアクセサリーを使うときは、黒色で光沢の少ない素材のものを選びます。ヘアピンやシニヨンをまとめるネットも黒色を使いましょう。飾りがついていないデザインであることも大切です。
小さくてもビジューなどの光りものがついていたり、黒色であっても華美なデザインだったりすると人目を引きます。〈シックで目立たない〉を基準にお選びください。

和装の場合

喪服を和装にする場合は、すべてのアクセサリーが不要です。かんざしなどのヘアアクセサリーもふさわしくありません。長い髪の人は、ピンやネットなど目立たないアイテムを使ってまとめるといいでしょう。
とはいえ、時代とともに弔事の装いへの考え方も柔軟になってきています。和装でも〈結婚指輪ならOK〉〈目立たないヘアアクセサリーならつけてもいい〉などの意見もあります。お葬式の規模や参列者の雰囲気、ご家族の意向などを考慮して判断してもかまいません。

その時計は大丈夫!? 男性のお葬式のアクセサリーマナー。

現代はアクセサリーを楽しむ男性も増えています。お葬式においての男性のアクセサリーや時計のマナーもご説明しましょう。

指輪

男性でも指輪は〈結婚指輪のみOK〉がルール。シンプルなデザインであってもファッションリングはNGです。
結婚指輪でもゴールドの地金で光るものは目立つので外したほうが無難。プラチナやホワイトゴールドでも、4mm以上の幅があるタイプはカジュアルに見えてしまうので控えるといいでしょう。

ピアスやネックレス

男性でもピアスやネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーを日常的に楽しんでいる人はたくさんいます。しかし、通夜式や葬儀・告別式で男性がそれらアクセサリーを身につけるのはタブー。小さくて目立たなければいいという問題ではありません。
また、女性でOKとされている真珠であっても男性がお葬式でアクセサリーを装着するのはマナー違反だと考えられています。

時計

洋装でお葬式に参列する場合は〈時計をつけてもかまわない〉とするのが一般的です。ただし、デザインにはマナーがあります。ベルトは黒の革かシルバーの金属製をチョイス。シルバーとのコンビであっても、ゴールドが入ったベルトはゴージャスなイメージになるのでお悔やみの場に似合いません。
文字盤は白か黒がベースになっていて、アラビア数字で時間を表示するタイプを選びましょう。デジタルウォッチやスマートウォッチはカジュアルになり過ぎるので避けてください。クロノグラフも存在感のある時計なので装着しないほうがいいでしょう。
お葬式の装いマナーとしての時計はいろいろな考え方があり、着用しないほうがいいとする意見もあります。お葬式は時間を気にするものではないので、時計を身につけないで参列するのもひとつの選択です。

カフスボタンやネクタイピン

スーツを着用するときに、カフスボタンやネクタイピンを愛用している男性もいらっしゃるでしょう。日常のシーンではおしゃれに見えるそれらアイテムは装身具に数えられます。弔事では男性のアクセサリーは不要とするのが基本ルールなので、カフスやネクタイピンで自身を飾るのは控えましょう。
ただし、カフスボタンに関しては、ブラックオニキスなどを使った〈黒色のものならつけても問題ない〉という向きもあります。お葬式など弔事の服装マナーは、地域の風習や個人の考えによっても変化するので、身につけたい場合は詳しい人に確認しておくと安心です。

ベルト

洋装の喪服を着る場合、ベルトは必須アイテムです。ジャケットで見えないからといって使用しなかったり、派手でカジュアルなベルトを着用したりするのはマナー違反になるので注意しましょう。
男性が弔事で身につけるベルトは、〈黒色で無地のもの〉が基本。素材は本皮でも合皮でもかまいません。ツヤのでる加工や型押しが施されているデザインは避けてください。ベルトの太さは細くても太すぎてもダメで、2.5cm〜3.5cm程度のスタンダードな幅がベストです。
重要なのが、バックルのデザイン。黒またはシルバーカラーの光沢のないツヤ消し加工しているタイプで、装飾のないシンプルなデザインを選びましょう。シンプルなカタチであってもゴールドの金具はNGです。

お子さまも注意して! 子どものお葬式のアクセサリーマナー。

小さなお子さまはアクセサリーを身につけませんが、中学生・高校生になるとどうでしょう。喪服を着るなら真珠のネックレスをつけたほうがいいのでは? と悩んでしまう場合もあるのではないでしょうか。
大人びた見た目であっても、中学生・高校生はまだまだ子どもです。大人の女性と同じように真珠のアクセサリーを身につける必要はありません。10代はもちろんのこと、20代であってもノンアクセサリーがふさわしいとする意見もあるので身につけずに参列しましょう。

ヘアアクセサリー

長い髪のお子さまであれば、すっきりとまとめるのがマナーです。ヘアアクセサリーを使用する場合は、子どもであっても黒色のアイテムを選ぶのが基本。ヘアゴムやヘアピン、シュシュも黒色を使用します。リボンで結びたいときは、黒色で光沢のない生地のリボンを使うといいでしょう。カラフルな色や柄の入ったアイテムやキャラクターグッズは使用しないでください。

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