お葬式コラム

弔電の送り方。文例やマナーは?

お葬式に参列できない人が弔意を伝えるために送る「弔電」。メールやSNSが普及している現代でも〈お悔やみの気持ちは弔電で送りたい〉と考えられ、多くの人が利用しています。
とはいえ、ほとんどの人は弔電に不慣れ。さらに弔電は訃報を知ってから短時間で送る必要があり、じっくり調べる余裕もありません。いざ送るときにあわてないよう、送り方や言葉のマナー、そのまま使える文例など、弔電について役立つ情報をお届けします。

弔電とは。誰が送るものなの?

「弔電(ちょうでん)」は、弔意を伝える電報のこと。多くが、通夜式や葬儀・告別式に参列できない人から、喪主やご家族へ送られます。参列の代わりにお悔やみの気持ちを届けるものなので、お葬式に参列できる方は弔電を送る必要がありません。
基本的に弔電は誰が送ってもかまいません。故人と生前に縁のあった友人・知人、会社の関係者、喪主やご家族と交流がある方など、どなたでもOK。個人だけでなく、会社など組織から送ることも多いようです。また、近年に増えている家族葬など近親者だけで執り行う小規模なお葬式に弔電を送ってもいいのか? 迷われる方もいるようですが、家族葬に弔電を届けても問題ありません。さらにいうと、香典や供物・供花を辞退されている場合でも弔電であれば送ってかまわないとされています。
ところで、弔電はいつから親しまれているのでしょうか。その登場は1936年(昭和11年)。当時は電話が普及しておらず、緊急の連絡手段として電報が使われていました。その電報を、人生の節目となる慶弔に喜びや悲しみの気持ちを伝えるものとして活用するようになったのがはじまりです。誕生から90年近くの時が流れ、電話やメール、SNSなど連絡ツールが充実している現代でも弔電は親しまれ、多くの人に利用されています。人の死を悼むという行為は、厳かなものです。その気持ちを伝える方法には、機器でやりとりするメールやSNSより、カタチに残る電報が好まれているのではないでしょうか。

いつ誰に送るもの? 弔電のタイミングや宛先など。

多くの方は弔電に慣れていません。いざ弔電を送るとなったときには、〈いつまでに届けばいいのか〉〈宛名はどうすればいいのか〉など悩むこともあるでしょう。スムーズに弔電が送れるよう、ポイントをお教えします。

通夜式? 葬儀・告別式? 弔電を送るタイミング

弔電は、できるだけ早くに届けるものです。訃報を知ったら、すぐに送る準備をしましょう。通夜式までに届くようにするのが基本ですが、訃報を知るタイミングによっては間に合わない場合もあります。そのときは、葬儀・告別式の前に着くように手配します。弔電は告別式で披露される場合が多いので、遅くとも葬儀・告別式がはじまる一時間前までには会場に到着しておく必要があります。
葬儀・告別式の開始までに到着しない場合は弔電を送るのを取り止め、お葬式後に手紙やメールなどでお悔やみの言葉を伝えるといいでしょう。

弔電の宛名はどうする?

弔電の宛名は、喪主のフルネームを記します。差出人が喪主と面識がなくても、送り先は喪主にするのが礼儀です。どうしても親しいご家族に送りたい場合は、「○○○○(喪主の名前)様方 ○○○○(送りたいご家族の名前)様」と書く方法もあります。また、社葬などお葬式の主催が企業や団体のときは、葬儀委員長など葬儀の責任者に宛てましょう。
とはいえ、喪主の名前がわからない場合もあります。そのときは、「○○○○(故人の名前)様 ご遺族様」や「亡 ○○○○(故人の名前)様 ご親族様」と書くことが多いうようです。

差出人名は?

送る側としては、差出人をフルネームで記載し、住所や連絡先も添えるのが一般的です。また、喪主や家族は故人の生前の人間関係をすべて把握しているわけではないので、故人と差出人の関係をわかるようにしておくのもマナーのひとつ。故人が学友であるなら、「○○高校 同窓生 ○○○○(差出人の名前)」や「○○○○(差出人の名前) ○○大学 ○○年卒業 学友」などと記すといいでしょう。
●連名でだすとき
弔電を連名でだすときは、年齢や役職などを基準にして目上の人の名前から記載します。3名までなら連名とし、4人以上は長くなるので「○○一同」とまとめます。「○○株式会社 ○○支店 一同」や「○○大学 同窓生一同」などと記載。連名の場合はすべての人の住所や連絡先を書けないので、代表者を決めてその人の住所・連絡先を記入します。会社で送るのであれば、会社の住所を書きましょう。
●夫婦で送るとき
夫婦など同一世帯で弔電を送るときは〈世帯主だけの氏名〉を記載するのが通常。ただし、故人や喪主と親しかったのが世帯主ではなく配偶者であった場合などは、配偶者の名前を記してもかまわないとされています。そのときも世帯主の氏名から書くのがルール。とはいえ、喪主やご家族が世帯主の名前を知らないと、とまどってしまうかもしれません。受け取る人の混乱を招きそうなときは夫婦で送らず、妻のみでの手配をおすすめします。

弔電はどこに送ればいい?

弔電の送り先は、通夜式や葬儀・告別式を執り行う会場です。一般的に弔電は告別式で披露されるので、会場に直接届けるのがマナー。訃報を受け取ったときに、お葬式を執り行う会場の名称や住所をしっかり確認しておきましょう。
基本的にご自宅が葬儀会場になるケースでない限り、故人や喪主のご自宅へ弔電を送るのは控えます。とはいえ例外もあり、葬儀会場がわからなかったり、直葬(火葬式)などでお葬式を執り行われなかったりするときは、ご自宅に弔電を送っても問題ないとされる向きがあります。その場合は、あらかじめご家族に弔電を送る旨を伝えておくと親切です。

弔電の送り方。

弔電になじみのない方が「弔電を送りたい!」となったとき、どこに連絡して、どんな段取りを踏めばいいのかと悩んでしまいます。いざというときに落ち着いて行動できるよう、大まかな流れを知っておきましょう。

申し込み方法は、大きくわけて3つ

弔電を取り扱う会社やサービスは増えています。近年は電話以外の方法でも送れるので、ご自身に適したやり方を選んで申し込むといいでしょう。
●電話
NTTなどの通信会社へ電話をすることで弔電を送れます。家の電話もしくは携帯電話から「115」番へかければ各社の電報窓口につながり、オペレーターが対応。オペレーターと相談しながら弔電を作成できるので、弔電に不安がある方でも安心して送れます。
対応の早さも魅力で、NTTであれば19時までに申し込めば当日配達可能だそう。また、各社はインターネットでも弔電を受け付けています。専用サイトから申し込めば、24時間受付可能なようです。
●郵便局
郵便局には「レタックス」というサービスがあり、電報と同じ役割を果たしています。レタックスから弔電も送れ、15時30分までの申し込みであれば、当日配達も可能なようです。受付窓口も豊富で、郵便局窓口、インターネット、FAX、郵便局への電話から対応可能。さまざまな手段から弔電が送れて便利です。
●インターネット
通信会社や郵便局のほかにも、インターネットには弔電を送れるサービスがたくさんあります。検索エンジンで調べて、お好みのサービスを見つけてもいいでしょう。インターネットサービスの弔電は比較的に価格が低く、スマートフォンなどで申し込める手軽さも魅力といえます。

弔電を送る手順

弔電を送る方法は各社で異なりますが、必要な手順は大きくは変わりません。一般的な流れをご紹介しましょう。
(1)お葬式の日時、会場、喪主の名前を確認
届け先がわかっていないと、弔電は届けられません。喪主もしくは親交のあるご家族などから、お葬式の〈日時〉や〈会場〉、〈喪主の名前〉を確認し、正しい情報を得ておきましょう。
(2)メッセージを考える
事前に伝えたい言葉を考えておくと、スムーズに弔電を作成できます。次章で紹介する弔電の文例や言葉のマナーなどを参考にしつつ、ご自身の気持ちを伝える言葉をつづってメッセージを作成してください。また、各社の弔電サービスにはいつくかの定型文が用意してあるので、そのなかから選ぶこともできます。
(3)弔電サービスから申し込む
数多くある弔電を提供するサービスから好みのところを選び、電話やインターネットなどから申し込みます。オペレーターの案内やインターネットの手順に従って、弔電の作成を進めていきましょう。
(4)台紙を選ぶ
弔電は言葉だけを印刷して送るわけではありません。弔事に似合う台紙にのせてメッセージを届けるものです。各社は美しいデザインを施したり、高級素材を使用したりしている台紙を種類豊富にそろえています。台紙によって弔電の価格は大きく変動するので、故人との関係性や予算、好みにあわせてチョイスしましょう。
(5)届け先を伝える
弔電の届け先や日時を伝えます。電話であればオペレーターに、インターネットであれば指定されたフォームに入力すればいいでしょう。この情報が間違っていると弔電は正しく到着しないので間違えのないよう伝え、最後に確認することも忘れずに。
(6)メッセージを伝える
故人や喪主、ご家族に伝えるメッセージを伝えます。事前に文章を考えておくとスムーズに作成できます。まだ決まっていなかったり、迷ったりしている場合は、オペレーターに相談してみるといいでしょう。インターネットの場合でも定型文が用意されているので、そこから選べば問題ありません。
(7)差出人や支払い方法などを決める
誰から送られた弔電かがわかるよう、差出人の情報を伝えます。ここで弔電作成に必要な情報がそろうので、すべての内容を確認。間違いがなければ決定します。最後に支払い方法などを決め、弔電の作成は完了です。 ※順番が前後するなど、各社で申し込み方法が異なる場合があります。
(8)指定された会場・日時に弔電が届く
申込時に指定した日時や会場に配達員が弔電を届けます。受付からお届けまでに必要とする時間は会社やサービスによって異なるので、申し込み時に確認しておきましょう。 弔電はスピーディーに配達してもらえますが、訃報を知ってから通夜式までの時間が少ない場合もあります。迅速な手配をおすすめします。

弔電の価格はいくら?

会社やサービスによって扱いは異なりますが、基本的に弔電は電報。そのため、送るメッセージの文字数によって価格が変わるようです。さらに、メッセージを納める台紙のグレードやオプションによっても大きく変動。スタンダードな台紙であれば1,000円〜3,000円程度、漆塗りなどを施した高級台紙やプリザーブドフラワーなど商品とセットにするタイプは10,000円以上します。
選ぶときは、送る人や故人の好み、送る人の地位、故人との関係性などを考慮するといいでしょう。一般的な相場は3,000円〜5,000円。親族なら3,000円〜10,000円、友人・知人であれば1,000円〜3,000円程度だといわれています。 会社など組織として送る場合は、3,000円〜7,000円が相場とされています。とはいえ企業から送る弔電のグレードは、故人の生前の役職や関係性によっても大きく変わってきます。上司や同僚と相談して適したものを選択するといいでしょう。

弔事の文例。どんな文章を送ればいい?

弔電で送る文章は、故人や喪主、ご家族と送る人の関係を考慮しつつお悔やみを伝える内容にすることが大切。これらを踏まえた文例をいくつか紹介しますので、参考にしてください。

一般的な文例

○○○○(故人の名前)のご逝去を悼み、
謹んでお悔やみ申しあげますとともに、
心からご冥福をお祈りいたします。
――――――――――――――――
○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
心より哀悼の意を表します。
ご家族のみなさまの悲しみをお察し申しあげますとともに、
故人が安らかにご永眠されますようお祈りいたします。
――――――――――――――――
ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
お伺いすることがかなわず、誠に残念でなりません。
故人の在りし日のお姿を偲び、
遠方より手を合わせてお見送りさせていただきます。
――――――――――――――――
突然の訃報に接し、大変驚いております。
ご家族のお悲しみはいかばかりかと存じますが、
どうかご自愛ください。
謹んでお悔やみを申し上げますとともに、
ご冥福をお祈りいたします。
――――――――――――――――

故人が喪主の父親の場合

ご尊父様のご逝去の報に接し、
謹んでお悔やみ申しあげますとともに、
心からご冥福をお祈りいたします。
――――――――――――――――
お父様ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。
ご生前をお偲びし、悲しみにたえません。
ご家族のみなさまはお力落としのことと存じますが、
どうぞご自愛ください。
――――――――――――――――

故人が喪主の母親の場合

ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。
ご家族のお気持ちを思うと胸が痛み、
お慰めの言葉もございません。 
                今はただ、心からご冥福をお祈りいたします。
――――――――――――――――
お母様のご逝去に、深く哀悼の意を表します。
ご生前のお優しかった笑顔が思い出され、
まだ信じられない気持ちです。
どうぞ安らかな旅立ちでありますよう、
心からお祈りいたします。
――――――――――――――――

会社から弔電を送る場合

貴社 ○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
弊社社員一同、大変驚いております。
心からお悔やみ申し上げますとともに、
ご冥福をお祈り申し上げます。
――――――――――――――――
○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
心よりお悔やみ申し上げます。
ご生前の数々のご功績を偲ぶとともに、
安らかな旅立ちをお祈りいたします。
――――――――――――――――

神式のお葬式へ弔電を送る場合

○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
謹んで哀悼の意を表します。
平安な眠りにつかれますよう、心よりお祈りいたします。
――――――――――――――――
○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
心よりお悔やみ申し上げます。
ご生前にいただきましたご厚情に深く感謝するとともに、
御霊の安らかなることをお祈りいたします。
――――――――――――――――

キリスト教式のお葬式へ弔電を送る場合

○○○○(故人の名前)様のご訃報に接し、
悲しみにたえません。
謹んで哀悼の意を表します。
――――――――――――――――
○○○○(故人の名前)様と出会えたことを神に感謝し、
神の御許に召されました○○○○(故人の名前)様の、
安らかな眠りをお祈り申し上げます。
――――――――――――――――

使ってはいけない言葉など、弔電で気をつけたいマナーと注意点。

弔電は、喪主やご家族に弔意を伝えるもの。お葬式という厳かなシーンでも読まれるので、言葉遣いには十分に気をつけたいものです。マナー違反にならないようシーンに適した言葉を選び、正しく弔意を伝えられる内容にしましょう。

簡潔な文章にする

弔電はお葬式に参列できないときにお悔やみの言葉を伝える電報で、気持ちを伝える手紙ではありません。また、弔電を受け取るご家族は故人を亡くされた悲しみのなかでお葬式の準備に追われています。負担にならないよう、簡潔な文章で弔意をつづりましょう。
具体的には2・3行で収まる20字〜80文字程度が多いようです。また、弔事は告別式で披露されます。1分間に読み上げられる文字数は約300文字だといわれているので、差出人の肩書や名前、メッセージを含めて最大でも300字までにまとめてください。基本的には、30秒で読める150字までを目安にするといいでしょう。

弔電辞退の場合は控える

弔電は香典や供物と意味合いが異なるため、〈香典や供物・供花を辞退〉されているお葬式でも送ってかまわないとされています。しかし、香典や供物とともに〈弔電辞退〉の意向があるケースもあります。一般的に、弔電を受け取ったらお礼状を送るとされています。大切な人の逝去やお葬式の運営で心身に疲れを感じているご家族にとって、お礼状の用意は大きな負担。〈弔電辞退〉を伝えられたら、その意志を尊重してください。
弔電で送りたかったメッセージは電話や手紙、メールなどを使って、お葬式後にご家族へ伝えてみてはいかがでしょうか。

故人は敬称で表す

弔電は礼儀が必要なシーン。親しい人であっても丁寧な言葉遣いを心がけ、基本的には「敬語」や「丁寧語」を使用します。また、故人に対しても敬意を示し、「敬称」で表現するのがマナーです。
【故人の敬称-例】
●父親→お父様、御父様、お父上(様)、ご尊父様
●母親→お母様、御母様、お母上(様)、ご母堂様
●義理の父親→ご義父様、御義父様、ご岳父様
●義理の母親→ご義母様、御義母様、ご岳母様
●祖父→ご祖父様、御祖父様、おじい様
●祖母→ご祖母様、御祖母様、おばあ様
●夫→ご主人様、旦那様
●妻→ご令室様、奥様…など

「忌み言葉」は、違う言葉に変換する

日本語には「忌み言葉」と呼ばれる言葉があり、縁起が悪いものとされています。そのため、弔電でも使わないのがルール。使用できない忌み言葉は、同じような意味の言葉に変換しましょう。
【代表的な忌み言葉と言い換え言葉】
●いろいろ→多くの、多彩な、もっと
●くれぐれも→どうぞ、十分に、よく
●重ね重ね→加えて、深く、あわせて
●引きつづき→これからも、改めて
●終わる→お開きになる、ゴールを迎える
●四(し)→よっつ、よん
●死ぬ→ご逝去、亡くなる、旅立つ
●急死→突然のこと、急なこと
●生きていたころ→ご生前、お元気だったころ…など

宗教・宗派でふさわしくない言葉は避ける

宗教・宗派によって、弔電にふさわしくない言葉あることも覚えておきましょう。例えば、死者が向かう「冥土」というのは仏教の考え方。よく使う「ご冥福をお祈りします」は仏教でしか使えません。同様に「成仏」や「供養」なども仏教用語。神道やキリスト教を信仰しているご家族への弔電では別の言葉を使う必要があります。例えば、神道なら「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」、キリスト教は「どうか安らかに眠られますようお祈りいたします」といった言葉があります。 さらに、同じ仏教でも浄土真宗は亡くなると同時に仏さまになる往生即成仏の考えをもち、冥土という概念がありません。浄土真宗でも「ご冥福をお祈りします」を弔電で使うのはマナー違反。同じ仏教でも、宗派によって使用する言葉に違いがあるのです。

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